再会して不倫関係になってからも
何度か旅行へ連れて行ってくれた
だけど・・・
帰る時に乗る新幹線が
まったく逆方向で・・
時速600Kmで離されていく
ふたりの距離が哀しかった
「同じ処へ還りたいな・・」
ぽつりと呟く私の言葉に・・
悲しそうな笑みを浮かべて
手を握る彼・・・
指先をひとつひとつ確かめながら
「さっきまで腕の中に居たのに
遠いな・・俺達は何年経っても」
どうしようもない事で
彼を困らせてしまう私
誰よりも彼を愛しているのに
ともに生きることは許されなかった
少女からオンナへと
彼の手で拓かれた「女」の想いが
嫉妬に似た感情を彼に
ぶつけてしまっては
還りたがるのです・・・
愛してるだけなのに
困らせてしまうこの恋に
飛び立てる羽根をください