光さす陽射しのなかで
手をつないで歩けたころに
色々な所へ連れて行ってもらった
電車で・・バスで・・船で・・
彼の運転する車で・・
たくさんの処を旅して周った
日本中北から南まで
ふたりで居られたら
何処でも良かったのに・・
限られた時間だったから
惜しむように
ふたりで旅して周った
或る時、旅先の旅館で
私が高熱を出してしまいました
彼は眠らずに看病を続けて
二日目の夜明け近くに
やっと落ち着いた私を
覗き込みながら
「無理をさせたかな?
ゆっくり寝みなさい
ずっと看ていてあげるから・・」 と
私の頬に冷たくなった手を
そっとのせて片方の手で
髪をなでてくれました
「寒くないの?
お布団に入って大丈夫だから」 と
布団をまくった私の手を抑えて
障子を少し開けながら
「静かに雪が降ってる
初めて二人で迎えた朝も
雪だったね・・想い出していたら
寒くない・・
ここで君と雪をみているから
ゆっくり寝みなさい・・」
そっと瞼に唇が触れた・・
煙草の煙と雪が白く揺らいで
哀しいくらい幸せだった
雪の朝の風景
ただ・・しんしんと降り注ぐ愛に
時を重ね続けていた
肌の温もりが愛おしいです