一反百姓「じねん道」【百姓の100章】『農的ワークライフバランス』実践と研究日記@斎藤博嗣&裕子*4人家族(夫婦子供2)

2005年、東京から茨城の農村へ夫婦で移住し新規就農。
こども百姓「じねん童」2人と共に、家庭自給生活を自学自習中

じねん道・博嗣スピーチ2014年11月25日「国際家族農業年で問われる日本の政策」参議院議員会館@ATJさんHP

2015年01月08日 | 一反百姓「じねん道」斎藤ひろつぐ&ゆうこ

じねん道・博嗣が
2014年11月25日参議院議員会館でスピーチした内容が、
オルタートレードジャパン(ATJ)さんのホームページに文字でUpされています
「国際家族農業年で問われる日本の政策」
http://altertrade.jp/archives/8610

2015年01月6日

2014年11月24日に立教大学経済研究所主催で開催された「国際家族農業年から始まる小規模家族農業の道ーフランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)の研究者を迎えて」(報告ページ)に続き、25日に参議院議員会館でフランスのCIRADの研究者と共に、院内集会が開かれました。国際家族農業年といってもそれが単なる啓発キャンペーンで終わってはならず、日本の農業政策、開発援助政策にも反映されなければならないからです。残念ながら直前に衆議院解散となり、議員の参加は得られませんでしたが、会議室がいっぱいになる状況で問題の重要さを感じている人たちの多さを感じさせるものとなりました。

斎藤発言部分のみは
http://altertrade.jp/archives/8610#saito

■その他の関連サイト 写真提供:奥留遥樹さん
・オックスファム・ジャパン(Oxfam Japan)
http://oxfam.jp/whatwedo/cat13/cat2/familyfarm.html
・パルシステム(Pal system)

https://sanchoku.pal-system.co.jp/see-think-and-act/vol14-banana.html
・TPP交渉差止・違憲訴訟の会
http://tpphantai.com/info/tpp%E3%81%AF%E5%AE%B6%E6%97%8F%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%82%92%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E3%81%99%E3%82%8B/

ATJさんでUpされているのは要約版なので、
じねん道のブログでは、スピーチ完全版をどうぞ・・・。


日本の政策にも小規模家族農業支援を
フランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)の研究者を囲んで
■日時 2014年11月25日(火) 14:00~16:00
■場所  参議院議員会館 地下1階 B101会議室

一反百姓「じねん道」斎藤博嗣
2005年東京から茨城の農村へ移住。一反百姓「じねん道」の屋号で、妻と子供2人の家族と共に世界一小さい百姓(One Field Farmer)を実践中。農的ワークライフバランス研究家、T&Tオルタナティブ研究所研究員。福岡正信著『緑の哲学 農業革命論~自然農法 一反百姓のすすめ~』(春秋社)の編者


 斎藤博嗣です。2005年東京から茨城の農村へ移住し、一反百姓「じねん道」の屋号で、妻と子供2人の家族と共に世界一小さい百姓(One Field Farmer)を福岡正信・自然農法で実践しています。また、大地を守る会の初代会長・藤本敏夫さんが設立した自然生態農場「鴨川自然王国」内にある「T&Tオルタナティブ研究所」の研究員をしています。

 現在その研究所の所長でもある歌手の加藤登紀子さんも出演した、国際家族農業年に関連するフォーラムとイベントの2つの行事に参加しました。フォーラムには聴衆として、イベントにはトークゲスト及び出展者として参加した報告と所感、続いて私の一反百姓としての視点をお話いたします。

 まず初めに今年9月18日東京で、JAとNHK主催、農林水産省後援の「“小さな農”のあり方」~国際家族農業年に考える~食糧フォーラム2014、の報告をいたします。
農業の大型化が進む日本。最先端技術の植物工場。今、安い農産物が国境を越えて次々と入ってくる中で、規模の小さい家族農業が追い詰められている現状を踏まえ、主要テーマは3点ありました。
・テーマ1は、「家族農業の役割とはなにか」      
家族農業は日本の食料生産のベースであり、小さな農業ゆえに果たす役割も大きい。しかし現状のままでは農家の減少は止まらず、家族農業の役割を十分発揮できないでいる。農業で食べていける条件が整えば小規模でも十分に可能性がある。
テーマ2は、「家族農業を維持できる環境とは」         
ドイツの家族農業は経営が安定し、複合経営、都市との共生で家族農業の役割を果たしている。重要なのは家族農業が成り立つ環境があり、それを自分たちで築いていること。日本の家族農業はどのような条件があれば可能性を引き出せるのかを探った。
・テーマ3は、「多様化の時代 家族農業の選択」     
小規模農業でも家族農業を維持している地域がある。共通のキーワードは、人材育成、先見性、実行力、都市との共生。日本の人口減少は農業のあり方を変える好機ともいえる。家族農業の態勢を整え、都市住民の「農」の積極活用で“新生農村”の青写真が示された。
 
変貌していく農業の流れの中、過疎化に苦しむ日本の農村部で、家族農業の役割を確かめ、その持続と地域のあり方を考えたフォーラムでした。

 次に10月19日東京で、種まき大作戦実行委員会主催、NPO法人全国有機農業推進協会共催、農林水産省後援の「土と平和の祭典2014」の報告をいたします。 
 「土と平和の祭典」は、秋の10月に毎年開催される「大地に感謝する収穫祭」今回で8年・8回目を迎えました。赤ん坊から晩年の人まで、各世代が集い、結びつく、社会をよりよく変える土と平和の運動です。コーヒー一杯、おむすび1個で、世界を変える「スマイルレボリューション!」です。競争ではなく、共生をモットーに、生産者の顔の見える、安心安全でこだわりの美味しい食べ物を分かち合うことが重要で、今の社会の『農的回帰』の進捗度合いを測り、農的幸福感を共有する大事なイベントだと主催者は考えています。
 
世界は今、新世界秩序的な支配で強制的に世界を一つにする勢力と、自主自立的なつがりをもって協調的に世界を一つにする勢力とで、国家を越えた世界を二分する大きな戦いが行われています。国際家族農業年が、いったいどういう意味をもつのか。今年は「家族」をキーワードに、小さな農的営みから、世界の農業問題まで、「わたしたちが共に生きる」ための社会の在り方を探りました。
 
日本の家族農業はどのような役割を果たしていけばよいのか、家族農業の価値を生産者、出演者、来場者である消費者とともにみんなで考えるイベントでした。

 私は、2つの集いの方向性に注目しています。消費者でしかなかった都市生活者が、農へ回帰する視点を持ち始めていることです。また逆に農村側でも新たな農や地域の担い手として都市住民を多様な形で積極的に呼び込む動きが加速しています。生活の中に少しでも農的生活を取り入れ、ライフスタイルを転換しようとする多くの若い世代からも、社会変革の一つとして農を捕らえる機運が高まっているように感じます。

 続いて一反百姓を実践する視点からお話いたします。世界に視野を広げれば、持続可能な家族的小規模農業は、食糧を確保するだけではなく、生物多様性の保全をはじめ、未来世代の地域や地球環境にも貢献しうる暮らし方であることが認識され始めています。農民を支援しようという目線ではなく、各国で家族農業を実践し、生きる上で本当に必要なことを身につけている農民とともに生き、農民から学ぶ姿勢が必要なのではないでしょうか。

 私たち一反百姓「じねん道」は、2005年の新規就農以来、在来種、固定種の種子を大切に自家採種しながら、在来大豆や古代米を栽培したり、切り出した薪を燃料に、杵や臼で手作りした味噌や黄な粉などの農産加工品を販売してきました。しかし、2011年原発事故以降、自然農法の農産物を消費者に喜んで頂く農業をこれまで通り営むことが、「じねん道」の伝えたいメッセージなのか、自問自答を繰り返し夫婦で話し合いました。あらゆる難問は人間がつくりだした問題であり、世界中の皆が土に向かい、農にたずさわり、本気になって種を蒔いたら、永続的に問題が解決できるという思いに駆り立てられました。

 私たち「じねん道」は自然農法を実践しながら、10年かけて家族みんなで自家採種した種を販売することを通して、Everyday Greenpic エブリデー・グリーンピック「百姓は毎日が緑の祭典」をスローガンに、「国民皆農運動」を展開しています。今日は「じねん道」の自家採種した種をこの箱に持ってきました。種の採取・脱穀・選別は子ども達も手伝い、妻がセットしてくれた家族農業の結晶の種です。普段は一袋300円で販売しておりますが、今回は「一粒百姓(ひとつぶひゃくしょう)からはじめよう」ということで、皆さんに農民への第一歩としてプレゼントいたします。

 19世紀、暗い室内で静物画を描いていた画家の中から、印象派の画家たちが光のある郊外へ飛び出して、自然そのままの風景や働く農民達を、尊敬の念を持ってキャンバスに描いたことは、当時は革命的なことでした。

 私たち「じねん道」の先生、自然農法の創始者・福岡正信さんは「画家になるより、画中の人になろう」とおっしゃっていました。「画家になって外側から農民を描くのではなく、みずから耕すものになれ」ということです。ミレーの「落穂ひろい」、ゴッホ「種まく人」の画の中の農民になろう。自ら耕すものが、耕すものをもっとも知るのです。

 フランスのお二人が来日され、昨日11月25日の立教大学における講演会ではピエール・マリー・ボスクさんが冒頭に日本語であいさつをされたのに感銘を受けて、フランス語で・・・。お二人、この発音で通じますか?

「D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?」     
「我々は何処から来たのか? 我々は何者か? 我々は何処へいくのか?」

この言葉、ポール・ゴーギャンの描いた絵画の命題に答えるものとして、
「我々は土から生まれ、我々は土に育ち、我々は土に還る」

国際家族農業年を機に、一人一人が「新しい農民」に、
世界市民として参加する「地球市民皆農」を提案して、
私のスピーチとさせて頂きます。




 


(以上は、動画とほぼ同じ内容=完全版です)

<動画>日本の政策にも小規模家族農業支援を@参議院会館(2014.11.25)
http://www.youtube.com/watch?v=lbh9NBhkh2o&feature=player_detailpage


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