郷土食研究会 うまかっぺ!茨城 

茨城の郷土食に関するあれこれ。また、そこから、「食」だけではない、た~~~くさんの、よもやま話などなど・・・

陸と湖の豊かな食材で、アウトドア料理もおうち料理も レッツエンジョイ♪(1)

2023-03-27 21:43:12 | グルメ

以前も当ブログ(以前の記事 →『行方レシピコンテスト』)で紹介させて頂いた、行方市で行われている地元食材を使ったレシピコンテスト。 

第8回の昨年2022年は「キャンプ料理」でした。

第8回のレシピコンテスト詳細と受賞レシピの数々については、
なめがたブランド戦略会議 公式サイト 『第8回 行方レシピコンテスト審査結果について』
をご参照下さい。


で、私も無い知恵を絞り、応募しましたが、入選ならず…

だって、強豪レシピばっかりなんですもん …という言い訳は置いといて。

それでも、試作と試食を重ねて、自分ではそれなりに自信作なんで、このままレシピを埋もれさせるのは悲しい。
それも、霞ヶ浦周辺の豊かな食材を使ったレシピですし。

…ということで、このレシピコンテストに応募した自分の料理のレシピを、このブログに掲載しても良いかとレシピコンテストを主催されている、なめがたブランド戦略会議(https://namegatafoodvalley.org/)さんに問い合わせさせて頂いたところ、
「個人のブログならばOK」とご快諾頂きました

しかも当ブログまで読んで頂くという思いがけない光栄までも♪

ありがとうございます!

それにしても、レシピを考えている時、つくづく思ったのが、霞ヶ浦沿岸の食材の豊かさ
これは本当にもっと世の中に知ってもらいたい。

行方市は、歴代のレシピコンテストの入賞レシピも、クックパッドで『茨城県行方市のキッチン』(https://cookpad.com/kitchen/17194339)として公開していて、すごいと思います。

そして、こういった地元食材の料理が広く作られるようになると、後世にはれっきとした郷土食になるわけですし(^^)。

微力ながら、未来の郷土食のお手伝いをしている気持ちになっていたりしています。


さて、第8回レシピコンテスト「キャンプ料理」に私(市川)が応募したのは、2つ。

● スパイス香る 川魚の炊き込みご飯   ガーリック風味カリカリ川えび トッピング

●  変わりディップ数種類で食べる 焼き野菜 


キャンプ料理を想定していますが、おうちでももちろん作れます。しかも簡単!

 

まずは、

★ スパイス香る 川魚の炊き込みご飯   ガーリック風味カリカリ川えび トッピング

です。

 

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料理名霞ヶ浦の魚まるごと炊き込み香ばしピラフ カリカリ川えびガーリックと小ねぎトッピング


【材料(2人分)】

ピラフ用
米2合 トマト中2個、小ねぎ3把程度、霞ヶ浦の魚の佃煮/旨煮(写真の例は鯉の旨煮1パック)、味噌 大匙4杯、カレー粉好みの量、ピラフ用の水 150~180cc程度(トマトが入るので規定量よりかなり少なく)

トッピング用
・川エビ(テナガエビ)(小)カップ半分程度(好みの量)、ニンニク1かけ(好みの量)、
    サラダ油
・小ねぎ トッピング用に1把程度(好みの量)
(道具:ピラフを炊く鍋、トッピングを作る小さなフライパンなど)


【作り方】


(1)米は洗ってからざるに入れて、30分ほど水切りをしておく。

(2)野菜を切る
  ① ピラフ用:トマトは四つ割りにカット。小ねぎはピラフ用に5mm程度の長さに切る。
  ② トッピング用:小ねぎは小さく刻み、ニンニクもみじん切り。それぞれ別に分けておく。

 

(3)ご飯の仕込み
 鍋に米と水を入れ、味噌を加え、ムラのないように混ぜる。
 次に、小ねぎとカレー粉を加えて軽く混ぜる。
 最後にトマトと魚の佃煮/旨煮を乗せ、フタをする。

(写真では、鯉の旨煮をどんと丸ごと使ってます。煮こごりのタレももちろん入れています)

 

(4)ご飯の炊き込み
 鍋を火にかける。
 最初強火にかけて沸騰したら(沸騰した音がして鍋から湯気が出てきたら)、弱火にして20分ほど炊く。

 炊きあがったら、火を止めて(火から下ろし)10分蒸らす。

 (家庭では炊飯器におまかせでOK)


 
(5)トッピング作り
 ピラフが炊ける間にトッピングを作る。
 フライパンに薄く油をひき、最初テナガエビを弱火から中火程度で3分ほど焦げないように混ぜながら炒め、食べてみて、足やひげなどが口に当たらないくらいなったら、みじん切りにしたニンニクを入れて、更に2分ほど炒める。エビがカリカリになり、にんにくから、も香ばしい香りがしてきたら、火から下ろす。

川エビ(塩茹でされたもの)とニンニクを炒めているところ。川エビに塩味がついているので、塩を加えません。

 

ガーリック風味のカリカリ川エビと、きざんだわけぎ。トッピング用です。

 

(6)仕上げ
 炊き込みピラフを蒸らし終わったら、蓋を開け、鯉の旨煮を使ったときは、鯉を別の皿に取って、まずピラフだけ混ぜ、鯉は骨を取り除いてから、身をピラフに混ぜる。
 小魚やワカサギの佃煮を使った場合は、そのまま一緒にご飯に混ぜ込む。

写真は炊きあがったところ。

 

(7)さあ!食べましょう♪
 2種類(カリカリ川えびガーリック、小ねぎ)のトッピングをお好みでかけて、召し上がれ!

 


【このレシピのポイント】

「ごみはなるべく出さない」「下準備はなるべく少なく簡単に、手間もなるべくかけず」
「後片付けもなるべく少なく」をモットーに考えました。
霞ヶ浦名産の魚の佃煮・甘煮を使って、甘みのある佃煮・甘煮の魚の美味しさを生かす為に、一緒に炊き込む野菜は酸味のあるトマトと小ねぎのみにしました。
トッピングの川エビのガーリック炒めと刻んだ小ねぎが、このピラフに大変合います。
味噌を使っているのでピラフにお焦げも出来て香ばしさも加わり、カレー粉の香りが材料全体に調和して、魚が苦手な人でも食べたくなる料理を目指しました。

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簡単で、美味しいですよ!(自画自賛(笑))

キャンプでも、ご自宅(炊飯器)でも出来ますので、是非、お試し下さい♪


さて次回は、二つ目のレシピ『変わりディップ数種類で食べる 焼き野菜』です。

 

(市川)

 

 


節分そば

2023-02-03 21:51:47 | グルメ

「立春」は暦の上では「春が始まる」という日で、一年の始まりとされます。

その前日が「節分」。

つまり、「一年の始まり=立春」の大晦日なので、この日に年越しそばならぬ、「節分そば」を食べる風習が残っている地域があり、例えば茨城県のつくば市にもあります。

 

郷土食研究会うまかっぺ茨城では、以前、郷土食に関するアンケートを取ったことがありました。

その時、つくば市の旧大穂村地区の方から「節分そばを食べる」とご回答頂いたことがありました。

また、これとは別に、つくば市の旧筑波町地区の方からも、「節分そば食べる」と聞きました。そこのお宅は毎年、親戚の方が打ったおそばを待ってきてくれるので、それを食べるとのこと。

 

そう、茨城県内、少なくともつくば市内でも、「節分そば」を食べる習慣があるのです

 

ということで、本日節分の夜、節分そばを頂きました。

 

まあ、2023年現代風に、近所のスーパーで購入した「恵方巻き」と一緒に、おそばも頂きました。

本日は、我が家では、利尻とろろ昆布と三つ葉をトッピングした、温かいおそばで。

身体が暖まりました~

この食べ方が、つくば市大穂地区を始め、茨城県内の「節分そば」の食べ方と同じか・近いかは分かりませんが・・・おそばの食べ方は家庭にもよると思うので、これもありかなぁ~と思ってます

大晦日の年越しそばと違って、ある意味、少し落ち着いた雰囲気でゆったり頂く「節分そば」。まだまだ寒いながらも、明日は「立春」、春の足音と共に本来の「年越しそば」の意味を感じながら頂けて、お勧めです

(市川)


埼玉 東部地域の郷土菓子「塩あんびん」

2023-01-23 21:36:42 | グルメ

2023年、今年もよろしくお願いいたします

 

さて当ブログ、茨城だけでなく、近隣県の郷土食や、国内の郷土食にも触れながら、

茨城の郷土食をあらためて考えられたら・・・と考えております。

ということで、今回は、

埼玉県東部エリアの郷土菓子「塩あんびん」

についてです。

 

全く甘くなくて塩味とのことで、以前から大変興味がありました。

文献1によると、昔、砂糖が貴重だったころ、塩で味付けしていたものが
今に伝わっているとのこと。

砂糖が貴重だったのは全国的にそうだったと思われますが、
今でも塩味を伝えているというのが貴重だと思います。

他の土地では、どうして塩味の大福は残らず、砂糖味が多数派をしめたのか?実は甘い小豆餡が苦手な私としてはとても不思議。

そういうわけで、以前から気になっていた「塩あんびん」、
先日久喜方面に行く機会があり、道の駅で販売されているのを見つけて購入しました!

「塩味」といってもどの程度でしょう?
例えば、生地に塩味のお豆(大豆など)がちょっと混ざっていて、小豆餡は普通に甘い大福は
よく見かけますね。

ところが、この『塩あんびん』、見かけは普通の大福ですが、ばっちり塩味。
少しも甘い部分はありません。
生地も特に甘い味付けはされていません。

一般的な認識の「大福」のつもりで食べると、びっくりするかもしれません。
でも、全くの塩味の小豆餡も大変美味しい
(個人的には、塩味の小豆餡の方が好きなくらいです

先にも書きましたが、昔、砂糖が貴重だった時に塩を使って作ったのが始まりとのことで、
昔は砂糖が貴重だったのは全国どこも一緒なわけです。
でも、どうして塩味の小豆餡は、今は一般的でないのでしょう?

塩味の小豆餡、美味しいのに、一般的出ないのが不思議。

逆に、豆を砂糖で甘して味付けする料理は、世界的には珍しいようで、
外国の方は、日本で一般的な豆を甘く煮る料理が、苦手な人も多いと聞きます。

とすると、この塩あんびん、豆を塩味で調理する文化の外国の人には、より受ける和菓子ではないでしょうか♪

 

ところで『あんびん』というのは、多分『餡餅』と漢字で書くのかと思います。
中国語読みから『あんびん』と呼ばれてきたのかなと推察しています。

『餅』を『びん』と読むところから思い出されるのが、坂東市の夏の郷土菓子『みょうがまんじゅう』別名『やきびん』。

このブログでも紹介した
坂東市の夏の郷土菓子『みょうがまんじゅう』別名『やきびん』です。

→ 板東の「みょうがまんじゅう/やきびん」

 

どちらも『餅』を『びん』と呼んできたところに、中国からのお菓子の流れがあるのでは?
と勝手に思っています。


例えば、古くに伝わった仏教のお菓子(仏さまにお供えするお菓子)などが、時代を経て姿を変えて、
庶民に伝わっきたのが、『塩あんぴん』だったり『やきびん』だったりするのでは??
…と想像をたくましくしてしまいます。

中国大陸や台湾に近く、古くから交流がある九州など、郷土料理もお菓子も大陸の影響があるのは分かるのですが、
ちょっと離れたここ関東地方にも、もしかすると細く長く伝わった、忘れられた人々の交流があったのかも
しれないなぁと、ロマンを感じています。

真相はいかに

 

【参考文献】

1.『別冊うたかま 伝え継ぐ日本の家庭料理 米のおやつともち』 (一社)日本調理科学会 企画・編集 (一社)農山漁村文化協会 発行

 

【参考サイト】

農林水産省 うちの郷土料理 埼玉県 塩あんびん(しおあんびん)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/33_5_saitama.html

 

(市川)

 

 

 

 


つくば・神郡 伝統菓子「押しもの」

2022-11-12 13:03:57 | グルメ

 

10月末~11月初旬に毎年行われる『筑波山麓秋祭り』の田井地区での催しで、神郡の
桜井菓子店さんで『伝統菓子 押しもの』が販売されるのが気になっていて、
今年の秋祭りに訪れることが出来ました
11/3(木・祝日)限定販売なんです

 

桜井菓子店さんは、あんドーナッツで有名なお店。
ご高齢のご夫婦が手作りで細々と作られているあんドーナッツですが、
テレビでも時々紹介されたこともあり、土日祝日などは昼前に売り切れてしまうほどです

そのお店で作られてきた『伝統菓子 押しもの』、わくわくして購入♪

『押しもの』と呼ばれるお菓子は、もち米等の穀類の粉に砂糖や水あめを加えて作られた生地を、
吉祥紋(鯛、海老、鶴亀、松竹梅など)が彫られた型で押して形づくられるものです。『打ちもの』とも呼ばれている、日本の伝統菓子の1つ。
(『押しもの』と『打ちもの』は違いが少しあるようなのですが、私には分からないです…)


さて、この日、店頭に並んでいたのは2タイプの模様でした。

一つは、薄紅に着色された伊勢海老の形。
もう一つは、薄紅と黄色の二色に色分けされた蓑亀(ふさふさの尾のような藻が生えている亀)の形。

私は薄紅の伊勢海老の方を購入しました。(前回の記事に続き、エビなのは偶然です(笑))

お店の中で別のお客さんと店主さんが話されているのが聞こえました。

日持ちのするお菓子で、お祝いの引き出物などでよく出されていたそうです。

 

中に小豆餡が入っています。

食べると、思っていたよりしっとりしていて食べやすく、甘味を強くなくてちょうど良い
そして、この小豆餡は…そう! あのあんドーナッツの餡と同じ美味しさ!

このタイプの『押しもの』菓子は、昭和の頃、引き出物などで見慣れたものでした。
結婚式の引き出物の中や何かの祝典の手土産にもあったと記憶しています。

私の記憶の中では、吉祥紋の柄に鮮やかに色づけされていましたが、
食べるとボソボソして変に甘くて…正直好きなものではありませんでした。
小豆餡なども入ってなく、白いボソボソの生地だけでした。

でも、桜井菓子店さんの押しもの、かなり美味しかったです
生地も食べやすかったし、なんといっても小豆餡が入っているのも嬉しい

さすがと思いました。

お店はご高齢のご夫婦が営まれていますが、あんドーナッツも含め、
どうかこの味が消えないように…と切に祈っています。

桜井菓子店さんの、あんドーナッツと押しもの(伊勢海老の形)のツーショット

 

(市川)

 


霞ヶ浦のテナガエビ 今昔

2022-09-19 11:57:22 | グルメ

カワエビとも呼ばれるテナガエビ
テナガエビも、霞ヶ浦・北浦の特産の一つです



写真は、行方市麻生地区付近の霞ヶ浦(2022年8月撮影)。
この辺りは昔ながらの沿岸の風景が残ります。

都心からも近い霞ヶ浦。従って活きがよいまま供給できるということで、
霞ヶ浦や北浦のテナガエビ(川エビ)も、高級食材として、東京の料亭やレストランで使われていると聞きます。


【筑波山南麓 飯名神社の初巳祭にて~昔からの風景】


2月初旬の頃に行われる、筑波山南麓の飯名神社の初巳祭。
参道に屋台や出店が並びます。

その中で行方市の方から、釜茹でのテナガエビを売りに来られる業者さんがおられます。

テナガエビは、つくばの辺りではほとんどが甘く煮たものや佃煮として売られていることがほとんどです。
しかしシンプルな塩茹でのテナガエビは、特に最近、あまり見かけません。
土浦や行方の方まで行くと手に入るのですが


そういった訳で、つくば/筑波山麓でシンプルな塩茹でテナガエビが購入できる貴重な場なのが、神社の縁日です
しかも嬉しいことに、生産者直売のためか、お安い♪
というわけで、毎年テナガエビの購入を楽しみにしている人も多いそうで、出店に数人の人が集まって購入している姿を見かけます。
(写真は2018年2月撮影)


私も、2月の飯名神社の初巳祭に行ける時は、必ずこちらで釜茹で(塩茹で)のテナガエビをたっぷり買います。
食べきれないときは冷凍保存可能なのも嬉しい

売り手の方から、おすすめの料理方法も教えて頂いたりと、そういうやりとりも楽しいです

そして、霞ヶ浦の名産が、筑波山麓で神社のお祭りの時に売られているというのは、食や食材の文化 そして、昔ながらの流通や人の行き来が感じられて、感慨深い風景です。

さてそのテナガエビ、その卵は「えびまこ」と呼ばれ、これまた更に貴重な霞ヶ浦の食材。
えびまこを使ったお雑煮は、当ブログでも以前、記事にしましたので、ご参照ください。

 → 霞ケ浦の「えびまこ」のお雑煮

この「えびまこ」、最近はなかなか採れないそうで、2年前、霞ケ浦の『煮うなぎ』()を買いに行ったお店で、『これは7年ぶりに今年やっと採れたえびまこ』ということで、売られていたえびまこをラッキーにも購入出来ました。

お店の方によると、『これは 冷凍しておけばいくらでも持つ』とのことで、冷凍保存して、少しずつ大事に頂いています。

  霞ケ浦の郷土食『煮うなぎ』についても、以前、記事しましたので、こちらもご参照下さい。
 → 煮うなぎ (うなぎの大和煮・うなぎの佃煮)


【テナガエビ漁の変遷】

現在はトロール漁で行われるテナガエビ漁(詳細:参考サイト1)。
 
昔(昭和の中頃までか?)は、『エビダル』という真竹と棕櫚で作った深い篭や、竹簾のような『オダ』、藁をしずめた『ボッチ』、藁と木の枝を鎮めた『草オダ』と呼ばれるものを使って取ったそうです(詳細:参考文献1)。 

昔は小舟で『エビダル』を沢山乗せて霞ヶ浦の沖まで行って、それを沈めて仕掛けておくと、エビダルいっぱいにテナガエビが採れたそうです。

また、『エビダル』を作る職人さんは、土浦や阿見町におられたそうです。

後述する参考文献1に当時の様子が詳しく聞き書きで記録されていますので、ご興味ある方は是非お読みください。

そうやって採られたテナガエビが茹でられて、店に卸す他に、例えば筑波山麓の神社のお祭りなどの屋台で売られ、
霞ヶ浦から離れた土地の人々はそれを買える貴重な機会だった・・・そういった日本の昔の風景が浮かぶようです。


【都内の料亭や高級レストランでも!霞ヶ浦のテナガエビ】

さて、塩ゆでにされたテナガエビの料理方法

この記事冒頭で紹介した、飯名神社の例大祭でテナガエビを売っておられた女性(生産者さん)によると、

小さいものは、茹でたものをそのままでも食べられる。大きいものは身も大きいくて美味しいけれど、エビの足や口のとんがりが口の中で当たって食べにくい。だから大きいものは、フライパンでさっと焼くか油いためすると、それが気にならなくなるのでそれをおすすめします!
とのこと。


なので、美味しく頂けるテナガエビの料理法としては、まずポピュラーなのは、天ぷらか唐揚げでしょう。
小さなものはかき揚げで、大きめのものは一匹ずつ揚げたりしたり。

ちなみに写真中央奥は小さめのテナガエビのかき揚げ、左は大きいテナガエビ1匹の天ぷら(中央の緑の天ぷらはピーマンの天ぷら)。
サクサクとエビの旨味が口に広がって、美味しい

天ぷらにしなくても、フライパンで炒めるだけで、殻も香ばしく、足や口のとんがりも脆くなってこれまた香ばしくなり、美味しいです

さらに、その生産者の女性によると、
キャベツと一緒に炒めて、パスタと和えるのが、家庭料理ではおすすめ』とのこと。
実際、こちらのテナガエビを使っている東京のお店で、そのようにテナガエビを使ったパスタを出すお店があるそうです。
新鮮なテナガエビは、東京から近い茨城県・霞ヶ浦で捕れたものだからこそ!
ですね(^^)



(写真は2021年2月撮影)

昔ながらの長閑な雰囲気の、筑波山麓の神社の縁日の屋台。
大消費地 東京の料亭・レストラン。
霞ヶ浦のテナガエビから、昔から現代まで連綿と続く人々の営みと食文化、そして食材の流通が見えてきます。


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参考サイト

 1.「茨城をたべよう いばらき食と農のポータルサイト」> 「万能食材 テナガエビ」
   https://www.ibaraki-shokusai.net/season/fish/ebi/

参考文献

 1.『風と波に生きた人々 霞ヶ浦風土記 新装版』 佐賀純一・文 佐賀進・絵 常陽新聞社
    p.186-196 『第七話 波と星とエビダル』
    p.197-206 『第八話 半農半漁の村』


(市川)