志摩 ゆみのつづり方

以前は国際交流のボランティア一筋だったのですが、最近はスクエアダンスなるものにお熱を上げているmixのblogです。

『貝われ大根』

2006-04-27 20:02:51 | つづり方
10年以上も前に書いたものです。Oー157なんて伝染病ありましたね。でも、今の牛肉問題からしたら、可愛いような気さえします。

   『貝われ大根』
 
 Oー157という伝染病が流行してから、貝われ大根がその感染源として問題になった。
 貝われ大根が八百屋さんに並びだしてからまだ十五年位のことだと思う。アメリカにいたとき、近所に引っ越して来られた日本の奥様に貝われ大根のことを始めて伺った。
「小鉢に盛られた貝われ大根におかかを載せて、お醤油を少し。ちょっと辛くて、とてもおいしい箸休めなのよ」
 その後、彼女に頂戴したのか、私の母が送ってくれたのか、定かではないが貝われの種が手に入った。それを小皿に置いた脱脂綿に水を含ませて蒔く。二・三日もすれば、かわいい双葉が出てきて、台所に花、いや、芽を添えてくれる。毎日毎日いつ食べようかと眺める。そうしてできた貝われ大根を一本、一本、松茸を食べる時のように食べた記憶がある。他の日本の家族にもおすそ分けした。ほんの数本ずつ。日本では、信じられないことである。
 アメリカではアルファルファという、もやしの赤ちゃんのようなのがあった。普通は、サラダにして食べるが、日本式におかかを掛けて食べていた。辛味のない、小さな貝われと思えばよい。最近では日本でも見かけるようになった。口に入れるとアメリカのアパートの匂いがするようで懐かしい。
 もう一つ、貝われ大根には思い出がある。アメリカの小学校に通っていた息子が、サイエンス・フェアーに何か研究発表をしたいと言う。そこで、思いついたのが貝われ大根の生長の過程の研究。実際には、茶色いダイヤのように貴重な貝われの種は使えないので、スーパーで手にはいるラディッシュの種で実験。二十個のシャーレに、発表日に合わせるようにして種を蒔いた。毎日二個のシャーレに種を蒔き、一つは日向に置き、一つは箱の中に入れた。
 発表日、グラフと本物のヒョロッと伸びたラディッシュを並べた。親の協力が功を奏し、一等賞をを取ることができた。

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2 コメント

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子供の宿題 (yoyo)
2006-04-27 22:58:20
私も福岡時代 子供の夏休みの宿題で 貝割れ大根で いろいろな洗剤の 濃度別に分けた 成長記録の実験をしました。真水と 石鹸が 育ったような記憶が・・ 親のほうが真剣になっていたような気がします。
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そう、親の宿題ね (mix)
2006-04-28 06:38:03
子供の宿題というより親の宿題かもね。親の方が楽しんだり、真剣になってましたね。
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