
先日は、オンラインで、私が取り組んでいる親子自然体験活動の様子について全国の森林インストラクターに向けて講演した。
その後すぐに東京で全国のインストラクターと話し合う機会が持てた。
これらを通して、私は確かな感触を得た。
それは、自分の取り組む活動の方向性は決して間違っていないということだ。
同時に、思うように広がらなくても、やり方次第で変わる可能性があるということだ。
例えば、全国各地でも首都圏を中心に「子ども樹木博士プロジェクト」を推進して一定の成果を得ていること、また千葉県では、親子を対象にした樹木に親しむ活動を積極的に進めていることその中で子どもの育ちが見られていることなどがわかった。
確かに首都圏の子どもの数は多い。活動に参加する子どもが多くなるのも当然かもしれない。
ただ、首都圏と違って、秋田の場合は、多様ともいえる自然に恵まれている否囲まれている。
ではその自然の中にどれだけの子どもが親しんでいるだろうか。
中には、積極的に山に登ったり釣りに出かけたりする子どももいるだろう。
あるいは、夏休みともなればキャンプをしたりハイキングをしたりという子も何人かはいるはずだ。では、その割合は?
先日、森林インストラクター会の帰りに国立科学博物館に寄ってみた。
日曜日だったからだということもあるだろうが人の多さに驚いた。
それも親子連れが目だって多かったことだ。
さほど大きくないスペースで、日本の四季について解説している映画をやっていた。
そのスペースにたった1つのソファだが、私の隣に母親とおそらく小学校低学年の男の子が座った。
スクリーンには、次々と映し出される日本の自然の映像。
その度に、母親は子どもに寄り添いながら解説をし続けた。
「四季がはっきりしているのは、地球の地軸というものが傾いているからなのね。」
その言葉に男の子は反応する。
夏鳥が出てくると南の国からなぜ日本にやってくるのかポイントを教えていた。
15分ほどで映画は終わった。
思わず母親の解説に感心した私は、親子に向かって話しかけた。
「ボク、ママの解説でどんどんわかってくることがたくさんあるね。」と。
その言葉ににこりとした母親が言う。
「とても(私の声が)うるさかったでしょう?」と控え目に母親は応えた。
二人の会話を聴いて思った。
「都会では、科学博物館のようなすばらしい施設があり、そこで学べる。しかも少なくない親子は、夏休みは信州などに自然体験に行っているだろう。」
転じて、秋田の子どもはどうか?
国立科学博物館ほどの規模ではないが、県立博物館がある。
ただそこに行くにしろ、私の住んでいるところからは自家用車で2時間近く走らせないと行けない。
とはいえ、里山という学びのフィールドはまわりにたくさんある。
それは、都会の人たちにとって憧れの場所ではないのか?
もし、その里山により多くの方が価値を見出し、毎日とまではいかなくても休日に遊びに行くならどれだけ子どもたちの育ちにつながることか。
先日は、横手かまくらFM放送を通して地域の皆さんに伝えたいことを話してくださいというインタビューがあり、こんな話をした。
「三度の食事と同じように自然体験は、子どもの育ちにとって大切なものです。」
おせっかいな話かなとも思ったが、これほどの恵まれた環境にいながら、もし、その良さに気づくことなく過ごすのは、あまりにもったいないと思ったからだ。
そして、もし、首都圏のまわりには里山はないが、科学博物館などで学んでいる子どもたちが、秋田の里山を訪れたらどんなことを感じるだろうかと思ったのである。
できれば、「釣りキチ三平の里自然体験塾」に首都圏の子どもも一緒に参加できたらどんなにか面白いだろうなと思う。
秋田の子どもにとっても大きな刺激を得られるのではないかと思うのだ。
場合によっては、首都圏の子どもたちに秋田の自然の魅力を再発見させてもらえるのではないか。
そんなことを考えるならば双方にとって大きな収穫を得られるのではないかと考えるのだ。
どなたか一緒にこんな企画をやってみませんか?、
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます