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中国経済放談会

2014-01-27 12:20:35 | Weblog
司会..引き続きよろしくお願いいたします。経済がテーマですがこだわらずに...。

H....中国経済は欧米や日本と違って賄賂、汚職と政治の腐敗の産物でその上に捏造の積み重ねですから数字での判断はきわめて困難だと思います。GDP数値など地方政府の発表と中央政府の発表では桁違いの誤差が当たり前という異常な国家です。グローバルな視点からは事実関係の正誤はともかくいろいろと報道されておりますので、私たちは末端の実感経済についてお話ししたいと思います。
中国は広いので地域差はかなり大きいとは思いますが、都市部の小規模製造業は軒並みつぶれておりますね。お金がいびつな形での流通で中小企業の資金繰りがつかないのです。硬直した銀行システムは役に立たず、シャドーバンキング頼みとなりますが金利が異常ですぐに返済不能となります。前回の金融危機は中国の無謀ともいえる財政出動により乗り越えましたが2014年はそのツケを払わなければなりません。
昨年、中国政府が金融引き締めに乗り出した瞬間にお金の流通がストップしATMでの取り付け騒動となって政府は緊急に人民元の供給を再開するという醜態を演じました。もはや政府がコントロールできるレベルをはるかにこえていることが実証された事件です。 昨年は中国銀行が話題となりましたが、今回は中国の大手銀行、中国工商銀行(ICBC)が富裕層に販売した中誠信託が組成した信託商品についてデフォルトの可能性が浮上しました。
問題の信託商品は、。1月31日の償還期日に履行できない可能性が取りざたされていて工商銀行は償還について主な責任は負わないとの立場を示していたのですが、一転償還に関し一定の責任を負うと表明しました。(上海証券報24日)
日本ではシャドーバンキングというとヤミ金融のような感じを持つ方が多いと思いますが、実態は政府規制の枠から外れた理財商品で当たり前に銀行で扱っているのです。それだけに金額も巨大で、今回の信託商品に限らず他にも多数のデフォルト商品が潜在していると思われます。
銀行金利との差が大きいので銀行で借りて投資する手法が普通に行われてきた中国では一部の破綻は全体に波及する可能性があります。そのため政府から一定の責任を負うよう圧力がかかったのでしょう。ただし責任範囲については今のところ全く不明です。
2014年上半期にくる大量の5年ものの償還はできるのでしょうか?不気味ですね。

I....政府の責任者が中国の数字は信用できないという国ですから正確な状況把握にはテクニックが必要です。一般的には電力消費量とか貨物輸送量とかがある程度目安になるとはいわれておりますが、それと政府発表の数字とは恐ろしいほど乖離していますね。
細かい数字はともかく経済の概要はものの流れを見ればわかります。中国の鉄鋼生産をみると製鉄所周辺は石炭と、鉄鉱石の山。そして生産された販売できない粗鋼の山です。 製鉄所は簡単に火を落とすことができないので、結局政府主導の大型プロジェクト立ち上げとなります。バブルはとまらないですね。今も都市部の住宅価格は高止まりから上げになっていると聞いております。実際に住むわけではなく投資ですからはじけたときは中国は崩壊の恐れがありますね。
実需のないつまり利益追求だけの投資は典型的なバブル経済です。中国経済がマネーゲームとなって実質、人の流れと物の流れが止まったときバブルははじけます。私個人は中国経済はもういつ破綻してもおかしくない状況だと思っています。

J....政治腐敗に汚職や顕著になってきた経済格差の発展のゆがみは社会を不安定にしています。物価の問題もそうですが、とにかく仕事がない。大学卒の高学歴者が毎年500万人以上も就職できない実情はもう終わっているとしかいいようがないですね。今後少なくとも5年10年先に就職難が是正できる可能性は確実にゼロです。
各地で起きている暴動は年間約20万件といわれています。それも年々規模は拡大し、暴力的になってきているようです。年間の軍事予算に匹敵する治安予算を見れば一目瞭然でしょう。
ところで私たち3人の独演報告会みたいになっていますがいいんですか?(笑い)

司会..貴重な現地報告ですからどんどん進めてください。

J....それでは先に行きます。経済問題は今お話ししましたように予断を許さない状況にあります。これはメディアでも随時報道されておりますからいったんここで止めます。 現在の中国事情で一番の問題は民族問題を除き公害、環境汚染問題です。大気、水、土壌汚染、それに政府プロジェクト問題があります。H,Iとともに報告いたします。

大気汚染....北京、上海、ハルピンは最悪レベルです。人が住める環境ではありません。pm2.5が話題となりますが、汚染物質は重金属から核汚染物質まで有害物質はてんこ盛りです。
直接の気管支系疾患で亡くなった患者が昨年100万人を超えたという政府発表がありましたが実際はそんなものではないでしょう。亡くなる前には重傷者10倍、患者100倍は常識ですから少なくとも1億人は被害を直接受けている計算になります。
呼吸器疾患だけではなく癌や遺伝子への影響も懸念されるレベルでもはや手遅れでしょう。これは私たち一族の帰国決断の第一の要因でもありました。
今、中国各地で見られるようになった癌や奇形は汚染が人体の遺伝子まで及んでいるということで、原因もカドミウム、水銀、放射能とさまざまです。これの直接原因が大気汚染ではないかと疑われているのです。石炭暖房がベースにありますから改善は不可能でしょうね。

水汚染....北京の水不足は深刻です。同時に汚染も最悪レベルに達しています。水道水はもう飲めません。井戸水は枯渇と同時に重金属の汚染が進んでいます。
これの打開にはるか長江から南水北調プロジェクトが計画施行され2014年完成、2015年から完全稼働する見通しとなっています。
ところが完成した中線ルート、東線ルートはともに工業地帯を通るため水質に汚染物質が大量に含まれています。特に東線は飲料水には使えません。中線は自然流であるものの河川の勾配が小さいため自浄能力がほとんどありません。汚染の溜池になりそうな感じです。三峡ダムが重慶の汚染溜池になっているのと同様です。
工事にあたっては何千カ所もの河川をぶった切り、黄河まで横断するという自然への挑戦ともいうべきプロジェクトで今後自然からのしっぺ返しが懸念されます。
昨年、黄河は大洪水期に入ったと政府が警戒警報を出しました。天井川黄河が氾濫したとき、長江との交点はいったいどんな氾濫になるのでしょう。誰にも予測はつきません。 また長江の水の分流は従来の河口域の自浄能力を劣化させ、流量低下による海水域の侵入で環境は劇的に破壊されるでしょう。
近年、黄河は頻繁に断流を繰り返しています。中国全土では先般3万もの河川が消滅したと政府報告がありました。しかし政府に非常事態という認識は全くないようです。
また水不足の切り札として黄河流域から建設されたダムは現在約8万カ所、そのうち約半分の4万カ所は寿命を迎えて廃棄されています。それが土石で満杯となり毎年約3000カ所が決壊して多くの犠牲者がでているのが報告されています。
現在世界最高の貯水量を誇る三峡ダムも、予想をはるかにこえる周辺地域への影響に設計レベルよりはるか下のレベルでの稼働しかできません。かつ地震への対応が懸念される事態が頻発しているようです。決壊は上海が壊滅死者は1000万人をこえるでしょう。

参照......中国災害1℃の恐怖。中国クライシスダム決壊。中国クライシス三峡ダム。

土壌汚染..中国全土の約3割は何らかで汚染されているという状況です。耕地の1割強は重金属汚染、特に米や野菜のカドミウム汚染が深刻です。
それがはっきりしているにもかかわらず、中国政府は汚染米の産地を公表していません。国民はカドミウム米を食べさせられているのです。
この米がイオンで販売されていたというニュースがありましたが、国ぐるみの偽装ですから、少なくとも食品に関しては断交すべきですね。
核実験放射能汚染地域からの汚染の拡大、レアアース採掘地域からの放射能、重金属汚染は深刻で、各地に癌村、奇形児村を生み出しています。村全体が高度な汚染に長期間さらされた結果であることが明らかであるにもかかわらず中国政府は何の対応もしていません。こういう公害病はある程度の潜伏期間があって、いきなり大きく拡大します。汚染レベルが隠蔽しきれなくなるのももうすぐですね。

司会....しかし、中国の実態は根が深いというか凄まじい状況ですね。皆さん唖然としている状態です。報道されていることはまさに一部であって、それも真偽はわからないということがよくわかりました。民族問題や原発等まだまだテーマはありますが、放談会としては今回はこのくらいで閉めたいと思います。皆さんありがとうございました。
 
 
 


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