モンマルトルが好き J'♡ Montmartre.

パリのモンマルトル、絵描きたちの日常などを綴ります。
Blog en japonais sur Montmartre.

シラク大統領とテルトル広場

2019-10-04 09:33:43 | 日記

9月26日に、ジャック・シラク前大統領が亡くなりました。86歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

 

テルトル広場の絵描き、特に古株にとって、シラク氏の存在はとても大きいものです。

氏の大統領就任期間は、1995年から2007年までの12年間でしたが、その前、1977年から1995年までの18年間、パリ市長を務めていました。

 

シラク市長は、就任してまもない78年、テルトル広場での絵描きの営業を許可制にするという、大変革を行いました。それまで、ここは無法地帯。力ずくで場所を取った者勝ち!という、ちょっと野蛮な世界でした。

 

ほんの十数年前まで(正確に思い出せません)、許可申請に当たり、絵描きはパリ市長宛に請願書を毎年書いていました。

 

そういえば、申請のための提出書類には、犯罪証明書(犯罪者名簿に載っていないという証明)もありました。それほど、はじめの頃は、あそこでの営業を申請するような絵描きは怪しい人間だと思われていたのでしょう(笑)

 

今では、提出書類も申請方法も、だいぶ変わりました。

それに、今では絵描きが、その人選のための会議で発言権を持つようになったのです。昔は本当に、「一方的に規制されている」という感じでした。その反面、力ずくで場所取りなどしなくていいようになったわけでした。

 

とにかく、発端は、ジャック・シラク氏。古株の絵描きたちにとって、親しみある人物でした。芸術・文化活動一般に、深い理解を示してしましたし。彼の片腕のアラン・ジュペ氏は、長い間18区の区長を務め、絵描きたちとの親交の場によく顔を出してくれていました。

 

なんとすごいタイミングで、シラク氏の訃報の翌日9月27日に、「絵描き代表の選挙」が18区の区役所で行われました。当選した者らは、シラクの名に恥じない「絵描きの広場」の建設に向けて力を合わせようと誓ったのでした(…と、ここは私の想像。でも、きっとそんな気持ちでしょう)。

 

下は古い絵葉書。昔は、広場を覆うテントはありませんでした。夏はパラソルでした。

 

 

(高)