（高）です、先日、モンマルトルで出会った日本人の方から、お便りをいただきました。フランスの地方都市（ピレネー地方なのでパリからはけっこう遠いです）に住んでいるご家族の、お母さんと娘さんです。
下に引用させていただきますが、これ読むと、私がとても立派な人のように思われるかもしれないので、そこは、9割差し引いて、ご理解下さい（汗）。ああ恥ずかしい。いつものことですが、私はつい、自覚もないまま口走って話すのです。考えていない分、辻褄は合わないかもしれませんが、でも感情には忠実なはずです（汗）。とにかく、私の言ったことよりも、お便りいただいた内容のほうが、立派だし、地に足がついているし、日本語も説得力があるし。だから、私の話では伝わらないことも、この方のペンを通していただけたら伝わる、伝えなくちゃならないな、これは、と思った次第です。
「それぞれの役割をしっかり果たす」と読んで、心に響きました。それぞれというのは、私もそうだし、私の知らない人も一人一人皆、役割のある貴重な人、ということです。文字ではただのアタリマエのことですが、心で響くと、キラキラするんですよね。
ここに掲載する理由は、「我々の愛する日本の方々の、一人でも多くの人に読んでもらいたい。やりたいことがあってもためらっている人、生きている意味を探している人、疑問や不信感で息詰まっている人に、ほんの少しでも勇気の元を差し上げられたら」、という思いです。
では以下です、使わせていただきます、小川さん。ご快諾をありがとうございました！
（高）
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こんにちは。
今日もモンマルトルの丘で、訪れる人々の様子を見守りながら、新しい出会いを見つけていらっしゃることと思います。
先日は、子連れ母all女子チームで、思わぬ素敵な出逢いをいただきましたこと、心から感謝しています。ありがとうございます。
モンマルトルの丘は、6年ぶり二度目の訪問の私が、初めて訪れるママ友を案内。内心ドキドキしながら、娘達に約束した美味しいジェラート屋さんを探しつつ、画家の方々の絵画に癒やされながら周回していたので、高木さんとの出逢いでの感激は、それはそれは衝撃的でした。
作品を鑑賞させていただく以前に、高木さんの歩まれていらした人生の多くのエピソードから、今、私達に最も必要とされていた言霊をいただき、心震える思いでした。きっと、導かれて、あの日あの瞬間だったのかと。
喜び・悲しみ・怒り・憤り・愛・情熱・・・エピソード内に散りばめられた、高木さんの感情が溢れたお話に、私と夫がフランスに移住する決断の一つでもあった、人間らしくピュアーに感情豊かに生きる、そのものが詰まっていると感じました。
同調圧力の強い島国の日本。母国に向ける愛は不変ですが、私達が祖父母や親に守られ教わり、育ててもらった昭和の良さがどんどん否定され、消滅しかけ、人間関係がますます希薄になっていく日常に、心が悲鳴を上げ、娘の純真無垢な感情や本能を殺してしまわないうちに、求める居場所を見つけよう、そんな思いでした。
格好良く言えばそうですが、もっと単純に表現すれば、この世に生まれて、毎日毎分毎秒、キラキラ成長していく娘の姿に感化され、人生折り返し地点を迎えた私達夫婦も、持てる能力をもっと成長させられないか、便利で惰性で生きられる、拝金主義優位の環境から逸脱したい、ただそれだけでした。
ですので、高木さんから頂いた「それぞれの持ち場で、それぞれの任務をしっかり行う」というお言葉は、本当にそうだと思いました。人間一人では弱いものです。しかし、常に結集するだけが力となり、良策とも言えません。今回のような奇跡的な巡り合わせで、ほんのひと時でも心を交わし、勇気を分かち合う、その一雫一雫の集結が、それぞれの役割をしっかり果たすべく、原動力になるのだと、確信しました。
でも、また会いたいです！作品をじっくり鑑賞させて頂きたいですし、もっともっと人生の先輩としてお話を伺いたいです。娘達には、すぐ側に祖父母がいない環境を、私達夫婦の選択で与えてしまっています。どうか、私達を超えた世代の方から、彼女達に高木さんがご経験されていらした時代を語り、伝えていただきたい、と願っています。
恐る恐るだったパリ訪問が、今回の旅でグンと近くなりました。
（……）
心からの感謝を込めて…… そして、お体ご自愛の上、お過ごしになられますように。
小川仁子（OGAWA Yoshiko）
