おおぎやなぎ ちかさんの新刊です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/e0/39229838e85666cdb09c4a41a2cb294c.jpg)
幼年対象の絵本です。
タイトルにあるように、保育園ではなく、はいくえん(俳句園)です。
小さな読者によせて、五七五の表現をもちいつつ、新しい環境への不安や、新たな友との出会いや、友を思いやる、そういう心と行動が、語られている絵本です。
読んで、目から鱗でした。
私は、俳句というものについて、五七五という文字に、なんというか、大仰に言うと、自分の文学観というか、自然観というか、そういう意識を凝縮したいと、そういう思いを表現したいツールだと思ってきたのです。
この絵本のページを開いて、この俳句に、「えっ! なんとシュールなんだ!!」と、私は、びっくり驚いたのです。
はいくっていったいなあにチューリップ
とあるのです。
これ、俳句です。
否。
これが、俳句です。
たんぽぽのかんむりきっとにあいそう
ペンペンとペンペンぐさもかんげいだ
ひまわりのたねをいっしょにうえようよ
きがうたうはっぱがうたうはるのもり
そして、私は、これらの俳句を何度も読み返しました。
これなんだと、こういうことかと、思ったのです。
私は、あれやこれやと屁理屈を捏ね回していたのだと思います。
そういうことかと納得し理解した絵本でした。
昨今、流行っていると聞いた、いわゆる大人への癒やし系“メッセージ絵本”なんぞ、なんぼのもんじゃ! と思っている私です。
大人には、こういうまっとうな絵本を、読んで欲しいものです。
因みに、作者のおおぎやなぎ ちかさんは、俳号北柳あぶみさんです。
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ふと見た窓からの空は、初夏の青空です。
おもしろそ友の新刊空青し