劇作家広島友好・シアターボトム

劇作家広島友好です
「広島友好戯曲プラザ」で戯曲公開
読めます 検索してね
第3回西の風戯曲賞・2025より募集

土屋清さんの戯曲「河」

2017-12-28 16:28:54 | 日記

先週、新幹線で広島市に行き、「河」の公演を観てきました。

地域演劇の劇作家の大先輩、故土屋清さんの名作戯曲「河」の、30年ぶりの広島での公演です。

なので、わたしは観劇は初めて。(けど、一度戯曲は読んだことがあるようで、冒頭の肖像画を描くシーンは、手書きの印刷した台本を読んだ記憶が…)

土屋清さんは、わたしの所属する西日本劇作の会を立ち上げられた方です。わたしは一度もお会いしたことがないのですが、「河」の戯曲のことと、その人となりを、お噂では耳にしていました。

横川シネマの会場は、補助イスを客席の倍も出したかに思えるほどの大盛況。客席に、熱気と集中力がありました。

劇作家という者は、どうしても、名作戯曲と呼ばれる作品の秘密を探ろうと分析的に観てしまいます。

主人公峠三吉を核に据えて、1950年前後の、広島の青春群像を描いています。

まだ原爆についてのあれこれが、占領軍のプレスコードに引っかかる時代の、息苦しさと、それでもあふれてやまない、生と文学への思い。政治的情勢に左右されながらの、芸術と市民活動の相克。

峠三吉の苦悩を描きつつ、政治的プロパガンダ劇にならないようにウエルメイドに作劇してある気がしました。

不思議なのは、芝居の筋を越えて、作者土屋清と、また峠三吉と、書くこととは、今の時代に表現することとはを、会話している気がしてきたことです。

「おい、広島君、君は創作っちゅうもんを、どう思うちょるんじゃね?」

「僕にとっては、書くことは……」 といった具合に。

舞台成果としては、稽古不足、役者の力量のばらつき、配役の年齢の高さ(30代のはずの峠三吉がわたしより年上に見えた)、演出の古さ等、課題はいっぱいのような気がしました。

「それでも」、と応援したい気が、おこがましいけれど、するのです。

時代を超えて戯曲は創作は、劇作家は、生き延びていけるのか?

土屋清さんと峠三吉を思いながら、宇部に帰ってきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「泣かないでよ、笹月さん」と新人戯曲賞公開審査

2017-12-26 15:06:05 | 日記

もう先々週のことになります。

「リーディングフェスタ2017 戯曲に乾杯!」に参加してきました。

当日は朝から全体の稽古を覗いて、それが昼過ぎまであり、場当たりを兼ねての劇場での稽古と続き、あっという間の客入れでした。

わたしの戯曲「泣かないでよ、笹月さん」(ひとり芝居)は、主役の男を鍛治本大樹さん(演劇集団キャラメルボックス)、ト書きを菊池佳南さん(うさぎストライプ/青年団)に読んでいただきました。

鍛治本さんとは、稽古前にお話もでき、その誠実な人柄に惹かれました。

総合演出の丸尾聡さんの的確なアドバイスで、鍛治本さんのリーディングもグンッと良くなり、本番では、わたしの戯曲の良さを客席に充分に届けてくれました。

ブラッシュアップトークでは、 篠原久美子さん、佃 典彦さんから講評をいただきました。

自分では書きにくいのですが、篠原久美子さんからは、大変な褒められようでした。褒め上手。(人を褒めて伸ばすタイプ?)「この作者は非凡だ」という言葉をいただきました。

それを客席で聴いていた妻と義姉は、号泣。客席の床を涙で濡らし、あとで劇場スタッフに「誰だ、床を濡らしたやつは!」と怒られてました。(少しうそが混じってます)

出演者の皆様、スタッフ関係者の皆様、お聴きいただいた皆様、本当にありがとうございました。

次の日は、日本劇作家協会の新人戯曲賞の公開審査。

事前に戯曲集を購入し、急いで全候補作を読みました。

わたしの所属する西日本劇作の会の会員でもある、くるみざわしんさんの戯曲も候補作。読み応えもあり、ひょっとして、新人賞が取れるかも。

他の作品では、大学寮の最後の日々を描いたものがウエルメイドで面白く、くるみざわさんの作風とは対照的。どちらを選ぶかは、審査員の好みによるな、と感じつつ、審査会に行きました。

公開審査は、残酷ですね。取れれば天国、落ちれば……。

予想通り、上記2作と、もう1作、またまったく別の作風の作品が最終的に残り、投票の結果、大学の寮の話が受賞作となりました。

くるみざわさんの作品は、最も議論の時間が長かったように思いますが、1票差で受賞を逃しました。でも、その作品の持つ熱量は、受賞作を凌駕していたと思います。

両日ともに、打ち上げに出て、いろんな人と交流しました。きっとこれからの創作の糧(かて)になってくれるでしょう。おなかの方にも「糧」と言いますか「脂肪」がついて、充実した2日間でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「しあわせの方舟」と「戯曲に乾杯!」

2017-12-14 18:45:53 | 日記

劇団Zing♪Zingさんの「しあわせの方舟」、公演無事終わりました。

ご覧いただきました皆様、応援いただきました皆様、ありがとうございました。

関係者の皆様、お疲れさまでした。

公演、好評で、原作脚本のわたしもホッとしています。うれしい。

子どもたちのパワーと真摯さで、いい舞台となりました。

あすから上京します。

土曜日の、リーディングフェスタ2017「戯曲に乾杯!」を聴きにいって、登壇もします。

きょうは準備で慌ただしくしました。

風邪を引かぬように。

お時間のある方は、座・高円寺でお会いしましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まもなくです。「しあわせの方舟」

2017-12-05 18:31:00 | 日記

グッと寒くなりましたねぇ。風邪引かないように。

先日、高校時代の恩師のお葬式に出席。さみしくなります。

臨済宗のお経というのを初めて聞きました。おもむきがあります。最後の「喝っ!」にはびっくりした。

ご冥福をお祈りします。

今度の日曜日に、劇団Zing♪Zingさんの公演があります。わたしの原作です。

「しあわせの方舟」

このブログにチラシあり。興味のある方はぜひ。無料ですが、整理券がいるようです。担当までご連絡を。

日曜日に、その劇団Zing♪Zingさんの稽古を覗いてきました。50名ほどの子どもたちのパワーで、稽古場もホットに。

いろいろ「気づき」を言わせてもらいました。

けど、あとは自分信じて、仲間を信じて、スタッフを信じて、ガンバってほしいですなぁ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする