つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

ビーナスラインは今日も雨

2022-06-12 09:21:00 | 晴れた日は仕事を休んで
オートバイで遠出できない週末が続いている。
梅雨だから。

「雨でも乗ればいいじゃん」
とか、
「今はいいレインウェアあるよ」
とか、色々、前向きなご意見もあろうが、たぶん、ほとんどのバイク乗りは
「ツーリング途中で雨に降られるのは仕方ないとしても、雨が降っている中をわざわざオートバイに乗って出かけようとは思わない」
と思っていると思う。

僕もそうだ。
というより、ツーリングの途中に雨に降られてびしょ濡れになるのは、ある意味、バイク乗りの幸せな特権だと思うけれど、雨が降っている中を(あるいは雨に降られることがわかっているのに)オートバイで出かけて行くのは苦行以外のなにものでもない、と思う。あるいはマゾヒストか。

オートバイというのは基本的に雨の中でも走行できるように作られてはいるのだが、あるバイク屋さんから聞いたところによると、「雨の中でも走り回ってきた中古のオートバイと、そうでない中古のオートバイとでは細部の程度が全然違う」のだそうだ。
愛車をそういう状態に追い込んでいくのも嫌だけれど、何より雨の日の走行は危険がいっぱいだ。

マンホールや路面に描かれた道路表示の文字は雨でツルツル滑る。
カーブの真ん中にマンホールがあったりすると、遠心力も作用して簡単に後輪を外に持っていかれる。
陽の当たりにくい裏道に積もっている落ち葉なんかも雨で濡れればバイク乗りには地雷に等しい凶器になる。
おまけにヘルメットのシールドが雨滴に覆われて昼間でも視界が普段の30%減くらいになってるから、夜間・雨天のオートバイともなれば目の見えない老人が地雷原を杖で突き回ってるようなものだ。
というわけで、ここ数週間、ツーリングの予定を立てては延期を繰り返している。

僕は基本的に他人にあわせて行動するのが苦手な人間なので、ツーリングに行くときも一人が多いのだけれど、今回はある男とのツーリングを楽しみにし続けている(そして、延期され続けてもいる)。

彼は小学校から高校まで一緒だった古い友人だ。もしかしたら幼稚園(だか保育園)も一緒だったのかもしれない。
親しくなったのは同じラグビー部員になった高校からだ。人望のあった彼はキャプテンをつとめていた。
その彼から、「中型バイクの免許を取った」と連絡が来た。
50歳を過ぎてからオートバイに目覚めた元ラガーマン。
これだけで小説が一本書けそうだけれど、残念ながら僕にはそういう才能はない。もちろん彼にも。僕にできるのは、彼から聞いた話をこのブログで記事にして未来のバイク乗りたちに紹介することくらいである。

免許を取った彼が購入したのはホンダのGB350。なんと納車まで1年待ちだったらしい。
これだ。



初めて乗る中型バイクにこのGB350を選択した彼のセンスに僕は脱帽した。
空冷単気筒。
無駄を徹底的に排した造り。
クラシカルなフォルム。
まだ聞いたことはないけれど、排気音も単気筒特有の優しく湿り気のないいい音がするのだろう。ヤマハの単気筒の名車、SR400の音に近いのだろうか。

GB350は現時点における正統派ブリティッシュ・バイクのひとつの完成形だと思う。
適当なことを書くと後からHONDAさんに叱られそうだけれど、GBとはGREAT BRITAIN(グレート・ブリテン)の頭文字ではないか。
僕はアメリカン派だけれど、こういう「THE・バイク」とでも言うようなブリティッシュ・バイクはとても格好いいと思うし、それを乗りこなす50過ぎのオヤジというのは、もう、一幅の絵になってしまうのではないか、とさえ思う。

これはもう、彼に会って、オートバイに目覚めた経緯を聞かねばならない。
ついでに僕の愛車ボルティ(↓)と彼のGB350をお見合いさせてやろう。


2台のオートバイのお見合いの場は新緑のビーナスラインがいいだろう。
新緑の高原の一本道を走る50過ぎのオヤジとGB350を写真に収めたい。できれば正面ではなく、後ろ姿がいいのではないか。
10代でも20代でも30代でもなく、色んなものを背負った上でGB350のシート上でそれを解き放った50過ぎのオヤジの背中が、緑の草原と真っ青な空に向かって吸い込まれて行く姿、というのは、もう、考えただけでもドキドキしてくるではないか。

というわけで、このところずっとビーナスラインを走る信州一泊の週末ツーリングの計画を立てている彼と僕である。

※カバー写真は「日本絶景街道を走る!」から







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1 コメント

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ビーナスライン行ってみたい (中山達樹)
2022-06-12 13:02:18
恥ずかしながらビーナスライン行ったことない。。 いつか行きます!
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