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「連邦証券取引委員会の最終的なクラウドファンディング規則の採択に関する検討レポート」(その1)

2015-11-25 16:07:09 | 米国の金融監督機関

 筆者の手元にコロンビア大学ロースクールのブログ「ラザム・ワトキンズ法律事務所は、連邦証券取引委員会(SEC)の最終的なクラウドファンディング規則の採択結果につき検討」が届いた。

 すでに、筆者はSECの10月30日のリリース文および「最終規則(Final Crowdfunding Rules)」等は読んでいたが、本ブログで取り上げるタイミングを考えていた。 (注1) 

 そのような中で、コロンビア・ロースクールのほかハーバード・ロースクールの「企業統治と金融規制に関するフォーラム(Harvard Law School Forum on Corporate Governance and Financial Regulation)」サイトのレポート(Andrew J. Foley, Paul, Weiss, Rifkind, Wharton & Garrison LLP ”SEC Adopts Final Rules for Crowdfunding”を読んで、消費者保護等の観点からわが国でもその内容を正確に理解すべくと考え、本ブログを改めて書き始めた。

   特に、本文で述べる「JOB Act立法」や「クラウドファンディング規則」の立法措置の背景には米国の金融政策があることは言うまでもない。証券取引法の例外規定等もあり、十分精査されるべき内容を含む。 

 SECの最終規則の内容はわが国でも、関係調査機関等が取り上げ解説を加えるであろうが、先行したかたちでコロンビア・ロースクールのレポートを中心にすえて、取り上げるものである。 (注2)わが国の関係者により一層内容が深化されることを期待する。 

 なお、コロンビア・ロースクールのブログ原本は、全11頁と大部である。筆者は別途の業務をかかえているので、本テーマは分割かつ順次取り上げることとする。 

1.SEC「クラウドファンディング規則(Final Crowdfunding Rules)の要旨

  2015年10月30日、米国証券取引委員会(SEC)は会社が「クラウドファンディング 」を介して証券の売り出し、販売の許可に関する最終規則(「クラウドファンディング規則(Final Crowdfunding Rules)」(以下「規則」という)を採択した。 (注3) 

  規則は、 「2012年新規事業活性化法(Jumpstart Our Business Startups Act (JOBS Act))」第3編 (注4)において義務化されているとおり投資家による一定の限度額を前提にクラウドファンディングンの購入を可能とし、また発行者にはその業務内容や売り出し内容に関する情報を開させるため規則に準拠することを求める。特に、規則は投資家が投資できる金額は所得や資産によって異なるものとするすなわち、法人・個人をとわず、(1)12か月間に総計で1,000,000米ドルを超えてはならない。(2)個人の場合、年間所得または純資産が100,000ドル未満の者は、12か月間に総計で①2,000米ドル、または、②所得または純資産の5%のいずれか大きい金額まで投資できる。年間所得と純資産(の両方)が1,000,000米ドル以上の者は、12か月の総計で所得または純資産のいずれかの10%まで(100,000米ドルを超えな額)投資することができる。 (注5) 

 規則は、特に証券の発行人に対する1933証券取引法(Securities Act)の登録条件を免除し、さらに、通常の証券の小売(不適格な投資家)を含むさまざまな投資家に公開する証券の売り出しを特に許す。しかし、以下で詳述するとおり、小規模会社に比較的低い投資限度額を定め、また規則の複雑さと関連する法令遵守経費を与えられる規則をどの程度利用するかは明らかでない。

  すなわち、発行人は、発行人が使うかもしれない他の利用できる免除が、「SEC規制A+(注6)「レギュレーションD」、「ルール506(c)」を利用して一般的勧誘により資本を集めることに依存することをその代わりに選ぶかもしれない。 (注7) 

 規則に依存するすべての証券業務は、SECに登録された仲介者(ブローカー・ディーラーまたは「ファンデイング・ポータル(funding portal)」を通して行うことが求められる。起こることも要求される。そして、それは登録されたブローカー・ディーラーより限られた活動に従事するとなる規則によってつくられる新しい型の登録済の仲介者となる。

 クラウドファンディングの売り込みをはかる仲介業者は、提供品(発行人の証券の形の補償を含む)をクラウドファンディングの勧誘を容易にすることに関連して、一定の制限下で発行人や投資家から報酬を受領しうる。特定の規制を前提として、仲介者(発行人を含む)は第三者にプラットホームで人々に仲介者のクラウドファンディングしているプラットホームや発行人の売り込み品を参照させることを補償もするかもしれない。売り込み品をクラウドファンディングの仲介者には、広範囲な法令遵守義務(以下に限られない)が課される: (注8)

・投資家に特定の教材を提供すること。

・詐欺のリスクを減らすための特定の処置をとること。

・会社がプラットホームで一般に利用できて明らかにすることを要求される情報を作成すること。

・プラットホームで売り込みに関する議論を許すために通信チャンネルを提供すること。

・仲介者が受領する報酬について発表を投資家に開示すること

・投資限界に対応した投資家を信じているための合理的な根拠を持っていること。

・特定の通知と確認手段を提供すること。

・ファンドについて、報酬、キャンセル時の扱い、売り込み条件の再確認等と同様に特定のメンテナンス義務や伝達義務を遵守すること。

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