今回ご紹介する本は
「毒になる親」 一生苦しむ子供
著者:スーザン・フォワード 訳者:玉置悟
この本を手にしたキッカケは、娘の友人に「ままはこの本をどう思う?是非読んでみて欲しいんだけど」と言われたことでした。
確か10年位前だったと思います。
その頃彼女は結婚して子供もいましたが、自分の両親と折り合いが悪く、とても悩んでいました。そして私が過去に、両親との関係をうまく築けなかったことを知っていました。
私は・・・どちらかというと、こういった心理学的な本は余り信用しておらず、でも折角持って来てくれたのだから、読んで感想を述べようと思いました。
では、文中の一部をご紹介しますね。
「毒になる親」とは
この世に完全な親などというものは存在しない。どんな親にも欠陥はあり、だれでも時にはそれをさらけ出すことはあるものだ。この私自身、自分の子供に対してひどいことをしてしまったことはある。どんな親でも一日二十四時間子供に気を配っていることなど不可能だし、時には大声を張り上げてしまうこともあるだろう。それに、時には子供をコントロールし過ぎることもあるだろうし、たまになら、怒ってお尻を叩くこともあるかもしれない。
そういう失敗をしたら親として失格なのかといえば、もちろんそんなことはない。親といえども人間だし、自分自身のことでもたくさん問題を抱えているのが普通なのだ。親子の間に基本的な愛情と信頼感が十分にあれば、たまに親が怒りを爆発させることがあっても子供は大丈夫なものなのである。
ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それがこどもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる。子供に害意を及ぼす親とは、そういう親のことをいう。
~中略~
私たち人間にとって、子育てというのは決定的に重要な技術を必要とする仕事のひとつなのだが、残念なことに、ほとんどの家庭においては経験から学んだ勘を頼りに手探りで進んでいかなくてはならないのが実状だ。この分野の研究が進んだのはごく最近のことであり、私たちの親の世代までは、子育ての方法については、ほとんどの場合あまりそれが上手ではない人々、つまり彼ら自身の親から学ぶ以外になかったのである。私たちは親が自分を育てたやり方を見て気づかないあいだに学び、自分に子供ができた時には無意識のうちにその多くを模倣してしまう。こうして世代から世代へと受け継がれてきた子育てのための古いアドバイスには、いまでははっきりいって間違っていると言えるものがたくさんある。「子供は叩いて育てろ」などはそのいい例である。
この本が書かれたのは1989年。つまり、今から31年前です。ですから、その内容は、現在に当てはまらないことも多々あります。ただ、当時から今に至るまで、変わっていないこともあります。
日本では、古くから「親に対して…」や「親不孝者…」と、親を大切にしない人に対して、悪者扱いする風潮があるように思います。
親がどんな種類の人間であるか、分かりもしないのに、可笑しな風潮だと以前から違和感を持っていました。その反面、いい大人が、社会や他者と馴染めないことを、親や生育歴だけのせいにするのは、ちょっと違うのではないか、とも思っていました。
私自身、父を毒親だったと思っています。
幼い頃から「女のくせに」という言葉を、何十回何百回と聞かされ、本来褒められるべきことを、嫌味のように笑われ、否定されました。それは決まってお酒を飲んだ時に起きました。お酒を飲まない日はなかったのでそれが日常でした。そして、もうひとりの親である母も、父を怖がって、毎日のように泣いており、抵抗できない子供を守ることの出来ない、違う種類の毒親であったと思います。
ただ、父も母も、当時手が付けられないほどに道を外してしまっていた長兄のことで、いつも苦しんでいました。(長兄がそうなったのも、二人のせいだとは思いますが)アル中の様な父でしたが、それでも仕事は真面目にしていましたし、母は温かいご飯をちゃんと食べさせてくれました。可愛がっても貰いました。それに対しては、今もとても感謝しています。
この本を読む前に、私なりに親との関係にはひとつの結論が出ていました。あの人たちは、親になるべき人ではなかった。でもきっと、私には相応しい親だった。だから私は、反面教師として両親を受け止めようと。ある部分では、とても弱くて脆いところのある私ですが、意志は強かった。たまたま、生まれつき意志が強く、大人になってから出会った人たちのお陰で、そういう結論に達することが出来たのだと思います。
生まれつき意志の弱い人は、毒親の教育によって、人格形成に大きな影響を受けるのではないかと想像します。
この本は、二部構成になっていて、一部は著者が実際にカウンセリングした際の実話が沢山載っています。二部は、毒になる親から人生を取り戻す道と題していくつかの方法が書かれています。
その中には、実現不可能そうだと感じる話もありますが、もし今も、親との関係に悩んでいらっしゃる方には、一読の価値があるかもしれません。
実は今、私の身近に、毒親によって大きな苦労を背負わされている、私にとって大切な人がいます。長い間母親のギャンブルによる借金で苦しめられてきたのに、健気にもずっと見捨てず面倒をみている人です。彼女に、この本を読んで欲しいと思いました。今度こそ彼女自身の、本来あるべき幸せを取り戻すために。
誰かが誰かのために、犠牲になる人生が、あって良い訳がありません。それが例え、親子であったとしても・・・。
そして、自分自身が毒親にならないために、これから子育てをする方には、是非読んで欲しい一冊です。
「毒になる親」 一生苦しむ子供
著者:スーザン・フォワード 訳者:玉置悟
この本を手にしたキッカケは、娘の友人に「ままはこの本をどう思う?是非読んでみて欲しいんだけど」と言われたことでした。
確か10年位前だったと思います。
その頃彼女は結婚して子供もいましたが、自分の両親と折り合いが悪く、とても悩んでいました。そして私が過去に、両親との関係をうまく築けなかったことを知っていました。
私は・・・どちらかというと、こういった心理学的な本は余り信用しておらず、でも折角持って来てくれたのだから、読んで感想を述べようと思いました。
では、文中の一部をご紹介しますね。
「毒になる親」とは
この世に完全な親などというものは存在しない。どんな親にも欠陥はあり、だれでも時にはそれをさらけ出すことはあるものだ。この私自身、自分の子供に対してひどいことをしてしまったことはある。どんな親でも一日二十四時間子供に気を配っていることなど不可能だし、時には大声を張り上げてしまうこともあるだろう。それに、時には子供をコントロールし過ぎることもあるだろうし、たまになら、怒ってお尻を叩くこともあるかもしれない。
そういう失敗をしたら親として失格なのかといえば、もちろんそんなことはない。親といえども人間だし、自分自身のことでもたくさん問題を抱えているのが普通なのだ。親子の間に基本的な愛情と信頼感が十分にあれば、たまに親が怒りを爆発させることがあっても子供は大丈夫なものなのである。
ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それがこどもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる。子供に害意を及ぼす親とは、そういう親のことをいう。
~中略~
私たち人間にとって、子育てというのは決定的に重要な技術を必要とする仕事のひとつなのだが、残念なことに、ほとんどの家庭においては経験から学んだ勘を頼りに手探りで進んでいかなくてはならないのが実状だ。この分野の研究が進んだのはごく最近のことであり、私たちの親の世代までは、子育ての方法については、ほとんどの場合あまりそれが上手ではない人々、つまり彼ら自身の親から学ぶ以外になかったのである。私たちは親が自分を育てたやり方を見て気づかないあいだに学び、自分に子供ができた時には無意識のうちにその多くを模倣してしまう。こうして世代から世代へと受け継がれてきた子育てのための古いアドバイスには、いまでははっきりいって間違っていると言えるものがたくさんある。「子供は叩いて育てろ」などはそのいい例である。
この本が書かれたのは1989年。つまり、今から31年前です。ですから、その内容は、現在に当てはまらないことも多々あります。ただ、当時から今に至るまで、変わっていないこともあります。
日本では、古くから「親に対して…」や「親不孝者…」と、親を大切にしない人に対して、悪者扱いする風潮があるように思います。
親がどんな種類の人間であるか、分かりもしないのに、可笑しな風潮だと以前から違和感を持っていました。その反面、いい大人が、社会や他者と馴染めないことを、親や生育歴だけのせいにするのは、ちょっと違うのではないか、とも思っていました。
私自身、父を毒親だったと思っています。
幼い頃から「女のくせに」という言葉を、何十回何百回と聞かされ、本来褒められるべきことを、嫌味のように笑われ、否定されました。それは決まってお酒を飲んだ時に起きました。お酒を飲まない日はなかったのでそれが日常でした。そして、もうひとりの親である母も、父を怖がって、毎日のように泣いており、抵抗できない子供を守ることの出来ない、違う種類の毒親であったと思います。
ただ、父も母も、当時手が付けられないほどに道を外してしまっていた長兄のことで、いつも苦しんでいました。(長兄がそうなったのも、二人のせいだとは思いますが)アル中の様な父でしたが、それでも仕事は真面目にしていましたし、母は温かいご飯をちゃんと食べさせてくれました。可愛がっても貰いました。それに対しては、今もとても感謝しています。
この本を読む前に、私なりに親との関係にはひとつの結論が出ていました。あの人たちは、親になるべき人ではなかった。でもきっと、私には相応しい親だった。だから私は、反面教師として両親を受け止めようと。ある部分では、とても弱くて脆いところのある私ですが、意志は強かった。たまたま、生まれつき意志が強く、大人になってから出会った人たちのお陰で、そういう結論に達することが出来たのだと思います。
生まれつき意志の弱い人は、毒親の教育によって、人格形成に大きな影響を受けるのではないかと想像します。
この本は、二部構成になっていて、一部は著者が実際にカウンセリングした際の実話が沢山載っています。二部は、毒になる親から人生を取り戻す道と題していくつかの方法が書かれています。
その中には、実現不可能そうだと感じる話もありますが、もし今も、親との関係に悩んでいらっしゃる方には、一読の価値があるかもしれません。
実は今、私の身近に、毒親によって大きな苦労を背負わされている、私にとって大切な人がいます。長い間母親のギャンブルによる借金で苦しめられてきたのに、健気にもずっと見捨てず面倒をみている人です。彼女に、この本を読んで欲しいと思いました。今度こそ彼女自身の、本来あるべき幸せを取り戻すために。
誰かが誰かのために、犠牲になる人生が、あって良い訳がありません。それが例え、親子であったとしても・・・。
そして、自分自身が毒親にならないために、これから子育てをする方には、是非読んで欲しい一冊です。
読んでみようと思われた方へ。
精神的に落ち着いている時にしてください。
完読すると、二周りくらい身が細るほどに、ハードな内容です。
読まないで済むのが、一番かもしれませんね。
2つのボタンをぽちっとして頂けると、と~っても嬉しゅうございます
精神的に落ち着いている時にしてください。
完読すると、二周りくらい身が細るほどに、ハードな内容です。
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