2021年 中国
◆おススメ度
★★★☆☆
◆キャスト
沈跳跳(ヒロイン、沈夢君に成りすまして林家に嫁ぐ):チュ・リーラン
林青蘭(林家の次期当主、20歳くらいだけど知能は10歳ほど):ホァン・ティエンチー
趙沢瑞(林家の使用人):コン・キーリー
李巧児(林青蘭の侍女):リン・チーイー
◆感想・概要
中国ドラマでは異例の全12話完結作品。
「恋の特効薬」のように、ストーリーが途中で終わっててシーズン2へ続く、みたいなこともありません。
なので、サクサクーっと気軽に見られる作品です。
ほんとにざっくりな概要。
子供の頃、博打と酒好きで見た目落ちぶれた感じなのに実は名医だったていう養父に拾われたヒロイン、沈跳跳は、
10年後なかなかの美人さんに育ちます。
そんな沈跳跳がひょんなことから10歳の知能しか持たない林青蘭と偽装結婚させられ、そこで思わぬ陰謀に巻き込まれ
ながらもラブロマンスも繰り広げていくっていうお話。
10歳の知能しか持たないけど、体は大人って言う林青蘭、実は悪いやつらにダマされてそういう薬を飲まされたせいで
知能が10歳くらいになってしまったっていう、逆名探偵コナン設定というか、「恋恋江湖~運命の愛の見つけ方~」の
ちょっとしたパクリ設定な感じも否めませんが、内容的にはもうちょいライト。
主人公の林青蘭は、「なんてイケメン!!」みたいな設定ではありますが、正直微妙なところ。
なんかみたことあるようなないような顔なんだけど誰だっけ・・・って探してたら、なんと!「永遠の桃花」に出てくる
チャン・ビンビン演じる離鏡の付き人的な子役だった火麒麟くん!!!
ちょっとびっくり。
ってことであらすじ追いながらの感想の紹介いきます。
◇◇
このドラマ、ちょっと斬新なのがヒロインの登場の仕方。
なんと、傷ついた娘が木に引っかかっているっていう・・・。こんなの見たことない。
最初の登場人物が太った小汚いオッサンだし、なんか木にひっかかってる子がいるし、妖怪の話?とか思って出だしで
すでに挫折しそうに・・・。
で、このオッサン(沈千秋)は博打好きの酔っぱらいなんですが、実は天才的名医だったらしく、けがをした娘を放って
はおけず、連れ帰って治療し、沈跳跳という名前をつけてそのまま育てることになります。
10年後、健康的で見た目の良い娘に成長した沈跳跳は、街で薬を売っているときに輩的な金持ちの役人の息子に絡まれ
ている娘を助け、ちょーっと助け具合がエスカレートして追いかけられ逃げているうちに屋根の上でバトルに。
そんな中、屋根の下には謎の貴公子とそれを分かりやすく狙ってるっていう矢。
重量感ある相手に飛び掛かられた・・・ってところで屋根をぶち破って落下。
二人の落下の音に驚き狙いを外す刺客。
そして、お約束のヒロインを抱き留めてくるくる回ってときめきキュン。
けれどもそこから特にロマンスが始まるでもなく、次の場面ではすでに役所的なところに引き渡されたのか、沈跳跳は
牢屋の中。
ただ、その前に沈跳跳がつけている首飾りを目ざとく見つけていた趙沢瑞。(謎の貴公子林青蘭の付き人として付いて
きてた人。)
沈跳跳が捕まった牢に彼女を訪ねてやってきます。
沈跳跳がつけていた首飾りは、実は林家というその辺一帯の地主で名家の息子、林青蘭との婚約の証だったっていう。
首飾りをどこで手に入れたかと問われ、師匠が賭場で手に入れたんじゃない?的な感じでちょっとテキトーに答えます
が、視聴者はここでだいたい「あー、あの木に引っかかってたワケありの子が実は・・・」って、うすうす感づいちゃい
ます。
けど、当然趙沢瑞はそんな思いには至らず、元々誰のものかっていうより今お前のモノだっていうのが重要だといって、
沈跳跳に行方が分からなかった林青蘭の許婚、沈夢君に1年間だけなりすまして林青蘭と結婚しないかと持ち掛けます。
そうすれば1000両やるぞと。
(その首飾りを買い取って、もっと自分の息のかかった娘を許婚として仕立て上げた方がいいんじゃないかって思うん
ですが、まー、それだと話が進まないんですね・・・。)
師匠の沈千秋の借金のこともあって、沈跳跳は林青蘭と結婚することに。
(結婚の前に、一応林家を仕切ってる林青蘭の祖母に挨拶するんですが、そのおばあさんに沈夢君の母親の若い頃に
よく似ていると言われたりして、やっぱり・・・ってうすうすがだんだんと確信に変わっていきます。)
で、おばあさんへの挨拶も終わって、ようやく林青蘭登場。
林青蘭が、屋根から落っこちた時に受け止めてくれたイケメン貴公子だったことに感動する沈跳跳。
ですが、すぐにやっぱり林青蘭がマヌケなおバカだってことが分かってがっかりしながらも、お金のために1年間我慢
しようと結婚生活が始まります。
結婚式が進む中、なんだかワケアリ顔なお二人。
一人はもちろんこの人、趙沢瑞。沈跳跳を林青蘭の元へ送り込んだ張本人です。
そしてもう一人は、林青蘭の侍女、李巧児。
そんな二人の様子なんて知るところのない、無邪気な笑顔の林青蘭。
で、やっぱりかって感じで、式が終わって寝所で待つ沈跳跳のところにやってくる李巧児。
なぜか沈跳跳が趙沢瑞に雇われた詐欺師だと知っているうえに、自分は林青蘭と長い付き合いで屋敷の中でも地位が
上だと言わんばかりにマウント取ってきて沈跳跳を牽制してきます。
けど、沈跳跳が沈夢君ではないと暴露しようとしないところを見ると、趙沢瑞と繋がっているのかあるいは弱みを
握られているのか・・・ってとこです。
けれども、林青蘭とともにやってきた林青蘭の祖母にお前は今いらないんだと厳しく叱られてしまいます。ここで、
李巧児が林青蘭に恋慕の情を持っていて、さらにそれを祖母に知られているってなんとなく分かります。
そして、とうとう床入りか・・・10歳児の頭の林青蘭とどうなる・・・?
と思ってると、契りの盃に睡眠薬っぽいものを入れちゃう沈跳跳。師匠が作った薬なんだとか。
で、何も知らずにそれを飲んだ林青蘭はあっという間に眠っちゃうんですが、しばらくして起きた林青蘭は一時的に
正気に戻っていて・・・。
林青蘭の頭の病気は、実は林家の勢力と覇権を狙う勢力方なんかが複雑に絡み合った人々に陥れられ毒を盛られたのが
原因てことが判明していきます。
そこから、ちょっと破天荒で正義感の強い沈跳跳と、沈跳跳の薬によってときどき正気に戻ったりまた10歳児になったり
っていう林青蘭との波瀾万丈の結婚生活が始まります。
まー、なんと言ってもラブコメですから、林青蘭が刺客に狙われたり、そうかと思いきや沈跳跳までも命を狙われて
いたり、危ないところを二人で乗り越え、過去の陰謀を暴くため林青蘭が正気に戻りつつある秘密を二人で共有しつつ
力を合わせたりしていくうちにやっぱり恋が芽生えちゃったりして、っていうお約束の展開。
林青蘭を狙うのが趙沢瑞だけじゃなかったり、子供の沈夢君と母親を狙っていた勢力も出てきたりして状況が色々複雑
になりつつも、意外にちゃんと12話で終わります。
まー、最後は趙沢瑞の愛人だった女とさらなる影の黒幕の存在がチラつかされて、続編もアリな感じでは終わるんですが。
◇◇
とりあえず、色々ツッコミどころの多いドラマではありました。
林青蘭役のホァン・ティエンチー、冒頭でも言いましたが、イケメン・・・???て感じ。ただまー、若いので肌さえ
キレイなら可愛いでなんとかなる。
こっから先は演技力的なもので生き抜いていくんでしょう。アホな子のターンでの笑顔の表情が絶妙な感じです。
このドラマ、ちょいちょい設定の甘いところがあって、ちょーっとずつ気になります。
まず物語の一番の核心となっている林青蘭がマヌケだって言われている部分。
これが幼児退行して10歳くらいの童心に戻ったのか、9年の記憶喪失になっただけなのか、脳が破壊されて10歳頃の知能
になったのかって言うのが設定として良く分からない。
1年前に林青蘭が(薬を盛られて)倒れ、そこから奇跡の復活を遂げた際に祖母が林青蘭に今何歳か聞いたのに対し、10歳
って答えてたり、林青蘭は幼い頃から文武に秀で、10歳頃はもうちょい大人な印象があるのになんかものすごく邪気の
ない顔で笑う素直な子だったりと、この辺の設定がどうもしっくりこない。
沈跳跳が林青蘭と結婚するきっかけとなった物語のキーにもなっている翡翠の首飾り。
コレ、最終的にはやっぱり沈夢君の母親が沈夢君に託したものだったんですが、なんと!中に黒幕を示すメモが!!
って・・・どうみてもプラ〇〇ック素材・・・。
最後、色々罪が暴かれてもう後がないっていう趙沢瑞が、ちょっとだけ油断した林青蘭に切りかかったところをかばって
死んでいく李巧児なんですが、彼女を抱きかかえて涙を流す林青蘭に全然納得がいかない。
だって、なんならこの女が色んな元凶だったりするワケで・・・。
こういうところがちょっとハッピーエンドといいつつも中国ドラマの若干もやもやして終わるところだなーと。
(ちなみに、李巧児役のリン・チーイー(林芷伊)って女優さん、なんかみたことあるような顔なんだけど思い出せない。
ネットで検索しても、EXILEのAKIRAと結婚したリン・チーリンしか出てこない・・・。)
それからちょっと気になったのは、最後までキスシーンがなかった気がする。
チュ・リーランかホァン・ティエンチーどっちかがまだキスNGなのか・・・。
ホァン・ティエンチー、2004/2/17生まれらしいので、このドラマ撮影時は16か17歳くらい?うーん、確かに「鳳囚凰」
の時のソン・ウェイロンよりもさらに若いな・・・。
そんな感じです。