ユーラシアの風~2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

早くもチーム解散?(2)

2010年06月02日 | 中国(2)呼市→西寧
この日は珍しく猛烈な追い風。
内蒙古に入ってから、向かい風に随分苦しめられてきたから嬉しい。
30キロ近いハイペースで走れる。
しかし、30分、1時間…走れども走れども、彼の姿は見えない。
おかしい。彼がこんなペースで走れるわけがない。

正午を回り、村の超市(地元の商店)で彼の携帯に電話して
私の現在地を教えてあげてほしいと頼む。
地名がわかっても、正確に発音できないし、
いつも筆談の彼の言葉を聞き取ることはできないからだ。

店の若い男の子が、心配そうに対応してくれる。
電話はつながらない。
居合わせた村人の一人が、同じような自転車に乗った人が
「昨日」通ったと言った。人違いだったか。

少し待たせてもらうことにした。
遊びに来ていた女の子が、バナナと飴を分けてくれる。

1時間経った。彼はまだ来ない。
電話もつながらない。

肖はどうしているだろう。自分より後を走っていると認識していたはずだから、
「待っても来ない=迷子になってる」なんて思ってるんだろうか。
街へ引き返して探してくれたりしてるんだろうか。
いや、普通にこっちに向かって走ってるのか。
しかし、街から来たというドライバーは「見ていない」と。
…やっぱり先に行ったのか。

もう、考えていても仕方ない。
この追い風も無駄にしたくない。
前に進もう。

でも、頭の中はすっきりしない。
程なくして、市境のモニュメントが現れる。

肖なら絶対写真撮るんだろうな…なんて思ってると、
なんだか彼に悪い気がして、もう少し待つことにした。
1時間待って来なかったら、先へ進もう。
別に一人でも旅は続けられる。
会ったのも、何かの偶然に過ぎないのだから…。
思えば、あの忌まわしい向かい風が、二人を引き合わせた。
今、猛烈に吹くこの追い風が、二人を遠ざけていくのなら、
それはきっと旅の神様の思し召し。それに従おう。
また会う必要がある運命なら、きっと会えるだろう。
ちょっと唐突な別れだけど…

元気でな!肖!!



○超市とおばちゃん(文中の場所ではありません)


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早くもチーム解散?(1)

2010年06月02日 | 中国(2)呼市→西寧
この日は出発後すぐに市街地を抜ける…と思いきや、
肖は道を聞きまわり、教えられた国道へ向かってまっしぐら。

待て待て!国道は環状線だから、かなりの遠回りを強いられる上に、
その存在自体が危険な大型車と、連中が鳴らしまくるしつこいクラクションと
巻き上がる砂埃がもたらす視界不良と呼吸困難で、地獄絵図必至!
なんとしてもそのルート選択は阻止せねば!!
(※中国の大きな町は、大体市街地へのトラック乗り入れは禁止されています)

大げさなジェスチャーと地図を見せて、何とか説得。
基本的に肖はあまり地図を見ない。
というか、彼の持っている地図が大雑把過ぎる。
そして人によく尋ね、言われたことを素直に信用する。

一方、言われたとおり行ってひどいことになるより、自分で決めて
ひどい目に遭う方が諦めがつくと、地図と自分の勘しか信用しない自分。
(もちろん、人に尋ねて得たことも判断材料にはします)
言葉の壁があるとはいえ、行動は対照的だ。


大きな町の市街地を抜けるとき、最後は結局国道に合流するのだが、
そういったところはトラックの基地が多いので案の定、道は荒れている。
立ち上る砂煙と、入り組んだ道路。
まずいぞと思った。
先に行ってもらったはずだが、一向に姿が見えない。
やっぱり。はぐれてしまった。

彼は遅いので、併走することはまれだが、一本道なら大丈夫。
先に行ってもらっていても、すぐに追いつく。
しかし、今日は違う。何度も曲がっている。
こんなことなら馬鹿正直に国道走ってれば良かったかなと思う。

沿道で仕事をしている人に、同じような自転車の旅行者を
見なかったか聞いてみると、皆「先に行ったよ」とジェスチャー。
それを信用し、追跡を開始する。



○立派な道路も、突然こんなふうになったりする…
 一面沼。よけ方を知らず水没。ならぬ、泥没…。
 肖は平気だったりする。さすが現地人。


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