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◆ 01/14 ・ドラッカーのリーダーシップ論 

2011年01月14日 | 書籍を紹介します

「リーダーシップは教えられることも、学ぶこともできないものだ」

昨年の「もしドラ」効果で空前のドラッカーブームになっています。

「現代マネジメントの父」とも称されるドラッカー、皆さんが「マネジメント」を学ぶなら、それ以上をみつけるのは至難の事でしょう。
ドラッカーがその生涯の著作を通してまとめあげてきたものは、まさに「マネジメント」の原理、原則を説いたものに他なりません。

スティーブン・コビー氏に同じく原則に重きを置く私としましては、「成功哲学」を学ぶならナポレオン・ヒル、「人間関係・コミュニケーション」を学ぶならデール・カーネギー、「リーダーシップ」を学ぶならロバート・グリーンリーフ、そして「マネジメント」を学ぶならドラッカー、そう決めてこれまでそれぞれの学びを深めてきました。

そんなドラッカーですが、こと「リーダーシップ」がテーマとなると、その数ある著作の中でそれをテーマに書いたものはなかったわけです。
ですから年初に数多く並ぶ書籍の中で、「これは!」と思わず手にしてしまったのがこの本です。

ドラッカーに30年にわたって師事したウィリアム・コーン博士が本人になり代って、その膨大な資料、講義、対話をもとに「ドラッカー先生のリーダーシップ論」としてまとめあげてくれたのが本書です。

ドラッカーは「リーダーシップはこのうえなく大切であり、これに代わり得るものはない」と喝破しているにも関わらず、そもそもなぜ、それを著わすことをしなかったのでしょう。

コーン博士曰く、初期のころのドラッカーは「リーダーシップ」を「マネジメント」のもっとも基本的で不可欠なスキルであり、「マネジメント」は「リーダーシップ」であるとしながらも、「リーダーシップは教えられることも、学ぶこともできないものだ」とも考えていたそうです。

ドラッカーが「リーダーシップ」というテーマに対して歯切れが悪かった理由の一つとして、若き日のドイツでのヒトラーのミスリードを目の当たりにした事が、そのことと関係しているのではないかといいます。ヒトラーの称号がドイツ語では「フューラー」つまり英語の「リーダー」だったからだそうです。

「ミスリーダーはカリスマ的である」とするドラッカーにとって、その一つの属性を併せもつ「リーダーシップ」を論じるには長い時間を要したのではないだろうかと。

しかしながら晩年になってドラッカーは「リーダーシップ」は学ぶべきであり、学べるものであるとし、「リーダーシップ」は学んで身につけられるものであるとの結論に達したようなのです。
しかも「マネジメント」と切り離して論ずべきものだとも。残念ながらその考えは2005年に亡くなるまでに遂に書き残されることはなかったのです。

そのドラッカーをして「今まであった人物の中で一番賢い人」と称されたのが、1970年に「サーバント・リーダーシップ」を著わしたロバート・グリーンリーフだったというのもまた興味深い事実です。

ドラッカーがマネージャーやリーダーに必要な条件として「ビジネス倫理と誠実さ」を挙げたのは、もしかするとグリーンリーフによるところもあったのではないかと考えると、なんとも心が躍ります。

それではここに、そのドラッカーの言葉の中で私が好きなものトップ3をまとめてみましたので、お役立てください。

一、「人こそ最大の資産」
ドラッカーは人を資産であると仮定したうえで、あらゆる資産が各企業でどのように取り扱われているのかを調べてみたところ、人以外の資産や資源の活用法には、会社ごとの差を見出すことがほとんどできなかったと言います。
つまり「組織の違いは人の働きだけである」という結論に達したのでした。
そこで人的資源管理-HRMの重要性を述べているのです。
この言葉は人材教育に携わる私にとっての最大の後ろ盾になっていますので、最も好きな言葉トップにあげさせていただきました。

二、「強みの上に築け」
ドラッカーの思考は非常に前向きで未来志向型です。そこがまた素晴らしいところです。
人には必ず何らかの「強み」があります。それを目的に向けて十分に引き出し、補完しあって組織は機能し、組織も組織としての強みを活かして、世の中に役立つものを提供することを使命とするということですから、短所や弱みを直そうとするのではなく、強みを延ばしながら教育するという方針にもつながる確信を与えてくれる言葉です。

「重要なことはできないことではなくてできることである」

三、「未来を予見することはできない、しかしそれを切り開くことはできる」
激動の現代社会において、益々未来を予見することは難しくなってきました。それならば、未来そのものを自分が創り上げていくことが、それを正確に予測するための一番の方法であるとしたわけですから、なんとも自発的で前向きです。これぞリーダーの気慨でしょう。
この世の中にあって、「よしそれならば私が」というように奮い立たせてくれる言葉です。

ガンジーの言葉にも「世の中に変化を期待するならば、まず自分がその変化にならなければならない」というものがありますし、ビクター・フランクルの言葉にも「世の中に何かを期待するのは間違っている。世の中のがあなたの方に期待しているのだ」そうした言葉にも匹敵するいい言葉です。

さて、ドラッカーが100年近いその生涯でも成し得なかった「リーダーシップ」論を、逆にその生涯をそれに捧げた人、ロバート・グリーンリーフの究極のリーダーシップ論と言われるのが「サーバント・リーダーシップ」です。

そこで知の巨人も認めた、グリーンリーフのリーダーシップ哲学を今年はぜひ皆さんも学んでみませんか?
私が理事を務めさせていただいているNPO法人サーバント・リーダーシップ協会では
毎月「読書会」を開催しています。
どうぞ気がねなく、参加されてみてください。

詳細はこちらから

http://www.servantleader.jp/event/schedule.html

~ヒューマン・スキル・ソリューション~
Human Unity LLC/ヒューマン・ユニティ(同)
代表 網中 達也
http://www.human-unity.jp




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