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ヒロちゃんの独り言

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山には熊がいてリスがいる

2025-05-21 16:33:22 | 日記

山という山、森という森に通っていてしばしば聞かれることがある
「山に熊がいませんか?」
がそれだ。
この問いに関しての答えも決まっている。
「いますよ。」
である。
たいていはこの返答に驚かれることになるが、それ以上はほとんど突っ込まれることはない。
突っ込まれるようなことがあれば
「山に熊がいませんかということは里に人間がいませんか。」
と聞かれていることのようなものですと答えたらたいていは怪訝な顔をされる。
そして、心の中では思っているかもしれない。
「それなのにどうして山や森に行くんだ。」
と。
昔は、山に行くといえばそんな事は聞かれることはなかった。
近年のことだ。
それだけ、山や森が変わってきたということだろう。
ここ数年、冬場限定でニホンリスを観察し続けている。
冬場限定とはいえ、トータルにして200日は超えた。
とはいえ、わからないことだらけだ。
彼らとコミュニケーションでも取れたらと思うのだが、そうもいかない。
時に、身体の毛づくろいをしている様子を見るとダニが発生し始めたのかなと考えたり枝葉を運んでいる様子を見たりすると子育ての準備に入ったのかなと考えたりもする。
ただし、それはあくまでも仮説にすぎない。
ニホンリスを観察していると他の動物が出てくることもあった。
キツネがとことこ歩いていったり二ホンアナグマが脇を通っていたこともある。
野鳥の姿や鳴き声もにぎやかだ。
つくづく山には多様な動物たちがいるのだと感じる。
ツキノワグマに関しては、近年の被害を見るにつけ、当然山や森にいることを前提にしながらもばったりと出会い頭には合わないよう準備する。
それには、まずこちらからのサインだ。
心の中で「今から山に入るぞ~。」と叫ぶ(実際叫びもする)。
宮沢賢治の作品に「狼森と笊森、盗森」というものがある。
この中に次のような一節がある。

そこで四人よつたりの男たちは、てんでにすきな方へ向いて、声を揃そろへて叫びました
「こゝへ畑起してもいゝかあ。」
「いゝぞお。」森が一斉にこたへました。
 みんなは又叫びました。
「こゝに家建てゝもいゝかあ。」
「ようし。」森は一ぺんにこたへました。
 みんなはまた声をそろへてたづねました。
「こゝで火たいてもいいかあ。」
「いゝぞお。」森は一ぺんにこたへました。
 みんなはまた叫びました。
「すこし木きい貰もらつてもいゝかあ。」
「ようし。」森は一斉にこたへました。
             宮沢賢治~狼森と笊森、盗人森 ちくま文庫より~

賢治の言葉を借りるまでもなく、彼らの棲むエリアに入らせてもらうという謙虚な気持ちは常に忘れたくない。
それでもこれまで磨いてきたまだ乏しいながらも五感を駆使しながら歩いていく。
こんな私でもにおいや音から何かしらの存在を感じることもある。
そんな時こそ慎重に行動する。
もちろん、いざという時のための準備も怠らない。
ただ、熊とは違う危険な生き物の存在も忘れてはならないと思うのだ。
例えば、スズメバチ。
こちらは、刺されたことによって毎年日本国内で二桁の死者数がいる。
ツキノワグマの比ではない。
マムシだってそうだ。
毎年、噛まれて措置が遅れ亡くなられる方もいる。
ツキノワグマは、山の中複数でにぎやかに歩けばまず出会うことはないが、マムシは違う。
つい先日の親子の観察会でも登山道でマムシがとぐろをまいていた。
幸い、こちらの存在に気づき、逃げていったが、この場合も自分が常に先頭を切って歩くことや見た場合にマムシが立ち去ることを見届けたりそばに近寄せないようにしたりしている。
常に五感のスイッチを入れるようにはしているつもりだ。
ただ、同時に彼らの山や森での役割というものもしっかり知っておく必要がある。
例えば、ツキノワグマは森の中では王者的な存在だが、それは決して肉食動物ということでなくむしろ植物を中心とした雑食性の動物である。
そして大事なことは、ツキノワグマは日本最大の種子散布者であることだ。
つまり山菜や樹木の若葉や果実などを好んで食べる。
ミズキやサルナシでも桜でもイチョウでもなんでも食べる。
ヒトが食べ物を取り入れて糞として出るのに24~48時間なのに対してツキノワグマのそれは15~20時間だという。
おまけに1回で出す種子は5000粒以上、重さにして31~100キロだという。
山歩きされている方には、その糞の量の多さに実感されている方も多いのではないだろうか。
つまりは、彼らの存在によって山や森が維持されているともいえる。
今のツキノワグマの一番の問題は、「アーバンベア」と新語が作られるくらい人が多く住んでいる街に現れていることだろう。
逆の視点でいえば、本来は街にはいない存在で里山から奥山にかけて棲んでいるはずのツキノワグマが、なぜ街や里に下りているのか、ということは、もともとは棲んでいたはずの里山から奥山にかけて何かしら異変が起きているのではないかということだ。
同様にツキノワグマに比べて人間にとっては存在感が薄いかもしれない他の動物たちにも異変が起きているかもしれない。
このことは、ニホンリスの観察を続けていても感じることがある(このことはまた別の機会に)。
つまりは、ツキノワグマが街に現れている問題は、ツキノワグマだけの問題に帰結せず、常に彼らの棲む山や森からのメッセージでもあるととらえていかなければならない問題だと考える。
これ以上のお互い不幸な被害につながらないためにも・・・・

※写真は、先日の体験塾で確認したマムシ


親子いきいき「こどもの日」イベント

2025-05-09 05:20:44 | 日記

今年も青少年育成横手市民会議の助成により「こどもの日 親子で野遊びイン真人山」を開催することができた。
3年目となった今年は、14組43名の親子が参加してくれた。
主に横手市内や湯沢市雄勝郡の親子の参加が多いが、中には東京から実家に里帰りしていた親子が実家の母と共に参加してくれた方しかも昨年から続けて参加してくれたといううれしい場面にも立ち会うことができた。
里帰りしたなら実家でゆっくりしたりふるさとの行楽地に行ったりすることが多いのだろうが、このイベントを選んでくれたことにうれしさと同時に意義深さを感じてしまう。
振り返れば、3年前、当時の青少年育成横手市民会議の会長さん宅にお邪魔した。
地域の子どもたちをもっと自然に触れさせたい、それによって地域の良さを感じたり子どもたちの成長につながるはずだと意気込んでご自宅にお邪魔した。
実は、この時点で、私自身の願っているコンセプトは3つあった。
「こどもの日に」
「お金をかけずに(無料で)」
「ふるさとの野山で(親子で)遊ぶ」
がそれである。
しかし、意気込んだまでは良いもののやはり1年目は不安がつきものである。
地元メディアやお世話になっているこども園を通して周知したものの今一つ反応が鈍かった。
まわりからはいろいろ言われたりした。
「だいたいこどもの日は遠くに出かけるものだ。それをあえて真人山で遊ぶなんて・・・・」
「いつも行っている場所だもの、たまには遠くに行きたいと思うものだよ。」
など。
笑えない話だが、「泣いた赤鬼」の話を思い出した。
「おいしいお菓子があります、お茶もあります。あとは青鬼が出てくれないか・・・・」ただ、ふと立ち止まり考えた。
中には、こどもの日とはいえ、遠くまで出かけられない、あるいは事情によってそれほどお金をかけられない親御さんだっているはずだと。
では、どうしたら皆さんが来てくれるか?
そこで考えたのは、おやつを準備できないか、自然の中でのターザンロープを活用できないかなどがそれだ。
おやつは1年目は既成の、ターザンロープは地元の森林管理をされている団体にフジづるの準備をお願いした。
あとはとことん周知活動をくりかえした。
こうして1年目はなんとか20名を超える親子が参加してくれた。
2年目は、おやつは手作りの「リスクッキー」を仲間に準備してもらい、さらに地元の中学校にある着ぐるみを準備した。
こうして30名を超える親子が参加してくれた。
先日の3年目は、少しずつ知られるようになったのか地元のNHKテレビや新聞社も取材しに来てくれた。
増田ネイチャークラブのスタッフに加えて、これまで観察会という観察会に8年間参加してくれた高校生が準スタッフとしてサポートしてくれた。
ターザンロープを使ってのターザンごっこの見本になってくれたりカナヘビやヘビを見つけては子どもたちの前に提示してくれたりした。
まとっぱという着ぐるみをかぶっているスタッフも2年目となり子どもたちへの対応が子ども目線になり良い雰囲気を醸し出していた。
ターザン遊びをしてからはハイキングだ。
三吉神社を目指して、新緑の登山道をゆっくり歩く。
途中、まだ若葉が出たばかりのサンショウやイワガラミそれにオオバクロモジといった枝葉の醸し出す香りを嗅ぐ。
まだ花が出たばかりのウリハダカエデの名前のいわれについて触れたりエゾユズリハの名前の由来となるその姿についても見てもらった。
南の国から渡ってきたばかりの夏鳥であるオオルリやキビタキのさえずりが聞こえてきた。
姿を見つけにくい時には、予め渡ししていた真人山リーフレットでその姿を確認してもらう。
途中休憩を取りながらゆっくり歩くこと1時間。
三吉神社に着いた。
この場所では、鳥海山や近くの山並みそれに増田町や十文字町の姿を見てもらう。
仲間が加工してくれたイタドリ笛も子どもたち全員に渡した。
試行錯誤しながら音を楽しんだ。
飲み物に加えて用意したリスクッキーも試食してもらった。
口々においしいと喜んでくれた。
全員で記念写真を撮り下山路を歩く。
閉会式の場所となった公園駐車場では、まとっぱとの記念写真撮影があいついだ。
準スタッフの高校生がシマヘビを見つけ、解散はしていたが、その場に居合わせた子どもたちに見せた。
子どもたちは、おそるおそるヘビに触れたりした。
桜の木の下では、アミガサタケを見つけた子どもがそれを持ってくる。
イベントを通して子どもたちの眼も肥えたようだ。
こうして、あっという間の3時間が過ぎた。
NHKテレビのインタビューでは、多くのことを語ったが、実際の放映では、
「五感を通して地域の自然に触れ、親子でいきいき活動することができた。」
でまとめられていたようだ。
さらに付け加えるならば次のことだ。
「五感を通して春を感じることができた。」と。
そして、この1月に亡くなられた青少年育成横手市民会議の会長さんの最後となった電話口での言葉を思った。
「お金は大丈夫だ、全部出すから。とても大事なイベントだから。だから、がんばれ!」
と。
会長さんの励ましを力に今年も盛会理に終えたことがとてもうれしかった。

※写真は、今回のイベントで参加者全員に渡された手作りクッキー