hoppenの韓的な日々♪

2004年・夏、イ・ビョンホンssiに出会ってから韓流へ~韓国映画&ドラマで刺激的になった日々を綴ります。

第12回東京フィルメックス開幕(2011.11.19~27)

2011-11-20 02:27:42 | 東京フィルメックス・11月

*** 長文、注意!^^ ***

第12回東京フィルメックス

11月19日(土)より、第12回東京フィルメックスが開幕しました。
開幕作品は、韓国のキム・ギドク監督作品『アリラン』。
10時半から発売の当日券は、11時前に売り切れという人気ぶり。
韓国映画は、他に3作品がコンペティションに出品されています。
閉幕作品は、香港のジョニトー監督作『奪命金』。
相米慎二監督特集など、唸るような特集も組まれ、さすがフィルメックス!です。

私の独断と偏見満載で、お勧め作品のお勧めポイントをご紹介します。

*** 『アリラン』 ***
아리랑/Arirang
(韓国では未公開?)

【作品解説】
ここ数年、韓国映画界と一切の接触を絶っていたキム・ギドクが、
『悲夢』以来久々に沈黙を破って発表したセルフ・ドキュメンタリー。
映画は、山の中の一軒家で一人暮らすギドクの日常生活を描写する。
やがて、ギドクがカメラに向かい、ここ数年に彼に起こった様々な事柄を語り始める。
国内と国外での正反対の評価、そして業界の過酷な仕打ちに対し、
沈黙するしかなかった映画作家の悲痛な姿があらわになる。
だが、これは単にギドクが映画を使って心情を吐露したものではない。
切々と語るギドクに対し、"第2のギドク"が登場して突っ込みを入れ、
更にそのやりとりをモニターで見る"第3のギドク"が現れるなど、
自らの発言を客観的な視点からひっくり返し、観客を楽しませる工夫が随所に仕掛けられている。
自己の窮状をエンターテインメントとして昇華させたという意味で、これまでに例のない傑作だ。
カンヌ映画祭「ある視点」部門で上映され、最優秀作品賞を受賞。


開幕作品となった、韓国のキム・ギドク監督作品『アリラン』。
10時半から発売の当日券は、11時前に売り切れという人気ぶり。

絵画のような映画らしくない映画、というのがキム・ギドク作品の特徴かと思っていたのですが、
ちょっとセレブチックに変化しているように感じていました。
海外での評価は高いのに、韓国内での評価は低く、
それらのジレンマがこの『アリラン』で語られているのでしょうか?

これまでのキム・ギドク作品のレビュー&お勧め作品はこちらへ↓
hoppenの韓的な日々♪より
『悲夢』:劇場鑑賞(初日舞台挨拶付) in新宿武蔵野館(2009.02.07)
劇場鑑賞+監督舞台挨拶:『絶対の愛』、キム・ギドク監督
キム・ギドク監督作品その2:⑨『春夏秋冬そして春』~⑫『弓』
スーパー・ギドク・マンダラ:キム・ギドク監督舞台挨拶
劇場鑑賞:『うつせみ』、キム・ギドク監督×ジェヒ主演、公開情報も

キム・ギドク初期作品集BOX(4枚組) [DVD]
キム・ギドク
Happinet(SB)(D)
うつせみ [DVD]
ジェヒ,イ・スンヨン
ハピネット・ピクチャーズ
悲夢 [DVD]
オダギリジョー,イ・ナヨン,パク・チア,キム・テヒョン,チャン・ミヒ
Happinet(SB)(D)
魚と寝る女~The isle~ [DVD]
ソ・ジョン,キム・ヨソク,パク・ソンヒ,チョ・ジェヒョン,ジャン・ハンソン
コロムビアミュージックエンタテインメント



*** 『ムサン日記~白い犬』  *** 
무산일기(無産日記)/The Journals of Musan
(2011.04.14韓国公開)

【作品解説】
イ・チャンドンの助監督を務めたパク・ジョンボムの長編デビュー作『ムサン日記~白い犬』は、
北朝鮮から韓国に移住してきた若者の日常を驚くべきリアリズムで描く作品だ。
主人公は脱北してソウルに住むスンチョル。
同居している脱北者の友人ギョンチョルが詐欺まがいの手段で金を稼ぐ一方、
スンチョルはポスター貼りやチラシ配りなどで細々と生活している。
飼い主に捨てられた白い犬だけがスンチョルの心の拠り所だ。
やがてスンチョルは教会で見かけた女性スギョンが務めるカラオケボックスで働き始めるが、
客とのトラブルなどを理由に解雇されてしまう......。
映画は、脱北者たちが韓国で直面する厳しい現実を様々な側面から描き出す。
特筆すべきは、凍てつく冬のソウルの空気をそのままつかみ取ったかのような真に迫る描写であろう。
パク・ジョンボム本人がスンチョル役を独特の存在感をもって演じている。
プサン、ロッテルダムなど数々の映画祭での受賞も当然である。

韓国の現実と向き合う映画監督が多く生まれているようです。

レビューを書いていないのですが、脱北者の映画では
父親と息子を描いた『クロッシング』が、リアルで、多くのことを考えさせられました。

クロッシング [DVD]
チャ・インピョ,シン・ミョンチョル,ソ・ヨンファ,チュ・ダヨン,チョン・インギ
マクザム

パク・ジョンボム監督の師匠イ・チャンドン監督作品もご紹介しておきます。

オアシス [DVD]
イ・チャンドン
バンダイビジュアル
ペパーミント・キャンディー [DVD]
アップリンク
アップリンク
シークレット・サンシャイン [DVD]
チョン・ドヨン,ソン・ガンホ,チョ・ヨンジン,キム・ヨンジェ
エスピーオー


*** 『豊山犬』 ***
풍산개/Poongsan

【作品解説】
南北朝鮮の国境を密かに行き来しながら物資を運ぶ男がこの映画の主人公だ。
男は韓国の諜報局の依頼で亡命した北朝鮮の高官の愛人イノクを脱北させる。
数々の困難を克服して国境を越えるうち、二人の間には恋愛感情が芽生えるが、
それを察知した元北朝鮮高官は男を諜報局に引き渡す。
諜報局は男を拷問し、更なる任務を遂行すれば、イノクと一緒に解放してやる、と取引を持ちかける。
それは、北朝鮮に潜入した韓国の諜報員を無事に連れ帰ることだった。
かくして男は再び北朝鮮へと向かう......。
キム・ギドク(本作で製作と脚本を担当)の助監督を務めたチョン・ジェホンの長編第2作『豊山犬』は、
南北朝鮮の間に横たわる複雑な問題を、エンタテイメントの形をとりつつあぶり出した作品だ。
映画は低予算、短期間で撮られたというが、それを感じさせないクオリティを獲得している。
題名の"豊山犬"とは北朝鮮原産の犬の種類で、それが主人公の呼び名となっている。

こちらも、南北を扱った映画ですね。
でも、韓流スタートしてもおなじみのユン・ゲサンを主演に起用するなど、
エンタテイメントとして仕上げているのが、韓国らしいかも。
私、ユン・ゲサンの出演映画ってあたりが多いんです。^^
旦那がチケットを買っていたのですが行けなくなったそうで、私が見に行けることになりました。
楽しみ。

ユン・ゲサンのオススメ出演作品はこちら↓

ユン・ゲサンのほか、イ・ジュンギやオン・ジュワン、「ニューハート」のキム・ミンジョンも出演している青春映画。
バレエを題材にしているのが面白いし、ユン・ゲサンの不器用さとオン・ジュワンのかわいさがオススメ!

僕らのバレエ教室 [DVD]
ユン・ゲサン,イ・ジュンギ,キム・ミンジョン
エスピーオー

ユン・ゲサンとキム・ハヌル主演の、倦怠期にあるカップルを描いた映画。
もどかしさがリアルで良かったなぁ。

6年目も恋愛中 プレミアム・エディション [DVD]
ユン・ゲサン,キム・ハヌル,シン・ソンノク,チャ・ヒョンジョン
ジェネオン エンタテインメント


*** 『カウントダウン』 ***
카운트다운/Countdown 
(2011.09.29韓国公開)
 
【作品解説】
5年前に息子を失って以来、冷酷な取立屋として生きてきたゴンホは、医師から末期肝臓がんと宣告される。
命を救う唯一の方法は、10日以内に移植手術をすることだった。
女詐欺師ハヨンが適合するドナーだと知り、刑務所を出所したばかりのハヨンに会うゴンホ。
ハヨンは一つの条件のもとに移植に合意する。
それは彼女を刑務所に入れる原因を作った男を捜し出すことだった。
ゴンホはその男を見つけ出すが、ハヨンは約束を翻して逃走。
だが、ハヨンは彼女に恨みを持つギャングに捕らえられてしまう......。
『彼とわたしの漂流日記』のチョン・ジェヨン、『シークレット・サンシャイン』のチョン・ドヨンという
二人の演技派俳優を得て、これが監督デビュー作となるホ・ジョンホは
テンポの良いアクション・コメディを作り上げた。
ゴンホが抱える心の闇が次第に明らかになるという展開も興味深い。
未来の韓国映画界を牽引する才能と言えるだろう。トロント映画祭で上映。

チョン・ジェヨンとチョン・ドヨンの共演ってところだけでも、見どころたっぷりな映画ですが、
へぇ~、これ、コメディなんだ!
ストーリーとポスターを見ると、シリアスなサスペンスかとも思いましたが、
コメディって言うのが興味をそそります。

チョン・ドヨンはカンヌ映画祭で主演女優賞を獲得した名女優。
上記でご紹介した『シークレット・サンシャイン』は名作ですが、
私の一押しは、イ・ビョンホンと共演した『我が心のオルガン』。
1998年の映画で、20歳を過ぎているチョン・ドヨンが、小学生の役(16歳くらい?)を熱演。
公開当時のプロモーション番組を、こちらで紹介しています。
ビョンホンssiもチョン・ドヨンも若くて爽やかっ!
hoppenのL.B.H.的な日々♪
秋夕特集番組13日「我が心のオルガン」、EBSで放送

我が心のオルガン [DVD]
イ・ヨンジェ
タキコーポレーション


チョン・ジェヨン主演で、面白かったスリラーもの。
私はパク・ヘイルがお気に入りです。

黒く濁る村 [DVD]
パク・ヘイル,チョン・ジェヨン,ユ・サンジュン,ユ・ヘジン,ユソン
Happinet(SB)(D)


2001年の『ガン&トークス』は、不思議でかっこいい映画でした。
ウォンビンも出てるし、シン・ハギュンもいいんですよ~。
そう言えば、映画俳優一本だったシン・ハギュンも、最近は韓流ドラマに出演してます。
時代だわ~。

ガン&トークス [DVD]
チャン・ジン
ケンメディア




*** 『奪命金』  ***
Life Without Principle 
(2011香港・中国)

【作品解説】
主人公はごく普通の生活を送っていた3人の人物。
銀行員のテレサは、上司からリスクの高い金融商品を売ることを命じられ、日夜セールスに従事している。
黒社会の雑務を引き受けているチンピラのパンサーは、
破産しかかった友人から助けを求められ、ある計画を立てる。
刑事のチョンは、妻や父親から家庭の問題を持ち込まれ、対応に苦慮している。
ある日、テレサの顧客である金貸しが銀行から大金を引き出した直後に駐車場で暴漢に襲われ、
金を奪われてしまう。
この事件をきっかけに3人の運命は絡み合い、
事態は突如巻き起こった金融危機の中で思わぬ方向に展開する......。
ジョニー・トーが数年を費やして製作した『奪命金』は、
現代社会に対する痛烈な批評を息もつかせぬエンターテイメントとして結実させた傑作群像劇だ。
時制を複雑に錯綜させた前半、一気にエンディングへと流れ込む後半、という構成も見事という他ない。
ヴェネチア映画祭コンペティション部門で上映。

世界で一番面白い映画を生み出す、香港のジョニー・トー監督。
このブログでもたびたび登場させていただいておりますが、
今年のフィルメックス・クロージングに登場です!
解説を読んだだけで、よだれが出そうなくらい面白そう。。。

主演はリッチー・レンかな。
今回のスチールでは少々落ちぶれた感じですが、
煙草をふかしてる姿とか、かっこいいんですよね♪

ジョニトー作品、ぜひ一度ご賞味くださいませ。

こちら↓のジョニトー作品は、リッチー・レンのカッコよさを満喫できます。

ブレイキング・ニュース [DVD]
ケリー・チャン,リッチー・レン,ニック・チョン,ラム・シュー,サイモン・ヤム
タキコーポレーション



私の中でのジョニトー最高傑作は、こちら↓

MAD探偵 7人の容疑者 [DVD]
ラウ・チンワン,アンディ・オン,ラム・カートン,ケリー・リン,チョン・シウファイ
ケンメディア


こちらは、金城武主演のラブコメタッチでかわいいジョニトー作品↓

ターンレフト・ターンライト 特別版 [DVD]
ワイ・カーファイ,ジミー・リャオ,ヤウ・ナイホイ,オウ・キンイー,イップ・ティンシン
ワーナー・ホーム・ビデオ



初期のころの作品になるのかな。
消防士を描いたアクション映画で、面白かったです。

ファイヤーライン [DVD]
ラウ・チンワン,ジョーダン・チャン,カルメン・リー
キングレコード





*** 相米慎二のすべて -1980-2001全作品上映-』  ***

相米慎二監督プロフィール
1948年、岩手県盛岡市に生まれる。
71年、中央大学文学部を中退し、日活撮影所に契約助監督として入所。
その後フリーとなり、長谷川和彦、寺山修司らの助監督をつとめる。
80年、『翔んだカップル』で監督デビュー。
続く第2作『セーラー服と機関銃』(81)はその年の日本映画を代表する大ヒットを記録する。
これら2作品は薬師丸ひろ子を主演に迎えた商業映画であったが、
長回しを多用した大胆なカメラワーク、また俳優に対する厳しい演技指導など、
独特のスタイルが映画ファンの間で大きな話題を呼ぶ。
82年、長谷川和彦の呼びかけによってディレクターズ・カンパニーの設立に参加。
その後も『魚影の群れ』(83)、『ションベン・ライダー』(83)、『雪の断章-情熱-』(85)などの話題作を監督。
唯一のにっかつロマンポルノ作品である『ラブホテル』(85)も高い評価を受けた。
85年に開催された第1回東京国際映画祭では『台風クラブ』がヤングシネマ大賞を受賞、
審査員をつとめたベルナルド・ベルトルッチに絶賛される。
同作品はフランスやアメリカなど海外でも公開され、相米慎二の海外での評価のきっかけとなる。
93年、『お引越し』(93)がカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映。
『あ、春』(98)はベルリン映画祭パノラマ部門に選ばれ、国際批評家連盟賞を受賞。
同時にキネマ旬報ベストテンの第1位に選出される。
2001年には『風花』がベルリン映画祭フォーラム部門で上映。
その後新作の撮影に向けて準備を行っていたが、同年9月9日、肺がんにより53歳の若さで急逝。
その13本の監督作品は多くの監督たちに影響を与え続けている。

この特集、ゲストがすごく豪華です。
11/19(土)『魚影の群れ』:伊武雅刀
11/20(日)『台風クラブ』:三浦友和
11/20(日)『お引越し』:田畑智子
11/21(月)『翔んだカップル』:鶴見辰吾
11/21(月)『セーラー服と機関銃』:黒沢清監督
11/22(火)『ションベン・ライダー』:永瀬正敏
11/22(火)『ラブホテル』:寺田農
11/23(祝)『あ、春』:佐藤浩市
11/23(祝)『夏の庭 The Firends』:河合美智子
11/24(木)『光る女』:武藤敬司、三枝成彰
11/25(金)『東京上空いらっしゃいませ』:笑福亭鶴瓶
11/25(金)『風花』:浅野忠信

相米監督と言えば、アイドルを女優・俳優へと転身させてしまう鬼の演出家。
薬師丸ひろ子、斉藤由貴、夏目雅子、工藤夕貴、永瀬正敏、小泉今日子・・・。
斉藤由貴が好きだったので、劇場に見に行った『雪の断章』の印象が強いかな。
あと、やっぱり日本中でブームになった『セーラー服と機関銃』は、今見ると新たな面白さを感じます。
そして、『台風クラブ』も不思議な世界観と、工藤夕貴の独特さが出ていて印象に残っています。
監督が急逝して、もう10年なんですね。
今でも、新鮮なイメージがありますが。

セーラー服と機関銃  デジタル・リマスター版 [DVD]
薬師丸ひろ子,渡瀬恒彦,柳沢慎吾,三國連太郎
角川映画


はぁ~。
今年のフィルメックスも、書いているだけでわくわくします。
最近、体力の低下で、なかなか都内まで行けないのが悔しい。

前売りは完売している作品が多いようですが、
すべての作品で当日券が用意されているそうです。
ぜひ、フィルメックスを味わってみてください。


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