星に願いを~ 美月より心を込めて

徒然に想いのままに綴ります。不快に感じる方は通り過ぎてくださいませ。

煙草と珈琲

2012-12-21 11:07:29 | ふたりごと

私達の「隠れ家」・・

二人で家具やカーテンを揃えて

二人で映った写真を飾って

Piano の Jaz が静かに流れる

今は誰もいない「虚空間」

愛し合った跡が部屋中あちらこちらに

ちりばめられて眼が眩む

キッチンで抱きしめられて

お風呂で罪を流し合い

ソファーで温めあいながら

腕の中で眠れる空間だった

 

どんなに綺麗ごとで飾っても

時折、私は彼の奥さんへ

限りない羨望と嫉妬の想いを

隠し切れずに指先から零れ落ちた

彼はすぐに気が付いて・・

拾いあつめながら・・

瞳を閉じてくれる・・

時間という優しく残酷な大きな手で

うしろから抱きしめてくれる

「私の方が先に出逢ってたのに」

醜い心の声を唇でふさいでくれる


こんな風に慰め合って過ごした

お互いの傷をなめ合いながら

戻ることなど出来ない過去を

罪とともに傷を積み重ねてきた

『ふたりで死のうか?』

彼の言葉で我に返る

彼を返さなくては

私だけのために存在する人では

無いのだから 

先も後も関係なくて

誰のせいでも無いのに

見苦しい女の心の底も

彼は常にお見通しだった・・

私の言動を予測しながら

ありえない言葉を放つ

煙草と珈琲の香りに包まれて

「ごめん」のかわりに・・

「愛してる・・」と彼がつぶやくのです