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僕は仕事で朝が早い。
特にお彼岸を過ぎた最近は日の出がかなり遅くなってきた感じだ。
当然、仕事のスタートの4時はまだ真っ暗だ。
ある仕事先の病院。
ここ半年くらい毎朝会うおじいさんがいる。 取引き先の一つであるこの大病院の館内を早朝から掃除している人だ。以前はこの時間帯に会う人といったら守衛さんのみだったが今はこの人に真っ先に会っている。
見た目は老人だが足腰はしっかりして、テキパキと仕事をしている。
この人は僕が来たのを見ると裏玄関のカギをさっさと開けてくれたり、エレベーターの呼びボタンを押しておいてくれたりする。
寡黙だが心根が親切な人だ。
僕はたまにこの人に差し入れをしたりして感謝の気持ちを表している。
仕事柄、果物やお菓子類は潤沢にあるので、「感想を聞きたいので食べてみてください」などと言って差し上げている。
日の出がすっかり遅くなり、彼と会うのは暗い中でになった。
そんな矢先のちょうど一週間前、初めてと言っていいほど珍しいことに彼に会わなかった。
風邪でもひいたかな・・・・?
広い病院内なので会わなくても何の不思議も無いので僕は特にそのことを気にすることも無く、次の仕事先へとその病院を出た。
そして週末が過ぎ、週明けの早朝、いつものようにその人がいる病院に納品に行った。
彼はいつものように笑って僕を迎えてくれた。
でもいつもやってくれたようにカギを僕に代わって開けたりはしてくれなかった。
それでもとてもニコニコして裏口に立っていた。
「おはようございま~す」といつものように挨拶をしながら台車を押して彼の脇を通って行った。・・・挨拶に対する返答があったかどうか、覚えていない。
プ~ンと線香のいい香りがした。
病院の裏口っていうのは早朝、ひとけの無い時間に霊安室からの<退院患者>を迎える葬儀屋の寝台車が来ることがある。そういうシーンを何度も目撃していたから、線香くさいのはきっとそのせいだと思っていた。
ふと振り返ると彼はいなかった。この場所から目視出来ない所に移動するのは瞬時にはできないはずなのに・・・。
その日はそれで仕事が終わり帰宅した。
次の日、その人は僕が車を止めた場所からほど近い2階の窓辺から僕を見下ろして、「おはよう」と言ってきた。
いつもは入り口近くで作業をしているのに、この日に限ってどうしたわけか?
いぶかしく思う間もなく再度その2階の窓を見上げたら、彼はもうそこにいないようだった。
その次の日は真っ暗な裏玄関に彼はいた。やはりニコニコと頭を下げて挨拶をした。
でもカギは僕が自分で開けた。
館内に入るといつのまにか廊下をモップがけしている彼がいた。
だんだん不思議な気分になってきた僕は、声をかけた。
「もうこの仕事は辞めようと思っているんだよ」と元気なく小声で返事が返ってきた。
「そうですか。それは寂しいですね。」「でもこれから朝はゆっくり寝られますね」
と、僕。
「そうだね。私はゆっくり寝るよ」
僕はいつものように暗い待合室を抜けエレベーターに乗るために「じゃぁ、また」と言ってその場を離れた。
・・・・
今朝、しょぼ降る雨の中を大量の食材を納品しにそのおじいさんのいる病院に行った。
裏玄関に若い人がいる。
ほうきとチリトリを手に、黙々と掃除をしている。
初対面だったので一応挨拶をしてさっと通り過ぎようとした。
その若い人は「あっ、今日からここで働きますのでよろしく」と僕に声をかけてきた。
あっ、そうか。あのおじいさんは言っていた通り、仕事を辞めたんだ・・・・、そう思った。
「以前からここにいたおじいさんはここの仕事をもう辞めたんですね?」と僕は若い彼にたずねた。
彼はうつむきがちに僕を見て言った。
「あの方は1週間前に急に心臓発作で亡くなりましたよ」
僕、「・・・・・」
僕はまた、人には信じてもらえないような経験を再びしてしまった。
特にお彼岸を過ぎた最近は日の出がかなり遅くなってきた感じだ。
当然、仕事のスタートの4時はまだ真っ暗だ。
ある仕事先の病院。
ここ半年くらい毎朝会うおじいさんがいる。 取引き先の一つであるこの大病院の館内を早朝から掃除している人だ。以前はこの時間帯に会う人といったら守衛さんのみだったが今はこの人に真っ先に会っている。
見た目は老人だが足腰はしっかりして、テキパキと仕事をしている。
この人は僕が来たのを見ると裏玄関のカギをさっさと開けてくれたり、エレベーターの呼びボタンを押しておいてくれたりする。
寡黙だが心根が親切な人だ。
僕はたまにこの人に差し入れをしたりして感謝の気持ちを表している。
仕事柄、果物やお菓子類は潤沢にあるので、「感想を聞きたいので食べてみてください」などと言って差し上げている。
日の出がすっかり遅くなり、彼と会うのは暗い中でになった。
そんな矢先のちょうど一週間前、初めてと言っていいほど珍しいことに彼に会わなかった。
風邪でもひいたかな・・・・?
広い病院内なので会わなくても何の不思議も無いので僕は特にそのことを気にすることも無く、次の仕事先へとその病院を出た。
そして週末が過ぎ、週明けの早朝、いつものようにその人がいる病院に納品に行った。
彼はいつものように笑って僕を迎えてくれた。
でもいつもやってくれたようにカギを僕に代わって開けたりはしてくれなかった。
それでもとてもニコニコして裏口に立っていた。
「おはようございま~す」といつものように挨拶をしながら台車を押して彼の脇を通って行った。・・・挨拶に対する返答があったかどうか、覚えていない。
プ~ンと線香のいい香りがした。
病院の裏口っていうのは早朝、ひとけの無い時間に霊安室からの<退院患者>を迎える葬儀屋の寝台車が来ることがある。そういうシーンを何度も目撃していたから、線香くさいのはきっとそのせいだと思っていた。
ふと振り返ると彼はいなかった。この場所から目視出来ない所に移動するのは瞬時にはできないはずなのに・・・。
その日はそれで仕事が終わり帰宅した。
次の日、その人は僕が車を止めた場所からほど近い2階の窓辺から僕を見下ろして、「おはよう」と言ってきた。
いつもは入り口近くで作業をしているのに、この日に限ってどうしたわけか?
いぶかしく思う間もなく再度その2階の窓を見上げたら、彼はもうそこにいないようだった。
その次の日は真っ暗な裏玄関に彼はいた。やはりニコニコと頭を下げて挨拶をした。
でもカギは僕が自分で開けた。
館内に入るといつのまにか廊下をモップがけしている彼がいた。
だんだん不思議な気分になってきた僕は、声をかけた。
「もうこの仕事は辞めようと思っているんだよ」と元気なく小声で返事が返ってきた。
「そうですか。それは寂しいですね。」「でもこれから朝はゆっくり寝られますね」
と、僕。
「そうだね。私はゆっくり寝るよ」
僕はいつものように暗い待合室を抜けエレベーターに乗るために「じゃぁ、また」と言ってその場を離れた。
・・・・
今朝、しょぼ降る雨の中を大量の食材を納品しにそのおじいさんのいる病院に行った。
裏玄関に若い人がいる。
ほうきとチリトリを手に、黙々と掃除をしている。
初対面だったので一応挨拶をしてさっと通り過ぎようとした。
その若い人は「あっ、今日からここで働きますのでよろしく」と僕に声をかけてきた。
あっ、そうか。あのおじいさんは言っていた通り、仕事を辞めたんだ・・・・、そう思った。
「以前からここにいたおじいさんはここの仕事をもう辞めたんですね?」と僕は若い彼にたずねた。
彼はうつむきがちに僕を見て言った。
「あの方は1週間前に急に心臓発作で亡くなりましたよ」
僕、「・・・・・」
僕はまた、人には信じてもらえないような経験を再びしてしまった。
修学旅行で初めて行った場所なのに「あれ? ここって来たことある。 あの角を曲がると大きな鳥居があって川に吊橋が架かっているのがが見えるはず・・」 実際にある。
・・・・・・・・・・・・
これは小学5年のときの体験ですが、今まで誰にも話していない事。 昭和39年8月13日。 そう、東京オリンピックが開催される2ヶ月前のお盆。 隣の家のS君と空き地で朝9時頃からキャッチボールをしてたんだ。
30分位でS君が「きょうは暑いからちょっと川へ泳ぎに行かない?」
僕「もう、お盆だし地獄の釜の蓋が開いてるってお父さんが言ってて、怖いから行きたくない」
S君「じゃあ、俺一人で行ってくる。 誰か友達がいるはずだから・・」
そう言って「バイバイ、後でね」と家に帰って行ったんだ。
1時間位して外に出てみるとS君がキャッチャーミットを持って空き地に立ってたんだ。
僕「あれS君、川に泳ぎに行ったんじゃなかったの?」
S君「一回だけ飛び込んで面白くないから帰ってきた」
僕「じゃあ、僕もグローブとボール持って来るね」と家へ帰りグローブとボールを持って外へ出た。 けど、S君の姿が見えない。 「なーんだ、帰ったのか・・」僕も家に帰って、昼ごはん。
食べ終わるか終わらないか、隣のS君のお母さんの大きな声で「S、S、S!!sssssssssssssS--・・・・」泣き叫ぶ。
オレンジ色の毛布を頭からスッポリ掛けられ戸板に乗せられ無言で帰宅したS君。
そう、朝キャッチボールをして川へ泳ぎに行って、1回だけ飛び込んで「面白くないから帰ってきた」S君。 その時間が丁度飛び込んだ時間。
きっと周波数で姿が見え、テレパシーで会話していたのかな?
気持ち悪いとか怖いとかの次元じゃない素晴らしい異次元。
今も毎年お盆にはS君の家に行って「会話」しています。
長くなったけど、バンマスもきっと同じ感覚だと思います。
それにしても、すごい体験しましたね。
S君のお話、ありがとうございます。
なんか大林監督の映画にでもなりそうな不思議な話でした。
僕はこういう感覚、よくわかります。
仲のいい友達だったんでしょうね。 悲しい別れですが、不気味とは思いませんでした。
逆になにか温かい心情が伝わってきました。
僕の「おじいさん」も今日になって落ち着いて考えると、2~3度あった<挨拶>も<会話>も、もしかしたら僕だけの錯覚だったかもしれません。でもたしかにその姿ははっきりと見ていました。
でもちっとも怖くないのです。 なにかホンワカした気分です。
このブログに書いたことで、おじいさんはもう僕の前に姿を見せないでしょうね、きっと。
以前、このような話の時に「シャンプーしてると怖い」と言っていましたよね。
人間は五感のうち一つでも別の作業のために使えないと、そこから魔物が襲ってくるような気がするんですよね。
僕は以前書いた<近づいてくる足音>の方がずっと怖かったです。
さっさとリンスまでやっちゃいましょう!
そのとおりです。
霊を見たといっても怖い体験ではなかったのです。
おじいさんは律義にも僕に「さようなら。仕事がんばれ」と言いたかったのでしょう。
もう出てきてくれないでしょうね。ブログで公開しちゃったから。