こまちゃん

爺婆ふたり生活の日記

ありがとう

2011年01月15日 | 親の介護録
父の死は母の時ほど悲しさは襲ってこなかった

通夜も告別式も淡々と過ぎて行った

死んでしまった事を知った時は驚きと悲しみと後悔はあったが
次第に体の力が抜けていくのが感じられ安ど感のような気持ちが湧いてくるのを
後ろめたく感じたほどだ

ところが
いよいよ火葬ということでお棺にお花を入れようと
それまで、無意識に見なかった父の顔をまっすぐ見ると
赤みのない白い顔がニコッともしない事を改めて思い
悲しみが一気にあふれ出し涙と嗚咽が止まらなくなってしまった

「お父ちゃん、ありがとう」と泣きながら叫んでいた

母には言えなかった
父には絶対言おうと思っていた
ありがとう

私をここの子供にしてくれてありがとう
可愛がってくれてありがとう

生前、この言葉を言いたいとずーっと思っていたが口に出して言うと
最期になってしまうような気がしてなかなか言えなかった

無意識のうちに叫んでしまったのは
私の心の中で、ずーっと反芻していた言葉がぴゅーっと勢いよく飛び出したようだ

やっと言えた
お父ちゃん、お母ちゃん、ありがとう

    
今日の午後、娘家族がやって来た
娘は、来月、二人目を出産するのだが、里帰りの時使う部屋を整えていった

父はもうすぐ曾孫が増える事を知っていた
私も、父の世話と娘の出産の世話を両立させるつもりで、がんばろうと思っていた

父が
「自分はもう良いから娘と孫の世話をしてやれ」と言っているような気がした
生まれる子は男の子と言われている

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