ドラマーhiro中川のブログ

セッションドラマーのhiro中川によるコラム、インフォメーション

アンサンブルってなに? その一

2021年02月18日 22時38分48秒 | レッスン
最近特に気になる言葉 

「アンサンブル」

よく耳にするけど具体的に説明するとなると難しいですよね それを自分なりに掘り下げてみたいと思います

特に他のプレイヤーと一緒に演奏するときに使われます 一緒に演奏すれば、テンポが合ってれば成立すると思っていませんか?

「そんなこと言ったってパターン通りに演奏しているしテンポもメトロノームに合わせて一定になっている それ以上どうするんだ?」

と思われる方も多いでしょう 一体何がいけないんですか?と

では問います 台本通りに演じている役者さんはいい役者さんですか? 良い役者さんとは自分の役柄になりきり、台本を自分の言葉のように演じれる人です

覚えたセリフをそのまま言って自分の言葉となりますか?特に舞台では予想もしないハプニングも起こりえます その場合でも台本通りに演じますか?

台本通りにしか演じれない役者はいわゆる「大根役者」って言いますよね 下手な役者を揶揄している言葉です

譜面を見ながら、または暗譜してその通りだけ演奏しているのは大根役者と同じなんです なぜかと言うと、そこには演奏している人同士の「会話」が無いからです

私たちの生活には予め決められた台本通りにすることって一日のうちそう多くはありません 電車に乗って通勤する、通学するのも毎日同じ時間であっても全く同じ人、同じ時間で動いているわけではありません その瞬間瞬間がほぼアドリブで成り立っています

会社や学校に行ってからもほぼアドリブで物事が進んでいきます なのに音楽を演奏している時だけアドリブが無いとすればそれは不自然です

ライブは予測不能なことがたくさん起こります 機材のトラブル、メンバーの行動、お客様のリアクションなどは実際起こってみないとわかりません

そんな時に自分が練習してきたことだけで成立するでしょうか? それは成立しません 

即座に対応できる臨機応変さは自分の中にある程度の余裕が必要です 演奏しながら共演者の演奏、ステージングを見てフィーリング、自分の出す音量の調整、パターンも即座に変えれる適応力が求められます 

じゃあどうしたらいいか?それを余裕ある状態になる為の技術の習得、そして何より「経験」が必要です

その経験は出来るだけ即興の場で磨くことが大事です いわゆる「セッション」ですね ブルースやジャズなどの仕込みが出来ない音楽でやるのが一番です

ジャズのビッグバンドは譜面もあり、ほぼ初見でしかも会話をする必要があるので難易度が高い音楽と言えます

でもそれだとハードルが高い、という人も多いと思います そういう方には仕込みが出来る特定の音楽やバンドのセッションも都内には多数あります

でも出来るだけ練習したパターン以外のことをしてください それが「会話」だと思うのです

例えばTOTOのジョージ―・ポージーをセッションですることになった時、必ずハイハットを片手16分にする必要はありません 原曲より速いテンポでスタートすることもあるでしょう

16分で叩かなくても8分でそのフィーリングが出せれば音楽として成立しているのです 極端に言えば4分音符だけでもフィーリングが出ていれば成立します(ここについてはその二で改めて説明します)

予想外のことが起きた時にホントの会話が出来るのだと思っています そしてそれこそが共演することの一番の楽しさだと思うのです

音源と合わせるだけじゃなく、是と共演して会話してください そのためのツールの一つがドラムセットなのですから・・





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