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川瀬巴水展に行った

川瀬巴水展に行きました。

はじめて観る「川瀬巴水」展。作品の点数はそれなりにあって見ごたえはありました。

SOMPO美術館という建物についても興味あり、それも行った理由のひとつです。

建物についてはのちほど。

( 新大橋 1926年/大正15年 )

最初に5階に上り、順に下の階に降りていく、という構成です。

おおざっぱに言うと、

5階がデビュー(1918年/大正7年)~関東大震災(1923年/大正12年)あたり、

4階が、それ以降から戦前(1943年/昭和18年)くらい、

3階が、戦後から没年(1957年/昭和32年)

5階を見ていて、すごく興奮しました。「これいいな!」と思うものがたくさんあって。

でも4階に降りて見ていて、「あれ?」「何かが違う」と感じました。

きれい、なんです。どちらかというと洋画的で写実的で色合いも明るく、、だからと言っておかしい事なんてなくて、「完成された」と言っていいくらい、完成されています。

でも、私には、あまり響かない・・・面白くない?

もう一度5階に戻ってみました。わかったのは、作家としてまだ手探りな部分もあるけれど、版画の味が生かされていて、ウキペディアにも書かれている「終生、夜、雪などといった詩情的な風景版画を貫いた」という「抒情的」な部分がほんとに生き生きと感じれたんです。

夜の街、建物、灯り、月明かり、月明かりに照らされゆれる水面、夜の雨、夜の雪・・・

私が「これいいな!」と思った作品はほぼそういうもの。

それが、4階では、「生き生き」感、「しめりけ」感、がなくなり、「きれいな絵」になってしまったように感じたんです。

解説を読んでなるほどと思ったんですが、川瀬巴水は、1936年(昭和11年)~1939年(昭和14年)頃、スランプだったそうです。あまり変わり映えしない作品ばかり、という評もあったらしいですが。。確かに、昭和に入ってからの作品は惹かるものが多くありません。

川瀬巴水だけの問題ではなくて、掘り師も摺り師もうまくやり過ぎてるんじゃないの?なんて素人的な見方をしてしまうのですが。。

3階は晩年の作品。最後に向かうほど、きれい過ぎる作品から力が抜け出したようにも感じます。

以上はあくまで私の感想であり感覚です。年代を知らずに見せられたら「川瀬巴水はいいな」なんて思ってしまうでしょう。でも、時期によって「違う川瀬巴水があるんだ」という事を知れて、この展示をみれてよかったです。

( 御茶の水 1926年/大正15年 )

川瀬巴水展を見ていて、同じ「新版画」の吉田弘という人の事を思いました。抜群に写実的な作品を作り続けましたが、それが驚異的な事なんだと感じました。

(吉田弘展が川越美術館で開催 2021年10/23~11/28)

3階の最後の展示としてこんなものがありました。

スティーブ・ジョブスは、新版画の収集家でもあったそうですが、川瀬巴水の作品を25点持っているそうです。

この情報を先に知っていれば、またちょっと見方が違ったのにな~と思ったんだけど、だからと言ってもう一度戻って見る気にはなりませんでした。

これから行く人には参考になるかも。。

そして最後に、おまけ?・・特典?として、ゴッホのひまわり を見る事ができました。

だけどな~・・ なんだかイマイチ。見れる事のありがたさもなくて・・・

SOMPO美術館について

ちょっとは期待したんです。

展示室は対象外ですが、その他の部分で。でも、正直、残念でした。

小さな美術館だから難しいかもしれないけど、5~3階に分ける展示で、お客は順番に降りて行くのに、エレベーターか階段を使わないといけません。いちいちエレベーター待ちをするの?

降りる方向だけエスカレターは無理だったのか?

階段は2周しないといけなくて、しかもその階段がこれ

なんかね。。非常階段よりはましだけど、絵を見て気持ちが上っても、冷めてしまう。。

”外観に凝った分、中には何もお金掛けられなかったか~”感。。

2階のショップはこちら

やっぱり、、、なんかね。。残念。

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