僕は料理をすることが好きだ。もちろん食べることはもっと好きだけど。
若い頃から知り合いの和食料理屋とかそこで紹介されたフレンチとかチャイニーズのレストランでお手伝い(アルバイトとはニュアンスが違う)と称していろいろ料理を見よう見まねでおぼえてきた。
父の友人が割烹料理チェーンのボスだったので、その人のツテを使って各厨房に入り込んだのだ。
でもどうしたわけか料理人の道には進まなかった。
さて、
以前にもこのブログで家の食事は出来る限り僕が作る、と書いた。
そのとおり今でもしっかり作っている。
色々な食材をまんべんなく使うが、いつも下ごしらえの段階で次の2つの材料に一喜一憂するのだ。
1つはタマネギをむく時。もう1つはゆで卵の殻をむく時だ。
二つとも<むく>という作業だが・・・これがうまくいくとその後の作業が機嫌よくできるのだ。
タマネギのあの茶色の薄皮をむく時、スパッとむければ気分爽快だが、たまにしっかりとくっついていてはがれないものがある。これは難儀だ。余分な時間がかかるのでイヤだ。
ゆで卵の殻むきも同じようなもので、つるっと殻がまとめて大きくむけた時の爽快感といったら最高だ! でも時々、身にしっかりとくっついて、むこうとすると白身本体がズタズタになってしまう。こういう時は落ち込む!
で、今日はこのゆで卵の殻がうまくむけるよう、今までの経験と卵について勉強した結果を総合して書いてみたい。
「産みたての卵は殻をむきやすくゆでるのが難しい」・・・これは本当だ。
ゆで卵には冷蔵庫保存なら採卵後7-8日以上、常温なら三日以上経ったものが適している。
その理由は3つ。
第一は、産みたての卵の白身に多く含まれる炭酸ガス。ゆでるとガスが外へ出ようと白身を圧迫するため、殻と白身がくっつきやすい。 (これは何日か置けば自然に抜ける)
第二は、白身の状態。白身にはドロッとした濃厚卵白とサラサラの水様卵白があるが、産みたての卵は、濃厚卵白の割合が高い。ここに含まれるタンパク質成分が、殻とくっつきやすい性質を持っている。 (濃厚卵白は時間の経過とともに減るので、殻はむきやすくなる)
第三は、殻と白身の間にある卵殻膜(薄皮)の変化。(この膜は繊維状のタンパク質。日ごとに繊維が切れやすくなり、力が弱まるので熱を加えても白身と密着しにくくなる)
以上のような理由がある。
しかし常にちょうどいい卵があるとは限らない。
店で買ってきたばかりの新しい卵をゆでる時はどうすればいいのか?
二つのやり方があるそうだ。
まず、「殻に小さな穴をあけてゆでる」
卵の両端のうち、とがっていない側に針などで小さな穴をあけると、ゆでる時に卵殻膜と白身の間に水が入り込み、むきやすくなる。(穴は殻を貫通させるだけ。深さはせいぜい2-3mm程度。水に酢や塩を少量入れてゆでると、穴から白身の流出を防げる)
もう1つは、「よく冷やした卵を熱湯に入れる方法」
水からゆでるのが定石と思っている人も多いが、急激に加熱することで、異なったタンパク質で出来ている卵殻膜と白身の収縮に時間差が生じ、離れやすくなる。
(注意点は卵を十分に冷やしておくこと。氷水で冷やしておけば万全だ)
このゆで方だと殻にひびが入りやすいので、お玉などを使って丁寧に卵を鍋に入れるといい。
なお、どちらの方法でも、ゆであがったら卵を冷水にとることは必須条件だ。
ある人がこれらをもとに、実際にゆで卵を作ってみたのでその結果を報告しよう。
ゆで方は、
1 産卵から3日たった卵を水からゆでる
2 3日たった卵に針で穴を開けて水からゆでる
3 3日たった卵を熱湯に入れてゆでる
4 2週間たった卵を水からゆでる
いずれも直前まで冷蔵庫で冷やしてあった卵だ。
沸騰してから12分間ゆで、冷水にとってから、むいていく。
結果は、
1は殻と白身がくっついてボロボロな姿に。
2と3は問題なくむけたが、2は殻にひびを入れると水分が流れ出た。
4はスルスルとむけた。
むきやすさの順は4→3→2の順だったそうだ。
結論は「卵の状態に合わせてゆで方を変えるのがコツ」だ。
*******
先日は3人の子供たちがチャーシュー(正確にはウチのは<ゆで豚>)を食べたいとリクエストしてきた。
家でこれを作る時は、その煮汁の中に大きく切ったダイコンとニンジン、細かく切らないレンコン、そしてゆで卵を一緒に入れて作る。
比較的長い時間煮込むので野菜は大き目がいい。僕が特にこだわっているのはレンコンを大きいまま(元々小ぶりの長さは7-8cm程度のものだが)入れること。
レンコンはテンプラにする時のように薄く切ったりしない。
できるだけ大きく(厚く?)すると噛み切る時に糸をひく。これがレンコンだ!
土浦のレンコン農家の人たちもこの食感が栄養にもなると言っていた。
つるんときれいにむけたゆで卵も煮汁の中で味がついていく。これもおいしい。
残った煮汁は煮詰めて味を整え、水溶きカタクリでとろみをつけて肉の上からかける。
料理の写真は難しく苦手なので、こんな写真で申し訳ないが、これがその時の出来だ。
この他に海藻サラダとシジミの味噌汁、ヒジキと大豆を煮たもの、キャベツの浅漬けなどを作って出した。
子供たちはとても喜んだ。
いつも思うが自分で作った料理は格別に美味しいと感じる。なんでだろう?
たくさん食べる子供につられて食べていると自分がメタボのスパイラルに陥っていくのは自明である。
でも、一家のコミュニケーションは食にあり・・・だ。 大切にしたい。
PS. このブログに来てくれる人の中には料理のプロも幾人かいらっしゃる。そういう専門家の方々に対してシロウトが料理を語るのはちょっと気が引けるが、あくまで一人のバンマスの趣味として笑って聞いて欲しいと願う。
若い頃から知り合いの和食料理屋とかそこで紹介されたフレンチとかチャイニーズのレストランでお手伝い(アルバイトとはニュアンスが違う)と称していろいろ料理を見よう見まねでおぼえてきた。
父の友人が割烹料理チェーンのボスだったので、その人のツテを使って各厨房に入り込んだのだ。
でもどうしたわけか料理人の道には進まなかった。
さて、
以前にもこのブログで家の食事は出来る限り僕が作る、と書いた。
そのとおり今でもしっかり作っている。
色々な食材をまんべんなく使うが、いつも下ごしらえの段階で次の2つの材料に一喜一憂するのだ。
1つはタマネギをむく時。もう1つはゆで卵の殻をむく時だ。
二つとも<むく>という作業だが・・・これがうまくいくとその後の作業が機嫌よくできるのだ。
タマネギのあの茶色の薄皮をむく時、スパッとむければ気分爽快だが、たまにしっかりとくっついていてはがれないものがある。これは難儀だ。余分な時間がかかるのでイヤだ。
ゆで卵の殻むきも同じようなもので、つるっと殻がまとめて大きくむけた時の爽快感といったら最高だ! でも時々、身にしっかりとくっついて、むこうとすると白身本体がズタズタになってしまう。こういう時は落ち込む!
で、今日はこのゆで卵の殻がうまくむけるよう、今までの経験と卵について勉強した結果を総合して書いてみたい。
「産みたての卵は殻をむきやすくゆでるのが難しい」・・・これは本当だ。
ゆで卵には冷蔵庫保存なら採卵後7-8日以上、常温なら三日以上経ったものが適している。
その理由は3つ。
第一は、産みたての卵の白身に多く含まれる炭酸ガス。ゆでるとガスが外へ出ようと白身を圧迫するため、殻と白身がくっつきやすい。 (これは何日か置けば自然に抜ける)
第二は、白身の状態。白身にはドロッとした濃厚卵白とサラサラの水様卵白があるが、産みたての卵は、濃厚卵白の割合が高い。ここに含まれるタンパク質成分が、殻とくっつきやすい性質を持っている。 (濃厚卵白は時間の経過とともに減るので、殻はむきやすくなる)
第三は、殻と白身の間にある卵殻膜(薄皮)の変化。(この膜は繊維状のタンパク質。日ごとに繊維が切れやすくなり、力が弱まるので熱を加えても白身と密着しにくくなる)
以上のような理由がある。
しかし常にちょうどいい卵があるとは限らない。
店で買ってきたばかりの新しい卵をゆでる時はどうすればいいのか?
二つのやり方があるそうだ。
まず、「殻に小さな穴をあけてゆでる」
卵の両端のうち、とがっていない側に針などで小さな穴をあけると、ゆでる時に卵殻膜と白身の間に水が入り込み、むきやすくなる。(穴は殻を貫通させるだけ。深さはせいぜい2-3mm程度。水に酢や塩を少量入れてゆでると、穴から白身の流出を防げる)
もう1つは、「よく冷やした卵を熱湯に入れる方法」
水からゆでるのが定石と思っている人も多いが、急激に加熱することで、異なったタンパク質で出来ている卵殻膜と白身の収縮に時間差が生じ、離れやすくなる。
(注意点は卵を十分に冷やしておくこと。氷水で冷やしておけば万全だ)
このゆで方だと殻にひびが入りやすいので、お玉などを使って丁寧に卵を鍋に入れるといい。
なお、どちらの方法でも、ゆであがったら卵を冷水にとることは必須条件だ。
ある人がこれらをもとに、実際にゆで卵を作ってみたのでその結果を報告しよう。
ゆで方は、
1 産卵から3日たった卵を水からゆでる
2 3日たった卵に針で穴を開けて水からゆでる
3 3日たった卵を熱湯に入れてゆでる
4 2週間たった卵を水からゆでる
いずれも直前まで冷蔵庫で冷やしてあった卵だ。
沸騰してから12分間ゆで、冷水にとってから、むいていく。
結果は、
1は殻と白身がくっついてボロボロな姿に。
2と3は問題なくむけたが、2は殻にひびを入れると水分が流れ出た。
4はスルスルとむけた。
むきやすさの順は4→3→2の順だったそうだ。
結論は「卵の状態に合わせてゆで方を変えるのがコツ」だ。
*******
先日は3人の子供たちがチャーシュー(正確にはウチのは<ゆで豚>)を食べたいとリクエストしてきた。
家でこれを作る時は、その煮汁の中に大きく切ったダイコンとニンジン、細かく切らないレンコン、そしてゆで卵を一緒に入れて作る。
比較的長い時間煮込むので野菜は大き目がいい。僕が特にこだわっているのはレンコンを大きいまま(元々小ぶりの長さは7-8cm程度のものだが)入れること。
レンコンはテンプラにする時のように薄く切ったりしない。
できるだけ大きく(厚く?)すると噛み切る時に糸をひく。これがレンコンだ!
土浦のレンコン農家の人たちもこの食感が栄養にもなると言っていた。
つるんときれいにむけたゆで卵も煮汁の中で味がついていく。これもおいしい。
残った煮汁は煮詰めて味を整え、水溶きカタクリでとろみをつけて肉の上からかける。
料理の写真は難しく苦手なので、こんな写真で申し訳ないが、これがその時の出来だ。
この他に海藻サラダとシジミの味噌汁、ヒジキと大豆を煮たもの、キャベツの浅漬けなどを作って出した。
子供たちはとても喜んだ。
いつも思うが自分で作った料理は格別に美味しいと感じる。なんでだろう?
たくさん食べる子供につられて食べていると自分がメタボのスパイラルに陥っていくのは自明である。
でも、一家のコミュニケーションは食にあり・・・だ。 大切にしたい。
PS. このブログに来てくれる人の中には料理のプロも幾人かいらっしゃる。そういう専門家の方々に対してシロウトが料理を語るのはちょっと気が引けるが、あくまで一人のバンマスの趣味として笑って聞いて欲しいと願う。
頑張って、楽しみながら、ご家族の笑顔の「旨い」の言葉を
励みにチャレンジして下さい。
そういう方ばかり増えると、当店も辛いモンが有りますが・・・
おー、やっぱり来てくれたー!
<PS>で書いたように当然お二人を含む、あと若干名のプロの料理人の方にいじられるのを覚悟してましたよ。
でも、温かい励まし、ありがとうございました。
一言。
しょっちゅう自分で料理をしているからこそ、外で食べるのが何より楽しいのですよ。
家での食事は<教育>です!
Masami-Ya や Gicchon での飲食は<娯楽>であり<貴重な息抜き>なのです。
遊びに行ったら何か1つプロのコツを伝授願います。ペコッ。