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Simple is Best: Ethernet

2009-04-29 03:26:36 | 未来はこうなる
「シンプルで速い」技術が勝ち残る,それがEthernetと光ファイバ通信 - 通信 - Tech-On!

1990年代。通信に関しては、ATM vs. Ethernetと大きく二つに分かれていた。ATMは通信事業者が進めるデータ通信の高速化技術。一方、Ethernetは、コンピュータにもともと備わっていた、部屋の中、構内でのコンピュータ間通信のための方式である。

結論から言えば、シンプルだからEthernetに傾いたというよりは、採用している機器が非常に多かったということで、コストダウンがはかられたというところが、普及に寄与したと言えるだろう。

Ethernetは、もともとの部屋の中、構内での利用という枠を、光ファイバーを使う事で、距離をかせぐことで乗り越えていってしまう。今や40 km程度の延長も比較的低コストで可能である。

通信業者は、伝送媒体や伝送ネットワークごとに最適な通信方式を採用し効率化するという考え方をしていた。そのため、伝送媒体や伝送ネットワークが変わるごとにその変換を行うということをしていた。

しかし、これが結構問題を起こしやすい。通信事業者の頭の中にある、7つの階層で知られるOSI参照モデルでは、各層は独立しており、上位層は下位層の影響を極力受けないとしている。

しかし、インターネットで我々が使っているTCP/IPは、考え的にはOSI参照モデル的な作りにはなっているが、各層の独立性が低い。故に、下位層に上位層がひっぱられるという事がたびたび発生する。

つまるところは、伝送方式が変わると、通信がうまくできなくなるということが発生するのである。

Ethernetを採用する機器が多かったのも、TCP/IPというインターネットでつかわれている通信方式が、一番最初から多く使われていた、伝送媒体がEthernetであったということだろう。一番親和性が良かったわけだ。

技術的なトレンドを見極めるために必要なのは、一つ一つの技術への深い理解ももちろんであるが、それを使う人間にとっての優しさ、すなわち、簡単さ。Simpleさもとても大切なのである。

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