ミントグリーンの風に吹かれて

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「花を奉る」石牟礼道子・・・

2018年03月04日 | 日記

今年の2/10にパーキンソン病による急性増悪のため90歳で死去した作家、石牟礼道子さん。水俣病の現実を伝え、“魂の文学”と呼ばれた「苦海浄土」は多くの人に感動を与えた。

先日、NHKドキュメンタリーETV特集「花を奉る 石牟礼道子の世界」を見て深く感動した。話される言葉の一つ一つから情景が思い浮かぶ。軽やかに話される言葉は重く深かった。水俣病のことは遠い過去の悲惨な事件としか理解していなかった。今まで無関心だった自分を恥じた。病状はどんどん悪化しついには命を落とす。久しぶりに訪ねた患者さんたちとの懐かしい再開ではお互い車いすだ。辛い身体であるにもかかわらず優しい笑顔がこぼれる。石牟礼さんの心は張り裂けそうであったろう。車いす姿の病気の石牟礼さんに向かって「先生、お身体気を付けて、頑張ってください」と逆に励まされ、石牟礼さんは思わず泣いてしまった。私も涙が止まらなかった。

「私もこれまでの人生で水俣病の患者さんに全てを学んできました。ある重度の患者の女性は3年前、私にこう言いました。「道子さん、私はもう許すことにしました。(加害企業の)チッソも許します。病気になってから意地悪をした人たちも許します。つばを吐きかけられたり、買い物をする時に、お金を差し出したら、『うつるからそこに置いてくれ』と言われたり、親の敵、人間の敵と思っていたけれど、全てを許します」と言いました。「あまりに苦しかけん、祈りよった。祈るというか、のろいよった。けれど、これは人間の罪。人間の中には私も入っとる。人間の罪は自分の罪だ」と言うのです。哲学書のひとつも読んだことのない元漁師の女性はそう言って、死んでいきました。この言葉を超える宗教者が地球上にいたでしょうか。水俣には現代の神が生まれています。」(インタビュー記事より抜粋)



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