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中国災害温暖化1℃の恐怖

2013-08-13 12:10:01 | Weblog
中国における自然災害については何回も取り上げてきた。世界中どんな国でも災害は起こりうるものだが、中国おいては防災の取り組みと発生後の対応に問題が多すぎる。この点、小生ブログにおいて何度も指摘し、警告を繰り返してきたところだが、しょせん素人の遠吠えだ、ましてや日本人の警告とあらば、どこに聞く耳があろう。甚大な被災は、そのほとんどが人災といえるもので、それを矮小化し、隠蔽するに至っては次につながらない。このような政府をもった国民は誠にもって不幸である。
中国では環境防災意識の欠如により、ダム問題、CO2温暖化問題が自然災害と環境汚染に与える影響についての論議は完璧に無視されてきた。そのツケがここ数年顕著にあらわれはじめている。環境汚染問題についてはすでに何回もふれているので今回は自然災害について考察する。中国における自然災害は多分に人為的な要素が大きい。自然災害そのものは防ぎきれるものではないが、中国の場合、異様なダム依存、温暖化無視のCO2排出と工業化が自然災害を誘発し被災規模を拡大している。
石炭火力によるCO2排出は地球規模の温暖化とあいまって少なくとも海陸1℃以上は温暖化している。7月時点で、南太平洋、南シナ海における海水温度は31℃を超えている。海水温度が26℃を越えると台風発生の可能性が大きくなる。その他の条件があるため海水温度だけで発生するわけではないが、12日にはアジア地区で台風の卵、熱帯低気圧が5つも雲をつくっていた。月初めの熱帯低気圧は台風10号となり、ベトナム上陸。次の11号は中国に上陸した。いずれも南シナ海で勢力を増しての上陸だ。南シナ海での海水温度も上昇しているので勢力が落ちないのだ。地球規模の温暖化はチベット高原の氷河縮退に見られるように水資源に影響を与えだしている。工業化による水需要と都市化による水需要の増大で水資源は枯渇しつつあり、河川の消滅や湖沼の消滅が相次いで報告されている。黄河流域では需要に供給が追いつかず、頻繁に断流している。これは黄河砂泥の滞留をまねき、天井川化することによって悲惨な洪水被害をもたらす。ちなみに黄河大洪水は55年周期と言われるが今年がその年だ。昨年、異例なことだが中国政府は何もないのに数年以内に黄河に大洪水が起きる可能性があると警告を発した。ところでダムといえば三峡ダムが有名だが、中国には大小8万数千のダムがある。そのうち現在登録のあるダムは約4万であるという。では残りの4万はどうなったのか。40年50年がたって治水にも砂防にも使えなくなったダムは、放置のままだという。土砂をため込んだダムは時限爆弾だ。実際に毎年、決壊ダムの数は3000をこえている。洪水のたびに土石流被害が出るのはそういう訳なのだ。治水、発電目的で造られたダムは洪水期には放水し、乾季には水をため込むというバカなことをする。よって大型ダムの数が増えるほど水の蒸発面積が縮小し、地下水は減少し、土地乾燥する。自然には自浄能力、回復力があるが、中国はもはや限度を超えてしまったようだ。ある限度を超えると一般的に事態は加速度的に悪化する。猛烈な干ばつ、高温、豪雨、大洪水、大地震等の大災害発生である。では、今年の中国の災害状況を高温、洪水、地震と振り返ってみよう。
中国では7月7日、広い範囲で「強烈な猛暑」が続いた。中国中央気象台によると、多くの観測点で最高気温が摂氏42度以上を記録した。重慶市や四川省、浙江省の一部では摂氏43度を超えた。熱波は8日もほぼ同様に続く見通しだ。多くの観測点で午後4時までに、最高気温が摂氏42度以上を記録した。最高気温が最も高かったのは重慶市江津区と浙江省奉化市の摂氏43.5度で、以下は四川省宜浜市興文県の摂氏43度、同省瀘州市叙永県の摂氏42.8度、同市合江県の摂氏42.6度と続いた。上海市中心部の徐家匯区や閔行区でも、最高気温がそれぞれ摂氏40.8度、同40.6度を記録した。7月26日、香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは中国中・東部を襲う記録的な猛暑について報じた。重慶市、杭州市など一部都市では2日連続で40度以上の猛暑を記録した。杭州市では気温40.4度と史上最高記録を更新した。上海市は7月に入ってからすでに16回もの35度以上の猛暑日を記録。26日には39度となり、09年以来となる高温赤色警報が発令された。猛暑を受け、湖南省、四川省の干ばつが深刻化していると新華社は報じている。強い熱波に見舞われている地域の住民数は約7億人。8月8日には、長江の北沿岸地方、浙江省の中東部福建省東部など、全国94カ所の観測ステーションで、この夏の最高気温を記録した。中国中央気象台の馬学款首席予報官によると、長江中流・下流などの猛暑は、今後1週間程度は続くという。8月8日までに39日連続で、最高気温が摂氏35度を超えた。2013年になってから最高気温が摂氏35度を超えたのは累計48日にもなる。
中国新聞社によれば、8月12日、中国南部では長江中下流を中心にした広い地域が猛暑に見舞われている。浙江省中北部、江蘇省南西部、安徽省中南部、湖北省南東部、湖南省北部、江西省北部では、最高気温が摂氏40-42度に達する見通しだという。
気象庁によると、全国的に連日の猛暑となったのは、太平洋高気圧が日本列島を覆っているのに加え、大陸からのチベット高気圧が上空に入り込み、二つの高気圧が重なった状態が続いているためだ。太平洋高気圧は日本列島だけでなく、中国南部にまで張り出し、中国南部を中心に猛暑をもたらしている。同高気圧の勢力が強いのは、中国南方の東南アジアの海水温が平年よりやや高く、上昇気流が活発に生じているためだという。
次に豪雨被害をみてみよう。
7月22日、中国各地では今年の増水期に入って以来、豪雨被害が相次いでいる。一部の河川では決壊警戒水位を超えたほか、一部の都市では冠水被害も発生した。また山津波、土石流、地滑りといった災害も発生し、深刻な人的被害や財産の損失をもたらしていると新華網が伝えた。 
国家洪水防止・ 干ばつ対策総指揮部弁公室の統計によると、今年に入り、累計30の省・自治区が洪水被害に見舞われ、被災者は4770万人、災害による死亡者は337人、行方不明者は213人、倒壊した家屋数は15万棟に達した。災害による死亡の原因は、土石流、地滑りよる土砂災害が202人で、全体の6割を占めた。その他、山津波による災害が78人、建物の倒壊による災害が23人、溺死などが34人だった。 
5月上旬、湖南省で豪雨が続き、42万人が被災、7人が死亡した。14日以降にも、再び豪雨が湖南省を襲った。長沙市、湘潭市のくぼ地の一部では冠水が発生し、27万人が被災、1人が死亡した。同省の湘西土家族苗族(トゥチャ族ミャオ族)自治州、常徳市、懐化市、益陽市などが豪雨被害に見舞われた。 
同時期、江西省でも豪雨により5つの設区市、22の県(市区)、172の郷鎮で計25万9000人が被災し、4149人が避難、倒壊した家屋数は172棟に上った。 
6月30日、内モンゴル自治区オルドス市東勝区、達拉特旗南部、準格爾旗西部、杭錦旗東部では豪雨、雹などを伴う強い対流の天気に見舞われた。被害が最も深刻だった東勝区では冠水が発生し、建築物の壁倒壊、平屋の浸水などが原因で8人が死亡した。また、東勝区と伊金霍洛旗の堺にある銅匠川が氾濫し、11人が死亡した。 
人民網によると、7月に入り、豪雨災害は急増した。陝西省延安市では7日以降、広い範囲で豪雨となり、同地域では2002年以来降雨範囲が最大、降雨量が最多、降雨時間が最長の豪雨となった。この豪雨による死亡者は13人、行方不明者は4人、負傷者は15人に達した。 
四川省では11日までに、15市・州の75県が豪雨・洪水に見舞われ、209万4000人が被災、30人余りが死亡し、行方不明者は160人あまりに上った。22万3000人が緊急避難している。この豪雨により、成都市中心部では深刻な冠水に見舞われ、地下トンネル8カ所のほか、路面40カ所が浸水した。成華区の方家河・鳳凰河・南支三渠の3本の河道では8カ所で溢水、16カ所で冠水が発生。武候区では家屋12棟が倒壊、1826人が緊急避難した。広東省の大部分の地域では台風7号(SOULIK)の影響で15日以降、豪雨に見舞われた。局地的には特大の豪雨となり、梅州市、河源市、潮州市の100鎮(町)が被害を受け、被災者は45万6900人、死亡者は3人、行方不明者は2人に達し、倒壊した家屋数は2072棟に達した。広州市では14日夜以降、2回の豪雨に見舞われ、冠水被害も発生している。
2013年7月17日、中国の国家水害・干ばつ防止総指揮部事務室は記者会見で、2013年に入って以来、全国30の省や市が洪水に見舞われ、これまでに農作物400万4000ヘクタールが被害に遭った。被災者は4770万人で、水害により337人が死亡し213人が行方不明になっている。さらに家屋15万棟が倒壊したと明らかにした。新華社通信が伝えた。 
同事務室の束慶鵬(シュウ・チンポン)報道官は、「今年の水害では、西南地区や長江の中下流及び華南地区、西北地区、華北地区の被害が著しかった。降雨による土石流は特に深刻な被害をもたらした。犠牲者の内訳は、土石流による死者が202人、洪水に流され死亡した人が78人。家屋倒壊は23人で、溺死やそのほかの原因で34人が亡くなっている。土石流は犠牲者の6割を占めている」と話した。 
補足すると、土石流災害はほとんどがダム決壊。また犠牲者の数は最低で数倍から10倍以上であるといわれている。実際、大きな村が二つも三つも消えてしまって数十人の犠牲者なんてあり得ない。これが中国だ。
最後に地震災害だ。 
中国は世界2大地震帯の環太平洋地震帯とユーラシア地震帯の間に位置し、太平洋プレート、インドプレート、フィリピンプレートが押し合うことから、地震の断裂帯の活動が非常に活発だ。中国では20世紀に入ってから、マグニチュード(M)6以上の地震が約800回発生しており、貴州省・浙江省および香港特別行政区を除くすべての省・自治区・直轄市で発生している。中国の地震は発生の頻度が高く、揺れが大きく、震源地が浅く、広範囲に分布している。中国は震災が深刻な国だ。 
1900年より中国では地震による死者が55万人に達し、世界全体の53%を占めている。1949年以降、100回余りの強い地震が22の省・自治区・直轄市(中国東部の14省を含む)を襲い、死者が約27万人に達し、全国の各種災害による死者の54%を占めた。地震による被災面積は30万平方メートル以上に達した。 
中国の地震は主に(1)台湾地区(台湾および付近の海域)(2)西南地区(チベット自治区、四川省西部、雲南省中西部)(3)西北地区(甘粛省河西回廊、青海省、寧夏回族自治区、天山の南北)(4)華北地区(太行山の東西、汾渭河谷、陰山・燕山一帯、山東省中部、渤海湾)(5)東南沿海地区(広東省、福建省)――の5地区および23本の地震帯に分布している。 
台湾は環太平洋地震帯に位置し、チベット自治区・新疆ウイグル自治区・雲南省・四川省・青海省などはヒマラヤ-地中海地震帯に位置し、その他の地区もそれぞれ地震帯に位置している。この資料は人民網日本語版及び広州日報によるデータであるが、このどこの地震帯にも驚くべきことに原発がある。中国原発は日本のような耐震構造と耐震建築ではない。ましてやオカラ工事となると有事には悲惨な事態は避けられないだろう。原子炉の型が違うという問題ではない。海岸線に位置する原発には津波対策が全くないし、事故時の電源対策、水冷対策もないという。そして公表されている事故率は日本0.3%に対し、中国は2.6%と約9倍。公表値が信じられる国ではないので実際はこの数倍だろう。近い将来大事故は避けられないでしょうな。 
2013年4月20日午前8時2分(日本時間同9時2分)、四川省雅安市でマグニチュード(M)7.0の強い地震が発生した。現地ではM3~5クラスの余震が続いているが、被害など詳細についてはまだはっきりしていない。中国地震台網センターが伝えた。 
午前8時2分にM7.0の地震が発生した後、同6分にM4.8、同7分にM5.1、同37分にM4.1など、ほぼ同じ場所を震源として余震が立て続けに発生した。 
人民日報によると、これまでに10人の死亡が確認されているが、現地メディアは四川省地震局が死傷者は100人を超えると発表したと伝えている。 
震源地の雅安市の東方に位置する成都市や重慶市でも強い揺れが感じられた。成都市のある市民は「08年の四川大地震の時よりも強烈な揺れを感じた」と話す。また、重慶市でも揺れが1分ほど続いたという。 
その他、貴州省貴陽市、甘粛省隴南市、雲南省昆明市、陝西省安康市、湖北省宣昌市、湖南省長沙市などでも揺れが感じられた。
甘粛省のM6.6地震、死者22人に増加=数百人が負傷―中国
2013年7月22日、中国甘粛省定西市岷県の境界付近で、マグニチュード6.6の地震が発生した。中国民政部の公式サイトによると、現在、22人の死亡が確認されている。中国新聞社が伝えた。地震により13の村で通信が途絶え、家屋倒壊など深刻な被害が出ている。負傷者は数百人に上るとみられるが、詳細な被害状況は現在も調査中であるという。
地震に関する被害状況は中国では信頼できるデーターが全く期待できない。四川地震でも、紫坪埔ダムに亀裂が入り人民解放軍2000人が緊急出動とまでは報道があったが、あとは全くシャットダウンだ。ダムについては別途、詳述する。今回のテーマの1℃を絶対零度273分の1でとらえるか、1億℃分の1でとらえるか、あるいは恐怖の1℃、氷点0℃からの1℃、沸点100℃からの1℃ととらえるかは、まさに為政者の資質の問題だ。中国指導部の早急な改善取り組みをあてにはしないが、期待はしたい。
 
 
 


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