よしーの世界

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世界一退屈な授業   適菜収

2022-07-05 06:39:54 | 
新書でも書かれている内容は千差万別、最新のAIの可能性を解説した物から、縄文時代の生活を検証

したり、宗教に関して考証するようなものまで幅広い。本書では江戸、明治、大正、昭和に生きた著者

に言わせれば本物の先生からのメッセージを今を生きる若者に向けて編纂したものです。


新渡戸稲造は古典を読むことを勧めます。バイブル(聖書)バーゼル、ダンテ、シェークスピア、ゲー

テ。そしてプラトン、ソクラテスの人物を描いたもの等。なかなか普段手にしないモノばかりですね。

日本ではやはり源氏物語、徒然草を上げています。さらに読むこととはリーディングではなくスタディ、

つまり読み流さずに批判をしなさいと言います。


内村鑑三の講義もとても面白く、「1番大切なものは何か?それはカネである」世の中を動かすために

は、そして本当の仕事を後世に残すためには現実世界において闘わなければならないと諭しています。

クリスチャン(彼はキリスト教徒で、無教会主義者)とはかけ離れた主張に驚きました。「金は宇宙の

ものであるから、金というものはいつでもできるものだ」という人に向かって、フランクリンは「それ

なら今こしらえてみたまえ」と答えたと引用しています。内村鑑三は金をもって神と国に仕えよ。とい

うのです。


新書は現実問題に即、対処できる術を紹介したものが多い印象があります。私たちもそういう本を選び

がちです。私の若い友人(20歳)はちょっとしたワードは直ぐにスマホで調べます。しかしネット上で

の短い解説では理解しきれない事柄が沢山あります。本を読むことを勧めます。


   世界一退屈な授業   適菜収        星海社新書
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