1992年4月に地区センターで開講されたつづり方クラブ「くさむら」(月1・全10回)に参加しました。
第1回 4/27 <書くことの準備>
自分のペンネームを考えましょう。そうすると、さあ、何か書こうって気になります。
ということで考えた私のペンネームが志摩ゆみだったのです。すてきでしょ?
それで次回までに原稿用紙2枚書いてくること。もうこの宿題は大変でした。だって、とにかく作文なんて大嫌い。他の宿題なら友達のを写すとか何とかできるのですが、これだけはそういうわけにもいきません。
私は英語も嫌い、国語も嫌い、どちらかというと数字や記号を並べ替えている方が好きだったので理系に進んだだけ。でも、アメリカに住んでちょっぴり英語嫌いは薄れていったので、この講座が次の挑戦ってわけだったのです。
ここで、始めのころの作品を披露しちゃいます。
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「花水木」
志摩ゆみ
十年以上も前 、主人の仕事の関係で、アメリカのペンシルベニアの田舎の都市に住んだことがあります。着いて間もない四月の下旬、新緑の木々も目にまばゆく、新しい土地に移ったという興奮も手伝って、目に入るものすべてを美しく見せているようです。広い道路、芝生の庭、ガレージ付きの大きな家。ハリウッド映画の世界です。その中に、白やうすい紅をぼかした大輪の花を付けた木があります。この時期、日本では桜や桃が咲きますが、今まで見たことがないような木です。友達に尋ねると、ドックウッド(犬の木)という、何とも情緒のない名前です。後に、花水木というすてきな日本名が付いていることを知りました。また、花水木は、明治四十五年、時の東京市長尾崎行雄がワシントン市に寄贈した桜の苗の返礼として、贈られた木であることも知りました。
花の季節に、この木には、すてきな日本名が付いていることを、よく、アメリカの友人に教えたものです。
三度目の春を終え、日本に帰国してからは、今まで気にとめなかった花水木が気になってしょうがありません。花の美しさも(実は花に見えるところは、苞ですが)さるこたながら、花水木は私にとって、アメリカそのものです。いろいろな風景が脳裏をかすめます。たんぽぽが芝生の中に咲き乱れている庭。広々とした大学のキャンパス。日曜ごとに通った教会。子供たちの小学校。車で一時間で行けるアパラシア山脈の山々。そのさわやかな空気までも思い出せます。なつかしさが込み上げてきて、胸がキュンとなりそうです。
今、我家の庭には、芝生や花水木を植える余裕はありませんが、いつの日にか、アメリカのような広い庭とはいかなくても、花水木だけでも植えた庭をほしいと思います。
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その後引越しして今の住まいはマンションですが、玄関の前の広場にはしっかり花水木が植わっていたのです。
第1回 4/27 <書くことの準備>
自分のペンネームを考えましょう。そうすると、さあ、何か書こうって気になります。
ということで考えた私のペンネームが志摩ゆみだったのです。すてきでしょ?
それで次回までに原稿用紙2枚書いてくること。もうこの宿題は大変でした。だって、とにかく作文なんて大嫌い。他の宿題なら友達のを写すとか何とかできるのですが、これだけはそういうわけにもいきません。
私は英語も嫌い、国語も嫌い、どちらかというと数字や記号を並べ替えている方が好きだったので理系に進んだだけ。でも、アメリカに住んでちょっぴり英語嫌いは薄れていったので、この講座が次の挑戦ってわけだったのです。
ここで、始めのころの作品を披露しちゃいます。
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「花水木」
志摩ゆみ
十年以上も前 、主人の仕事の関係で、アメリカのペンシルベニアの田舎の都市に住んだことがあります。着いて間もない四月の下旬、新緑の木々も目にまばゆく、新しい土地に移ったという興奮も手伝って、目に入るものすべてを美しく見せているようです。広い道路、芝生の庭、ガレージ付きの大きな家。ハリウッド映画の世界です。その中に、白やうすい紅をぼかした大輪の花を付けた木があります。この時期、日本では桜や桃が咲きますが、今まで見たことがないような木です。友達に尋ねると、ドックウッド(犬の木)という、何とも情緒のない名前です。後に、花水木というすてきな日本名が付いていることを知りました。また、花水木は、明治四十五年、時の東京市長尾崎行雄がワシントン市に寄贈した桜の苗の返礼として、贈られた木であることも知りました。
花の季節に、この木には、すてきな日本名が付いていることを、よく、アメリカの友人に教えたものです。
三度目の春を終え、日本に帰国してからは、今まで気にとめなかった花水木が気になってしょうがありません。花の美しさも(実は花に見えるところは、苞ですが)さるこたながら、花水木は私にとって、アメリカそのものです。いろいろな風景が脳裏をかすめます。たんぽぽが芝生の中に咲き乱れている庭。広々とした大学のキャンパス。日曜ごとに通った教会。子供たちの小学校。車で一時間で行けるアパラシア山脈の山々。そのさわやかな空気までも思い出せます。なつかしさが込み上げてきて、胸がキュンとなりそうです。
今、我家の庭には、芝生や花水木を植える余裕はありませんが、いつの日にか、アメリカのような広い庭とはいかなくても、花水木だけでも植えた庭をほしいと思います。
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その後引越しして今の住まいはマンションですが、玄関の前の広場にはしっかり花水木が植わっていたのです。
あら、ニューヨークにいらしたの?お隣にいらしたのね。でも、郊外ってどっちの方面ですか?
お褒めのお言葉、どうもありがとうございます。
まだまだ作文は苦手です。こんな短い文ですら、何度も消しては書いているのです。
ここまで書けるようになったのも、つづり方クラブの講師をしてくださった先生のお蔭なのです。本当に感謝しています。
その先生は、スポーツは見ているだけでは決して上手にならないけど、つづり方は本を読むだけで上手になりますと、よくおっしゃっていました。
さあ、次は何を読もうかしら?