よしーの世界

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スマホが学力を破壊する   川島隆太

2023-05-20 08:30:07 | 
かなり衝撃的な内容です。以前からスマホやゲーム、ラインの日常生活に対する悪影響については

取りざたされてきましたが、その市場があまりにも大きいのでかき消されてきた様に感じていまし

た。本書では脳のスペシャリストで医学博士の著者が仙台市立小中学校に通う約7万人の生徒を5

年間追跡した結果を元に書いているのですから信頼性は高いです。今やスマホの個人保有率が67.6

%(2019年総務省調べ)ですから私たちにはあまりにも身近な問題です。


やはり残念ながらスマホを長時間使うことによって特に数学、理科、社会を中心に成績が下降する

結果が出ています。全く使用しないことよりも1日1時間程度の使用で我慢できるという、自分を

律することが出来る人の方が成績の下降は見られませんが、時間が2時間、3時間と長くなればな

るほど成績は下がっていきます。


しかもスマホを使うことによって自宅学習が減少したり、睡眠不足になったりということよりも、

スマホを使うことが直接成績下降に繋がっているという結果が出ています。特にライン等のインス

タントメッセンジャー使用は学習に及ぼす悪影響が顕著に出ています。さらに使用しているアプリ

の数が多いほど学力は低くなり、何と!スマホを使わなくなれば成績が急回復するという現実!


スマホの長時間使用が脳の発達や学習機能に悪影響するという著者の見解には身震いすら覚えます。

電車の中を見渡せば9割の人がスマホをじっと眺め、指先で操作しています。果たして本書の内容

が主に学生(若年層)を対象にしているという事で、私たち(大人)は安心していいモノでしょう

か。スマホ使用で睡眠に対する悪影響、感情制御に問題が生じるという医学系の論文もあるようで

す。今やスマホ手放すことは私たちには考えられない事でしょう。しかしビル・ゲイツもスティー

ブ・ジョブズも自分の子供にはスマホをはじめとするデジタル機器を持たせず、使用も制限した話

もあります。改めてスマホ等の日常使用を考え直す時かもしれません。


   スマホが学力を破壊する   川島隆太            集英社新書
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