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2025年のデジタル資本主義   田中道昭

2022-02-24 06:50:33 | 
日本の置かれた状況を我が国の政治家はどの程度理解しているだろう。すでに日本は国際競争力にお

いて先進国の中では唯一の落ちこぼれ国。ここ30年で完全に停滞している。アメリカのGAFA(グー

グル、アップル、フェイスブック、アマゾン)は日本の大企業の先をひた走り、2019年の売り上げで

アルファベット(グーグル)17兆8000億円、アップル28兆6200億円、フェイスブック7兆7700億円、

アマゾン30兆8600億円(トヨタ30兆2256億円)という数字で、しかも各分野においてシェアがダン

トツである。


さらに中国ではアリババとテンセントが覇を競っており、欧米との経済の遮断があっても人口14億人

という巨大な市場で、凄まじい監視カメラの数で、情報は一元化し政府の統制の元、圧倒的な成長産

業として確固たる地位を築いている。(好き嫌いは別にして)


おそらく日本は彼らに追いつくことは不可能。大企業に将来のピジョンが見当たらないし、サラリー

マン社長たちには気概も感じない。かくて日本は世界から取り残され日本の産業は各分野で後塵を拝

し、日本人は安い賃金で将来に期待を持てない人生を送る事になる。


それでも著者はデジタル産業にプライバシー重視の動きがあることに言及し、日本の活路を見いだせ

ると提言している。それは「中央集権型社会」から「分散フラット型社会」への転換で、昨今よく耳

にする「ブロックチェーン」の活用だ。さらに「真の社員価値重視社会(日本の企業は不得意)」の

到来を告げ、「会社の芯からSDGsに対峙する」ことを推奨している。すでに日本においても小企業

でいくつかの萌芽を見ることが出来るが、本書ではソフトバンクとトヨタという大企業の連携を例に

取り希望を見出そうとしている。政治家にこそ読んでほしい本だ。


     2025年のデジタル資本主義   田中道昭       NHK出版新書

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