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17歳のヒロへ

2021-03-03 10:03:00 | 子育て

17歳のヒロへ

 

誕生日おめでとう。

 

ヒロが中学生だったころ。

なかなか学校の成績が上がらなくて、たぶん、ヒロなりに悩んでいたころ。

パパはヒロにこう言った。

 

「どんな科目でもいいから、とにかく一つ、成績を上げてみよう。

何か一つの科目で、『なんだ、こうやって勉強すれば成績って上がるんだ』ということが分かれば、そしてそういう達成感を手にすれば、自分に自信がつく。

自信は努力する力になる。

その努力が更に自信を産む。

自信をつけた人間はいい顔になる。

自信をつけていい顔になると、他の科目の成績も自然と上がってくる。

そうすると『勉強することが嫌で嫌でしょうがない』という苦しみの世界から抜け出せる。

毎日の頑張りの成果はすぐにはでないけれど、1年後に振り返ったとき、きっと1年前の辛かった世界から抜け出していたことに気づく。

抜け出した先の世界は、それまでの世界より見晴らしがいい。

その見晴らしのいい世界は、ヒロをもっと別の世界に連れて行ってくれる。」

 

とっくに忘れちゃってるだろうが、まぁ、いい。

ヒロはもう、とっくに中学生時代の世界とは違う見晴らしのいい世界に立てているから。

 

今年はいよいよ大学受験の勉強が本格的に始まる年。

自分の進路を決めなければならない年。

 

これはパパからのお願いでもあるけれど、どの大学の、何学部に進むのであれ、どんな進路を目指すのであれ、「偏差値」とか「楽できるか」とか「儲かるから」といった、つまらないチンケな理由で大学や学部や進路を選ばないで欲しい。

自分の進路は、「今、自分が大好きで夢中になれることは何か」という基準で決めて欲しい。

パパはヒロに自分が大好きで夢中になれる道に進んで欲しい。

 

もちろん、この先生きて行くためには生活できるだけのお金を稼ぐことも大切だ。

結婚して子供ができたら家族が飢えないように寒さに凍えないようにもっともっとお金を稼がなければならなくなる。

でも。

人は「本当に好きなこと」「本当にやりたいこと」じゃないと努力できない。努力を続けられない。壁にブチ当たっときにそれを乗り越えて進めない。そういう具合にできている。

その代わり人は、「大好きなこと」「やりたいこと」なら自分の限界を超えて努力ができるようにもできている。

 

自分の「大好き」を見つけること。

見つけた「大好き」に時間やお金や努力を惜しまないこと。

自分が選んだ世界で120%の努力をすること。

そうすると、必ずもっと見晴らしのいい「次の世界」に行ける。

結局、「勉強の仕方」は、「見晴らしのいい世界に行くための生き方」と同じなんだ。

 

自分を大切にするために、家族を守るために、楽しくお金を稼ぐために、生き方は「お金の多少」ではなく「大好きかどうか」で選ぶべきだ。

お金はしょせん、「大好きなこと」を続けて行くための手段に過ぎない。「家族」や「大切な人」を守るための手段に過ぎない。手段と目的を混同してはならない。

少なくとも、「大好きなことはお金を稼ぐこと」という寂しい人生は送ってはいけない。

 

自分の「大好きなこと」「やりたいこと」が見つかったら、次のことを考えよう。

①それは誰かを傷つけるようなものではないのか?

②それは自分の大好きな人や大切な人に胸を張って語れることか?

③それは自分以外の誰かの役に立つことか?

④自分がそれをすることで、世界が、たとえ少しだけでも良い方向に変わる可能性があるか?

この4つにYESと心が答えたら、次に努力の仕方を決めよう。

 

今の社会が、自分が選んだ「大好きなこと」で生活のためのお金を稼げる世の中ならそれでOK。大好きなことを死に物狂いでやればいい。

今の社会が、自分が選んだ「大好きなこと」をしているだけでは生活できない世の中なら、「大好きなことをして生活するためにはどうすればいいか」を考えて、工夫して、試し続けてみよう。

もちろん、すぐに大好きなことをして食べていけるようになるわけではないけれど、最初から、「大好きなことで食べていけるわけないから、金を稼ぐために嫌な仕事でも我慢してやる。それでいい。」という生き方を選ぶのだけはやめよう。

「金が稼げないこと」を大好きなことをしない言い訳にしてはいけない。

 

いつか結婚して家族ができるまでは、お金はすべてに優先して自分自身への投資に使おう。

それはカッコいい服を着るとか、カッコいい靴を履くとか、お洒落な髪形にするとか、美味しいものを食べるとかじゃなくて、「10年後、20年後の自分を、今より見晴らしのいい世界に引きあげるために役に立つ武器」を身に付けることだ。

自分への投資に比例して、「大好きなことで生活していける可能性」も大きくなる。

 

ヒロは勉強に自信をつけて、卓球にも自信をつけて、中学時代よりずっと見晴らしのいい世界に立った。

でも、今よりもっと見晴らしのいい世界はある。

せっかくこの世に生まれてきたんだ。

どうせなら、大好きなことをして生きようよ。

 

2020年2月9日

 

大好きなヒロへ。

 

パパより。







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