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この偉大な学びを胸にして、卒業だ

2013-10-03 | ひらがなにほんごで・たからさがし
瀬戸内寂聴が、フランソワーズ・サガンの悲しみよこんにちは、そしてアンナ・カレーニナを題材に、孤独と愛について書いている。たいした筆力だ。孤独、悲しみ(そしてそれとつながった愛の葛藤を生きること)から卒業することが、仏の教えの基本なんだろう。3次元幻想からの卒業、すなわち悟りを得て卒業すること。

3次元幻想での孤独と悲しみ、それにつながった愛の葛藤という、甘く切ない感情は、多くの小説や物語を生みだす。吉永小百合が主演した夢千代日記を思い出してしまう。三次元幻想で得られた体験と学びは、じつに偉大だったんだと、思わざるをえない。

しかし、この幻想世界は、いまや残忍と無感動に覆い尽くされてしまっている。地球も人類も生きていく活力が失われ、ゲームオーバーを宣告せざるを得ない所まで来た。甘く切ない愛の感情を学ぶときも過ぎたのだ。この偉大な学びを胸にして、卒業だ。

新しい世界への出発。新しい体験と学びが広がる世界へ。その世界の様子がだんだんと見えてきている。舞台は、宇宙へ広がり、神の存在へと広がる。
――――――― 引用 ――――――――
夢千代日記、ウィキペディアより
概要

主人公の夢千代は母親の胎内にいたとき、広島で被爆した「被爆二世」。原爆症を発病しており、余命2年と宣告されている。物語はその夢千代を取り巻く人々の生き様を山陰の冬景色を背景に物悲しく描く。ストーリー展開は夢千代が毎日書き綴っている日記が軸となっており、随所に夢千代が日記の一部を読んでいるナレーションが盛り込まれている。また、湯村を訪れる謎の人物がシリーズ毎に登場し、次第にその過去が解き明かされていくというミステリー的な魅力もある。

三部とも物語の冒頭は、夢千代が原爆症の治療に神戸の病院へ行き、その帰りに山陰線の列車が余部鉄橋にさしかかるころの車内から始まる。
夢千代日記
あらすじ

湯里の置屋「はる屋」の女将・夢千代は神戸の病院からの帰りに山陰線急行列車の中で川崎からやってきた山根刑事と知り合う。山根は殺人容疑で「はる屋」の元芸者・市駒を追っていると告げ、「はる屋」で張り込みを続ける。そんなとき、湯里警察署捜査課長・藤森警部の許に、6年前に湯里の海岸で金魚と心中した橋爪信之の母と妻が訪ねてくる。ふとしたことから生き残った金魚に女の子(アコちゃん)がいると知り、亡き息子の子供だから引き取りたいと金魚に談判する。しかし、おスミさんの話から女の子は金魚の実子ではなく、木原医師のところからもらわれてきた赤ちゃんだったと判ってしまう。そこに木原医師が父を亡くし身寄り頼りがなくなった足の不自由な少女・時子を伴って、芸者にしてほしいと「はる屋」を訪ねてくる。

また、山倉の縄張りだった湯里に広島の暴力団・サン商会の沼田が勢力拡大のため子分を引き連れ乗り込んできて、夢千代に「はる屋」の面倒を見たいと申し出るが拒絶されてしまう。沼田は広島で被爆した際、夢千代の母に助けてもらったと言って、仏壇に線香をあげて去っていく。一方「はる屋」で張り込みを続けていた山根が胃潰瘍で吐血し、木原診療所に担ぎ込まれる。その晩「はる屋」に市駒から電話がかかってくるが、夢千代は山根が湯里に来ていることを知らせ、いま「はる屋」に来てはいけないと告げる。千代春は子宮癌の末期症状で寝込んでしまい、木原医師に睡眠薬をねだる。翌日、菊奴からの情報で浜坂のスナックに訪れた夢千代は市駒と再会し、市駒は藤森に自首する。

木原診療所で療養していた山根は親切で評判のいい木原医師が事情のある赤ちゃんを斡旋していることを知り、藤森に調査を勧める。藤森は医師免状の提出を求めるが、木原は明日にしてくれと言う。翌早朝に木原は千代春に睡眠薬を届け、自分がニセ医者であることを告白し、町から出て行くと言うと、千代春は一緒に連れて行ってくれと懇願し、二人は湯里を後にする。一連の出来事を見ていた山根は人間の弱さや優しさに打たれ刑事を辞めてしまう。数日後、湯里で時子の芸者・小夢としてのお披露目がささやかに行われた。長く厳しい山陰の冬ももうすぐ終わりを告げる。
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