星に願いを~ 美月より心を込めて

徒然に想いのままに綴ります。不快に感じる方は通り過ぎてくださいませ。

雪の朝に

2012-12-05 12:23:43 | しあわせ

光さす陽射しのなかで

手をつないで歩けたころに

色々な所へ連れて行ってもらった

電車で・・バスで・・船で・・

彼の運転する車で・・

たくさんの処を旅して周った

日本中北から南まで

ふたりで居られたら

何処でも良かったのに・・

限られた時間だったから

惜しむように

ふたりで旅して周った

 

或る時、旅先の旅館で

私が高熱を出してしまいました

彼は眠らずに看病を続けて

二日目の夜明け近くに

やっと落ち着いた私を

覗き込みながら

「無理をさせたかな?

 ゆっくり寝みなさい

 ずっと看ていてあげるから・・」 と

私の頬に冷たくなった手を

そっとのせて片方の手で

髪をなでてくれました

「寒くないの?

 お布団に入って大丈夫だから」 と

布団をまくった私の手を抑えて

障子を少し開けながら

「静かに雪が降ってる

 初めて二人で迎えた朝も

 雪だったね・・想い出していたら

 寒くない・・

 ここで君と雪をみているから

 ゆっくり寝みなさい・・」

そっと瞼に唇が触れた・・

 

煙草の煙と雪が白く揺らいで

哀しいくらい幸せだった

雪の朝の風景

ただ・・しんしんと降り注ぐ愛に

時を重ね続けていた

肌の温もりが愛おしいです