よしーの世界

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官邸ポリス   幕蓮

2022-07-31 07:47:06 | 
橘玲氏は「正義とは快楽である」という現代脳科学による定義、を自著で指摘した。「官邸ポリス」に

登場する官僚たちは正に正義を振りかざし、マスコミを操り、政治の方向性を決め、邪魔者は排除し、

より良い国作りを目指し官邸を操る。彼らは責任を取らない、スキャンダルで失権しても天下りがある。

政治家でさえ選挙の洗礼を多少とも受ける(日本では世襲で守られる特権階級があるが)のにだ。


「本書の92%は現実である」そうだ。最近起きた事件ばかりで生々しく、ある程度の知識があればリア

ルさに終始驚かされることになる。さらに「内閣調査室(今井良)」を読んでおけば警察、公安等の組

織の在り方を事前に頭に入れて置くことが出来、本書を読んでも分かり易いだろう。


今回の安部氏襲撃事件で警察庁も責任を取らざるを得ない、政権中枢に居座る彼らも中心から離れるこ

とになると思う。彼らが正義を振りかざすことで日本は分断され、同調圧力によって不寛容な社会が生

まれてしまった。


日本にはムラ社会的な閉鎖性もあるが、他者に対しての寛容さはもっとあった。善悪もあまりにもハッ

キリ分けてしまうと生きにくい社会になってしまう。出る杭を意識しすげて委縮し、ダイナミズムの生

まれる素地をなくしてしまう。


今回の事件以降旧統一教会の存在が改めて浮き彫りになっているが、マスコミの追求が弱いので特に関

係性が深いと思われる自民党の多数の議員が開き直っている。マスコミは権力にこそ対抗していかなけ

ればならない。その存在自体が意味がなくなってしまう。


   官邸ポリス   幕蓮      講談社
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