バンマスの独り言 (igakun-bass)

趣味と実践の音楽以外に日々感じる喜びや怒り、感動を記録するためのブログです。コメント大歓迎です!

疲れている、たぶん

2007年11月02日 | アルバム・レビュー
今ごろの夕方はいやだ。だって空が暗くなるのが早いからだ。そしてひんやりした風がヒューっと吹いて、お豆腐屋さんのラッパがその風に乗ってかすかに聞こえてくる!

何か言いようの無い疲れや重苦しさが支配している。
夜ならばさっさと寝ればいい。そこで穏やかな夢でも見よう。
でも夕方じゃ寝るわけにもいかず、僕の五感はフル回転したまま、夜に挨拶をする。

さっきまで次のライブの候補曲の分析をしていた。ベースも弾いた。うんと弾いた。
でも夕暮れとともに全てが面倒になった。
PCの電源も落とした。
机の上には数枚のCDと20本にもなった未視聴のDVD。
評論を生業(なりわい)としているわけじゃないので、別に無理して聴くことも見ることもない。

疲れているんだ。

ふとその数枚のCDの中の一枚に目がとまる。ウチのバンドのドラマーがくれたものだ。

ジョニ・ミッチェル・・・一度音楽界から引退を表明した天才肌のシンガー・ソングライター・・・が5年の時を経てカムバックした。カムバックするんなら引退するな!と都はるみの時と同じ気分だったが、ドラマー曰く<お勧めのアルバム>だという。

ウチのドラマーは僕なんか及びもしないほど疲れている。いろいろと。
そいつがよこした音楽だ。最近よく聴いていると言う。

じゃぁ、ちゃんと聴いてみるか・・・実は前にとってもHiな時に聴いたんだ。ぜんぜんピンと来なかった。
で、今日の夕方、部屋のカーテンを閉め、ベースアンプの電源を切り、「歌舞伎揚げ」お煎餅とジントニックを用意して聴いたんだ。

ジョニ・ミッチェル:シャイン (2007作品)

やけに躍動的なジャケット写真に違和感を感じつつ、1曲目のインストから僕は奈落の底に落ちていくような錯覚?にとらわれた。

ベースやドラムの出番が全曲を通じて少ない。
鍵盤(シンセ)系の低音がまったりと広がっていく。
この味はボジョレー・ヴィラージュをカマンベールをサカナにして楽しむ感じだ。

音楽は時には冷静で、底なしのスパイラルをゆっくりと降りていくよう。
不思議なことだが、とっても不思議なことなのだが・・・ジョニの歌が(ポリスの)スティングのように感じてしまう。
彼が歌ってもピッタリの曲想なんだ。

ジョニ、この人は何を、どんな感情を表現したかったのだろう?

僕は以前このブログの同じカテゴリーでジョニを取り上げている。
あの時のジョニとは違うんだ。
この人は絶えず変化してきた。最初はフォーク屋さんだったのに・・・。

ソプラノ・サックスが曲の中に切り込んでくると、僕は<ブルータートルの夢>を思い浮かべてしまう。
ジョニだよ、ジョニ!
これはまぎれもなくジョニの音楽だね。

2人の音楽が交錯している。

だから秋の夕方はいやなんだ。

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