インターネットの世界で“新型ウイルス”が猛威を振るっている。ウイルスの名は「ガンブラー」。昨年末からJR東日本やホンダ、ローソンなど8サイトがこのウイルスによって改ざんされている。閲覧した人を通じて国内だけで3500サイトがガンブラーに感染しているという。
ガンブラーとはどんなウイルスなのか。ウイルス対策大手「マイクロトレンド」に聞いた。
「改ざんとはいっても、ウイルスが文字や写真を書き換えるわけではありません。企業や団体のシステム管理者が問題のサイトを閲覧した場合、知らないうちに悪意のある第三者のサーバーにアクセスし、自社サーバーのIDやパスワードを読み取られてしまうのです」(広報担当者)
要するにシステム管理者を通じて会社のサーバーの情報が丸裸にされてしまうのだ。第一のカモはシステム管理者というわけだが、それ以外の人も安心はできない。実際、ガンブラーに感染したパソコンが自動的に有害サイトに接続され、パスワードやファイルなどの個人情報が盗まれる被害も出ている。
「このほかガンブラーに“フェイクAV”というウイルスが埋め込まれている危険性もある。これに感染したら、“あなたのPCはウイルスに感染している。除去するにはソフトが必要”とウソの表示が出る。実際にだまされた人は5000円前後のお金を出してニセのソフトを買ったうえに、銀行の口座番号などを盗み取られ、勝手にお金を引き出されるという被害を受けています」(ITジャーナリスト)
こうした危険を回避するにはどうすればいいのか。
「ウイルスはPCの脆弱性を突いて侵入するので、フラッシュプレーヤーやOSは対策を施している最新版を入手する。そのためにはなるべくアップデートすることが必要です」(前出の広報担当者)
情報処理推進機構の最新調査によると、PCの個人ユーザーのうち79.3%がウイルス対策ソフトを使っているが、初心者は56.9%と約半分しか使っていない。初心者ほど対策ソフトが必要なのだが……。
(日刊ゲンダイ2010年1月8日掲載)
(niftyニュース、http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-05020907/1.htm)