一人で参加している隣市の勉強会、今日は7人が集まり、桃太郎の絵本を、私が当番でとりあげました。
昭和10年代の復刻版をはじめ、1965年代から去年までの16冊の絵本を集めました。
桃から生まれたのが一般的ですが、桃をもって流れてきた子というのもあるし、
黍団子も、犬猿雉に、ひとつずつ、半分ずつ、一串、又は二つ、というのもあるし、結末も、宝物、さらわれた子どもや娘、ただ退治しただけで、何も持ち帰らないものなど、寝太郎型等、色々なお話が、全国各地に伝えられているのがわかりました。
私のお薦めは、一長一短で、無かったのですが(昔話は絵本ではなく語りで届けたいと思っているせいもありますが)、皆さんのお薦めは、無難なところで、
松岡節文 二俣英五郎絵(フレーベル館 2002年) になりました。
又、大人数に読み聞かせるには、
紙芝居(松谷みよ子文 二俣英五郎絵 童心社1998年)お薦めです。
また、親子で手に取るには、小澤先生や現代の語り手が関わった「子どもとよむ日本の昔ばなし」がお薦めです。ワンコインで買えて、ちゃんと昔話の語法に則ったシリーズは30冊あり、店頭に有るような安い本とは、一線を隔していると思います。
桃太郎のお話は、戦前の教科書に取り上げられて、一般型が広まっていったと思いますが、面白みがうすれてしまっている気がしました。地方には特色のあるお話が伝えられているので、色々なお話を読んでみて、面白いものを、こんな桃太郎もあると紹介してほしいなと思いました。
また、下記の参考にしたい本も紹介しました(読む時間を取れなかったので興味のある方はぜひ手にとって見てください)
桃太郎像の変容(滑川道夫 東京書籍 1981年)
桃太郎の運命(鳥越信 日本出版教会1983年)
桃太郎の誕生(柳田国男全集10 ちくま文庫1990年)
新・桃太郎の誕生(野村純一 吉川弘文館2000年)
桃太郎話 みんな違って面白い(立石憲利 吉備人出版 2006年)
沢山の文献を用意し、紹介しただけで、私が時間を取ってしまい、他の方の用意した本までいきつかなかったのですが、こんなに色々な桃太郎があるのだと知ってもらい、面白かったと言っていただけました。「桃太郎」も、「赤ずきん」と同じように、深く研究すればまだまだ検証しきれないものがありました。次回一月はお休みです。iti