アフリカ中央にある小国ルワンダを知っている人がどれだけ居るだろう?私は映画「ホテル・ル
ワンダ」を観て、最近テレビドキュメンタリーで驚異的な発展を遂げていることを知った程度で
ある。そのルワンダに著者は1965年に中央銀行総裁として着任している。当時ベルギーから独立
したばかりのルワンダはアフリカでも最も貧乏で、産業の中心は農業。財政は赤字続きで、著者
は国の通建て直し、さらに各国の援助を取り付ける交渉まで担当することになる。
著者は大統領に会い「ルワンダの山々に住んでいるルワンダ人が昨日より今日の生活が豊かにな
り、今日よりは明日の生活が良くなる希望がもて、さらには自分よりも子供が豊かな生活ができ
るという期待を持てるようにしたい」と聞き、仕事に邁進する決意を新たにする。
中央銀行総裁として銀行の規律を整え、各大臣と協議し、各国との交渉を続けながら、ルワンダ
人の独立の為に奔走し、ルワンダ以外の国の人の評価よりも、直接ルワンダ人に話を聞き、国の
方針を決め、交通事情(バスは週に二度)を鑑みバス公社を再建、倉庫を造り、ルワンダ商人に
直接商売に参加できるよう促す。
様々な国々で色々な職を通して貢献する日本人は多い。その国の人々の話を聞き、その国の事情
に合わせ活動し感謝された話もよく聞く。自分のため、自国のためだけにではない献身的な働き
は称賛に値する。私たちはそうありたい。
ルワンダ中央銀行総裁日記 服部正也 中公新書