モンマルトルが好き J'♡ Montmartre.

パリのモンマルトル、絵描きたちの日常などを綴ります。
Blog en japonais sur Montmartre.

ジュテームの壁

2019-05-17 19:26:47 | 日記

前回の記事で、「ジュテームの壁」のことを書きました。

3年前に『フランス大好きな人のための小さな情報誌 Salut La France』で、これのことを書いたので、その時の記事を下にコピーして、手抜きの名所案内ということにしようと思います(笑)。

2015年に起きた大規模なテロ事件の後で、世界中からパリに対して励ましのメッセージが寄せられ、「ああパリは愛されているのだなあ」と、感動して書きました。今、ノートルダム寺院の火災のことで、やはりたくさんの気持ちが寄せられていて、あのときのことを思い出しました。

 

(2016年2月発行Salut La Franceより)

【愛あふれるパリの力、ジュテーム!】

 昨年の同時多発テロから数か月が過ぎました。その間たくさんの方に励ましをいただき、とても温かな気持ちになりました。ありがとうございました!

 パリはもともとエネルギーあふれる元気な街です。これまでの歴史に残る事件でも、どんな逆境にあろうとも、必ず前よりも魅力的になって再生してきました。今も、春の訪れとともにさらに力強く動き出したくて、うずうずしているのです。

 そんなパリの最大の力、それは「愛」だと思います。モンマルトルに「ジュテームの壁」というのがあるのですが、これはまさしく愛のパワーで出現したオブジェです(2000年に完成)。メトロのアベス駅を出てすぐの小公園の一角にあります。青いタイルの壁に311もの言語で「Je t’aime(ジュテーム)」が書かれていて、見ているうちに胸が熱くなってきます。

 発案者は、この界隈で活動する作詞・作曲家のフレデリック・バロンさんです。ある日自分の小さな弟が紙片に「ジュテーム(大好き)」と書いてくれたのにあまりにも感動し、それ以来、愛の言葉をコレクションするようになったのでした。街で出会う人に書いてもらうのですが、居住者も旅行者も外国人が多いパリのこと、多様な言語が集まりました。各国大使館にまで乗り込んだという気合の入れようです。そうやって10年足らずの間に受け取ったジュテームの数は1000以上。これを形にしてみんなと分かち合うために、カリグラフィー作家のクレール・キトさんがアレンジしてくれました。そして、やはりこのアイデアに共鳴したアートビルダーのダニエル・ブーローニュさんが、壁の製作を施工しました。

 小さな愛の気持ちが、岩をも動かします。心の力は絶大です。

 さまざまな事件に巻き込まれる可能性はどこにでもありますが、いつもそのことにエネルギーを注ぎ込んでいるわけにはいきませんよね。それよりも、小さな愛を大切にして想像力を育めば、みんなが幸せになる。優しくたくましいパリが、そう教えてくれています。

(文・写真/大串久美子)

 

 

 

 

仏蘭西倶楽部ホームページhttp://www.salutlafrance.jp/

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(K)

 

 


GWのモンマルトル

2019-05-06 22:33:46 | 日記

先週は日本のGWとこちらの復活祭休暇で、パリは賑わっていました。

私も日本の知人にモンマルトルを案内をする機会がありました。

じつはなかなか近寄らないサクレクール寺院にも、久しぶりで入りました。ノートルダム寺院が入れませんので、そのせいか、すこし行列があり、中は暑いほどでした。

テルトル広場は、例のテラスの屋根が、パッとしません……。どこにでもある仮設市場みたいです。

なんとかしなくては、このままで良いことになっては悲しいです。屋根だけではなくて、初めから言っている通り、こんなカフェテラス設置は違法なのですから。

歩行者の権利を主張するポスターを作成しようと、有志たちが頑張っています。

それに、これは以前から話があったのですが、テルトル広場をユネスコの世界遺産に登録しようという動きが始まりました。ある絵描きの組織が、大統領に嘆願書を提出しましたら、文化省大臣から返事が来たとのことです。前向きに進んでいます。

 

下はモンマルトルのアベス駅を出ると目の前にある、サン・ジャン(聖ヨハネ)教会。20世紀初めにできた、赤レンガの斬新な建築です。

そしてアベス広場の一隅の公園にある「ジュテームの壁」。

観るものたくさんあります、モンマルトル。

 

(K)