倉敷・大原美術館横「似顔絵・宏プロ」

倉敷・大原美術館横で長年・似顔絵を描き、お世話になっている者です。

倉敷にがおえエレジー 53回眼の科学②

2004-10-05 14:16:00 | 掲示版(感想、批評何でもよろしく)
             眼の科学②                                                                                中国の人相書では眼の形を狐眼、象眼、虎眼等動物の目の形より四十種類以上に別けているが、真実性に欠けるので省略する。何故なら眼は我々が普段、考えている様に固定的ではないからである。眼は一定の通念でなかば抽象的なものに観念の中で動物の記号として固定するには、あまりにも眼は流動的なものの中に溶けてしまうからだ。そこであえて大きい眼(軽眼)と小さい眼(重眼)程度に止め、眼の清濁、眼光、視線の動き方の方に重点をおく事にする。

 だいたい大きい眼の人は感受性に富み、好奇心旺盛で、それで何事も開放的で親しみやすい打ち解けた人物。とくに女でこれに眉間広ければハントにもってこいで、人相学でも広ければ広いほど娼婦性が高まると言う。
 小さい眼は何事にも貴重面で行動より思索的、視野狭いわりに集中力あって添削力に富む。男は意志強く、粘りがあって地味で何事もコツコツ築きあげる。女は貞操観念固く、忍耐あり容易に立場を変えない・・・・

 こんな事ばかり羅列していると諸氏は「もう、よい」「もう、よい、わかった」と顰蹙をかうが、あらゆる人相本と言われるのがザッとこんな調子なのである。零点何ミリかの眼の差が何程かあらんやであり、書いている筆者でさえウンザリするし、かかる大胆な結論を出すほどの勇気がない。
 ただ大きい眼は開放的、小さい眼は視野狭いといったが、たしかに海辺に住む人は大きい眼で露眼が多く、山に住む人は小さい眼で金壷眼が多い。これは海を長く見つめていると視野広くなり、奥山に住んでいるとどうしても閉鎖的になるという環境から、自然に叶う法則であろう。
尚、眼の大小は気候とも関係あって北陸や東北では眼の大きい人は少なく、九州、瀬戸内海沿いでは大体眼の大きい人が多いようである。この事は民俗学者リミー氏も目の幅(眼裂幅)はフィジー諸島などのカルムーク人は大きく(34、8)北ヨーロッパ人は小さい(27、5)というのも頷けるのだ。