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Alles gute(全て良い@独語) でいきましょう。

動物大好きなひかるこが、
ドイツでの生活やペット事情について気ままにつづってます。

犬種紹介 アメリカン・ブルドッグ

2014-04-13 | ペット事情
こんにちは、ひかるこです。
今日はドイツの危険犬種リストに載っているアメリカン・ブルドッグを紹介します。ドイツ語の犬種図鑑を翻訳しているので、少々不自然な日本語があるかもしれません(^^;)

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

原産国 USA

体高 オス 58~71cm
   メス 51~66cm

体重 オス 41~68kg
   メス 32~59kg

色  白、ブリンドル、レッドスポット、茶色、マホガニー、クリーム

起源
イギリスからの入植者がアメリカに持ち込んだのが始まり。他の様々な犬種と掛け合わされ、モダンな形ではない。
一定の基準がなく異なる外観・気質であるため、FCI(国際畜犬連盟)には認められていない。

用途
納屋や家畜の番犬、野犬や猛獣を追い立てる、牧畜犬、猪狩りなど多目的に使用可能な使役犬。

気質と習性
家庭内ではほがらかで優しく、とても縄張り意識が強い。したがって、見知らぬ人に対してはオープンではないが、家族の歓迎する客人は受け入れられる。
簡単に扱いやすくはなく、非常に我が強く主導権をとる。

飼い方
この犬種には一貫したしつけと明確な指導が必要である。例えば、幼いころから彼の縄張りはあまり広くはないと教え込むことなどである。
犬と一緒にスポーツを楽しみたい人にとっては、とても良いパートナーである。
初心者には難しい犬だが、短毛な点は手入れがしやすい。

しつけ 困難
手入れ 簡単
使用  普通
運動  普通
分布  少ない

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

私は危険犬種リストを読むまでこの犬種の存在を知りませんでした。
大きさは大体ゴールデンレトリーバーと同じくらいですね。
あのサイズで縄張り意識が強く主導権をとりたがる性格ならば、飼うのは大変そうです。「野犬や猛獣を追い立てる」の一文がその迫力を物語っています。
画像を見てみると、日本人にもなじみの深いブルドッグとはずいぶん違う外観をしています。


日本で一般的なブルドッグは、イングリッシュブルドッグという種類です。

彼らは愛玩用に交配されて温和な性格になっていますが、アメリカンブルドッグは闘犬時代の気質を色濃く残しているようですね。
そうそう、ブルドッグももともとは闘犬なんですよ。ブルは牛を意味していて、昔のイギリスでは柵などに繋がれた牛と犬を闘わせるブルベイティングというショーがありました。そこで闘っていた犬がブルドッグです。ウィキペディアにその当時のブルドッグを描いた絵が載っていました。

体格がアメリカンブルドッグと似ています。

このブログを書くにあたって、改めてブルベイティング(牛いじめ)について調べてみました。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

1700年代初頭から1835年までの期間イギリスで開催されていた。
ロンドンでは週に2回行われていた。
牛を柵に繋いだり、穴に落としたりと、あまり身動きのとれない状態にして、コショウを鼻にふりかけたりして牛の興奮を煽っていた。
そこに数頭の犬を放ち、牛を襲わせる。犬は牛の鼻を中心に頭部を襲うように訓練されていた。そして、牛は頭部に向かってくる犬を角でキャッチし突き飛ばしていた。
なぜ、これほどに牛を苦しませたかというと、当時は牛を苦しめるほどに肉の味が向上すると信じられていたからだ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ブルベイティングは、ただの娯楽ではなく、と殺の方法だったのですね。週に2回という頻度も、それなら納得できます。殺された牛は牛肉として売られたり、犬の餌になったりしていたようです。と殺をショーとして公開して利益をとり、その牛肉を販売して利益が出るという二重においしい商売だったのでしょう。


ブルベイティングに限らず闘牛や闘鶏、闘犬と世界各地で動物同士または動物と人を闘わせる競技が沢山あります。現在は動物愛護の観点から、禁止になったり規制されているものが多いですね。
なんて残酷なのだろうと悲しくなりますが、世界中で存在することを考えると人間の欲求の一つに戦いがあるのでしょうか。


それでは今日はこの辺で。Ciao♪




ドイツの危険犬種リスト

2014-04-10 | ペット事情
こんにちは、ひかるこです。
前回、保留にしていたドイツの危険犬種の表の読み方が分かりましたのでご紹介いたします。

まずは問題の表がこちら。(クリックすると拡大できます)



この上下に書いてあるBE,BYといった文字はドイツの州の略語ですね。


表の中の2・1・×の意味
1 危険犬種
2 危険犬種と推測されるが、所有者により論破される。
× 危険とされているが、危険レベルは状況により変わる。

2の「所有者により論破される」という表現がなんともドイツらしいというか・・(笑)これは直訳なので、もしかすると少し違うニュアンスなのかもしれません(^^;)


それから左側に書いてあるのは犬種名ですね。
日本語名を下に書いています。犬種名をクリックすると、その犬種のWikipediaページにつながるようにしているのでよかったらご覧になってください。
調べてみたところ、Alanoとペロ・デ・プレサ・カナリオは言語が違うだけで同じ犬種のことのようです(^^;)よくみると表のAlanoにはハテナマークがついてますもんね(笑)興味のある方はペロ・デ・プレサ・カナリオの方をクリックしてください。
アメリカン・ブルドッグとマヨルカ・マスティフは日本語のwikipediaが無かったので、今度犬種の紹介文をアップいたします。
                                           
※2014.04.13追記
アメリカン・ブルドッグの紹介はこちらをご覧ください。
マヨルカン・マスティフは「カ・デ・ブー」という犬種名でwikipediaにのっていたので、リンクを貼り付けました。


Alano
アメリカン・ブルドッグ
(アメリカン)ピットブル
アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
バンドッグ
ブル・マスティフ
ブルテリア
カネ・コルソ
ドーベルマン
アルゼンチン・マスティフ
ボルドー・マスティフ
ブラジリアン・マスティフ
カンガール・ドッグ
コ-カシアン・シェパード・ドッグ
マスティフ
スパニッシュ・マスティフ
ナポリタン・マスティフ
ペロ・デ・プレサ・カナリオ
マヨルカ・マスティフ (カ・デ・ブー)
ロットワイラー
スタッフォードシャー・ブルテリア
土佐犬

こうして見るとマスティフ系が多いですね。体が大きく、もともとは闘犬なので危険であることは容易に想像できます。ブルテリアも闘犬で、体は小さいですが噛む力は全犬種の中で一番強いとされています。

この犬種たちは見た目がかっこいいからと気軽に飼うと危険です。
闘犬に限った話ではありませんが、運動不足でストレスがたまると攻撃的になりやすいので、飼い主さん達はワンちゃんが十分に運動できるように環境を整えてあげてください。飼い主さんのためにも、周りの人たちのためにも、ワンちゃんのためにも、よろしくお願いしますm(_ _)m

そして他の国の危険犬種リストには載っているジャーマンシェパードがいないことに少々違和感を覚えたのですが、「基本的にはジャーマンシェパードよりも大きい犬を危険犬種とする。」という1文を発見しました。
さすがドイツ(笑)
こちらでは沢山の人がシェパードを飼っているので危険犬種にしようものなら抗議が殺到するのでしょう。

それでは今日はこの辺で。Ciao♪

ドイツの犬税について

2014-04-07 | ペット事情
ご無沙汰しております、ひかるこです。

日本では四月から消費税が8パーセントに上がりましたね。
集めた税を有効に活用してくれるよう、国民が目を光らせなくてはいけませんね。

税金といえばこちらには犬税なるものがあります。ドイツだけでなく、オランダやオーストリアでも導入されているようです。
Wikipedia先生によると、目的は市の財政確保と犬の数を制限するためだそうで、なんと始まりは15世紀から。当時は、税金という形ではなく"hundekorn"というものを払っていたようです。hundeは犬、kornは麦のことなので、おそらく犬を飼っている人は多めに年貢を収めていたのだと思います。

けっこう歴史は古いんですね。

当然、現在は現金で納めます。金額は地方によって違うようですね。
私の住むミュンヘンでは犬一頭につき年間100ユーロ(約1万4千円)、危険犬種は800ユーロ(約11万円)となっています。
一時期は危険犬種は2000ユーロ(約28万円)だったみたいですが、いくら何でも高すぎるとの抗議が殺到して800ユーロに下がったようです。2000ユーロは高すぎますよね(笑)

危険犬種も各地方によって指定されているものが違うようです。

危険犬種の表↓ (クリックで拡大できます)


この表の日本語訳は、次回アップしますね。なぜなら、まだ半分ほどしか理解できていないのです(^^;)



ちなみに、課税されるのはペットとしての犬のみで、商用の犬には税金はかからないそうです。
具体的には牧羊犬や盲導犬、販売用の犬のことですね。
盲導犬は商用とはまた違いますが、税金は控除されるべきですよね。

ドッグトレーニングやドッグダンスを教える人が個人的に飼っている犬はどうなるのかが気になるところです。


税金を納めると、首輪につけるチャームがもらえるみたいです。

けっこうオシャレですよね(^^)
これに書かれている税金番号によって飼い主さんがすぐに判明するので、万が一迷子になってしまっても発見は早そうです。


犬税といえば、数年前に日本でもペット税を取り入れようと動きがあったんですがその法案は通りませんでしたね。
使い道が犬とはまったく関係のないものだったので、私も反対でしたけど。
私は、動物のために役立ててくれるならばペット税の導入も悪くはないと思っています。例えば、無料で使えるドッグランを作ったりペット関連施設を安く利用できるようにしたり。
税金とは個人でできないことを国・市町村に整備してもらうために納めるものですからね。
くだらない事には使って欲しくありませんね。


それでは今日はこの辺で。Ciao♪



犬の順位付けについて 1

2014-02-22 | ペット事情
こんにちは、ひかるこです。今月のブログの更新、まだ二回だったのですね(^^;)
ほぼ毎日このブログに関わる作業をしているので、もっと更新している気になっていました(笑)

さて、今回からは新シリーズが始まります。
ドイツの犬の飼主免許を翻訳し、多少の補足をしています。

そもそも犬の飼い主免許って何? という方は [犬の飼い主免許について]をどうぞ。



犬のしつけに関して「順位付け」や「優劣」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

以前の日記にも少し書きましたが、犬はまるで柔道部のような縦社会を形成する動物です。

相手との上下関係をはっきりさせる事は、犬にとって非常に大切なことです。
これは、犬が群れで生活をすることが深く関係しています。
誰がボスなのか、誰のいうことを聞くのかが自分の生命維持に大きく関わるため、犬は常に相手との上下関係を意識し、群れの秩序を保つことを考えています。

まるで戦国時代を生きる三流武将のようにも思えますね(笑)


そこで、飼い主が頼りないと思った場合には「自分がボスになって群れを守らなくては!!!」と頑張る行動がいわゆる「問題行動」と呼ばれる行為になりやすいのです。

そう思うと、吠えてばかりの犬の事も少し愛おしくなりませんか?(笑)

ですが、常に侵入者を警戒しつづける状態は心休まるものではありません。多くのものがボスになりたがる割に、ボスであることにストレスを感じる矛盾に満ちた動物が犬です。

個人的には、この無理して頑張っている姿勢も愛らしく思えるのですが(笑)、実際のところ迷惑ですし犬も可哀想ですよね。
犬と仲良く暮らすには、人間がボスとして君臨することが大切です。


それでは、犬に非常に近い祖先の狼の生態から「順位付け」について学んでみましょう。

狼は家族の群れの中で安定した順位をつけて過ごします。オスのボスが一頭とメスのボスが一頭いて、彼らは命令する立場にあります。
ボスはいつこの群れが休憩をとるのか、狩りをするのか、どこへ移動するのかを決定します。そして、この二頭だけが繁殖行動を許されます。
群れの他のメンバーは、順位の高いものに従います。もしもボスが遠吠えをすれば、同じように遠吠えをし、もしもボスが立ち上がれば、周りもそれに従って立ち上がります。

多くの飼い犬たちも同じような振る舞いをします。私たち人間がソファや椅子に座っているときに彼らは足元で寝そべり、私たちが立ち上がって動き出せば、彼らもまた立ち上がり動き出します。

順位付けは群れで生活する彼らにとって、とても重要な意味をもちます。誰が決定権を持つのかが決まっていると、争いごとが起こることはありません。メンバーのそれぞれが自分の立場を認識しており、どんな役割を果たすべきなのかを分かっています。
このことは群れに平和と安全をもたらします。

順位の高いものは様々なことを決定する権利があります。例えば、良い寝床を選んだり、新しいものに一番初めに近づくことができます。それから、狩りの計画などを群れの仲間に指示することもできます。

ボスはただ偉そうに振舞うだけでなく、たくさんの義務も背負っています。
一番大切なのは群れの安全を守ること。常にまわりの状況に注意をむけ、どんな状況もコントロールできなければなりません。
それに対して、地位の低いものは保護されており、安心して生活することができます。それと引き換えに寝床は狭くなり、繁殖することは許されません。


これが狼や犬の縦社会のルールです。
一番のポイントは、ボスが全てを決定することですね。
犬に人間がボスであると教えるには、このことが重要になってきます。



それでは、今日はこの辺で。Ciao♪



信長になるべし。



犬とこどもの接し方について 8 犬の飼い主免許教科書より

2014-02-10 | ペット事情
こんにちは、ひかるこです。
ドイツの犬の飼い主免許の教科書を翻訳しています。

そもそも犬の飼い主免許って? という方は [犬の飼い主免許について]をどうぞ。

こちらもどうぞお読みください。

犬と子供の接し方 1
犬と子供の接し方 2
犬と子供の接し方 3
犬と子供の接し方 4
犬と子供の接し方 5
犬と子供の接し方 6
犬と子供の接し方 7


シリーズ7回目で紹介した練習が終わったら、犬がこどもの近くで跳ね回るのを避けるための技を覚えましょう。

犬と遊んでいるときに、洋服にじゃれついたり飛びついてきたら、くるりと背を向けてその場に立ち続けてください。
もしも噛まれた場合は前回練習した通り「痛い!!」と叫んで、すこし場所を移動して(走り去ってはいけない)大人がくるのを静かに待ちましょう。
走り回ると犬は追いかけたくなるので危険です。
追いかけっこをして遊んでいるときも、犬が興奮しすぎてきたら、立ち止まって犬に背を向け静かになるまで待ちましょう。

これは「君はよくないことをしているから、もう遊ばないよ」と犬に分からせるサインです。犬は人間の言葉は理解できないので、ボディランゲージや態度で教えるのが一番有効な方法です。犬は、群れの秩序を大切にする社会的な動物ですから相手が無反応の時は嫌がっているか興味がないんだなと感じとり、いずれ去っていきます。

もしも、こどもが転倒してしまったらその場で大人しく横になっていてください。顔は地面に向け、手で首を隠して守ることが大切です。万が一、犬が興奮して噛んできたときに顔や喉などの大切な部分を守ることができます。
転んだときに犬が鼻や足でつついてきた場合は、大人を大きな声で呼びましょう。もしも、すぐに大人の人が来ないときは犬が飽きてどこかに行くまで待ちましょう。

駆けつけた大人は、犬をケージやサークルへ連れ戻してください。
ここで勘違いをしてほしくないのは、ケージやサークルは罰を与えるための場所ではないということです。ケージやサークルは犬にとっては安心でき、くつろげる空間であることが大切です。ケージに連れ戻すことは「今日の遊びはおしまいだよ」と教えることなのです。


餌を与えるときの注意事項

こどもは犬にエサやおやつを投げ与えることが大好きです。長い時間ためらったり、投げる時にふらついたりすることもありますが、それは貪欲な犬を挑発する行為であり、噛まれてしまう危険があります。
そのため、こどもが犬に食べものを与えるときは投げるのではなく手のひらに乗せて下からあげるようにしましょう。すると、犬は落ち着いて食べることができます。
床にエサが落ちたときに大騒ぎをしてはいけません。慌てて拾おうとすると、犬は誤って手を噛んでしまうかもしれません。

もしも犬が吠えたら、こどもは大人の近くへ行きましょう。特に唸り声には注意が必要です。これは犬にとって、深刻な警戒のシグナルです。
唸り声が聞こえたら、すぐに遊びを中止し犬に背を向けて大人しく立っていましょう。すると、犬はゆっくりと立ち去ります。


ポイントは、犬が興奮しすぎていたら背を向けて大人しくして「もう遊ばないよ」と態度で犬に伝えることです。
犬とこどもの悲惨な事故は、犬とこどもが興奮しているときに起きやすいのです。
こどもが落ち着いた態度をとることができれば、惨事を回避できる可能性は高まります。

完璧に教えることは難しいでしょうが、ぜひ練習してみてください。
犬とこどもを遊ばせるときは大人が近くで見守るようにしてあげてくださいね。


さて、この犬と子供シリーズは今回で最後です。

次は犬と仲良く暮らすためには必要不可欠な知識「群れの中の順位」について書いていく予定です。
興味のあるかたは、こちらもぜひお読みくださいね。