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hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

オラ!スペイン旅ごはん

2022年10月16日 | 和書
 2年半前にロックダウンになり泣く泣くキャンセルした美食の町スペインはサンセバスチャン旅行にようやく行ってきました。
 私は旅程をきっちり立てて動くのが好きなほうなので、行きたいところ、食べたい物、この3年間(計画を立て始めた頃から)徹底的に調査をしていたので、これ以上情報はいらないところまで突き詰めていたはずでした。
 ところが出かけるひと月前に友人が貸してくれたこの本を見ると、まだまだ知らないこと、いや、食べたい物というのが正解か、いくつもあるではないですか!
 日程内に全部こなせるか!真剣悩みました。時間もさることながら、わたくし、自称小食なもんですから、何を優先して何を諦めるか・・・・苦しみました。それくらいこの本ではたくさんのおいしそうなものが紹介されています。
 「やばい」「おいしい」だけではなく、食材のことや調理法にも少し触れ、結構ちゃんとした食レポがされているのです。
 で、悩みに悩んだ末、長年自分が計画立てていたものを食べて、その場で食べたい物を食べたいだけ食べたわけなんですが、価格も気にせず好きなようにオーダーしたので、ほかのお客さんの食べているものを指して、「アレちょうだい」といったキノコのソテーが、皿いっぱいのとろけるような生ハムよりも深い味わいのおいしいワイン1本よりも高いという事件も起きました。でもすごく美味しかったので後悔はないのです。

 そんなわけで、サンセバスチャンではこの本の中身が大活躍だったわけではなかったのですが、この漫画で見てしまってどうしてもどうしても食べたいものがあって、そのためだけにビルバオという町にも行ってきました。
 それが、炙り生ハムとフォアグラ、卵とフォアグラとキノコとポテトピューレが小さいフライパンに入った2品であります。
 「これ食べたいの」と漫画の絵をそのまま見せたら、ほんとそのまんまのものが出てきて驚きました!そしてこの炙り生ハムとフォアグラがこの旅の私のナンバー1フードであります。
写真の向きについてはすみません。

そのほか、この旅に先立って、娘がバレンシアに旅行をしたのですが、その時もバレンシアのページを写真に撮って、飲食の参考にしていました。
 私はこれまでスペインはバルセロナに数回行ったことがあるだけだったので、食文化についてはそれほど印象がなかったのですが、今回の旅を通して、そしてこの本を読んで、もっと色々な所を訪ねてみたいと思いました。これ以上食が細くならないうちに!
 近い将来スペイン旅行の予定がある方は、一度手に取ってみてはいかがでしょう。
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ラッシュライフ

2020年07月18日 | 和書
 面白かったです。
 色々と事件が起こっているのに登場人物のせいでほんわかしていて、すべてがただのハプニングみたいになっていくところが。
 ただ、オムニバスになっていて主人公といえる人物が複数いるにもかかわらず、それぞれが似通った性格というか同じような話し方をするのが残念だと思いました。
 緊迫した場面で、のんびり講釈たれていたり、自分語りしていたり。
 多分ですけど、この作家の好みの人物であろう飄々とした人物がやや多めだったり。
 けど、好きなタイプの作品でした。
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今さら「火花」

2020年03月31日 | 和書
 こちらロックダウン中。
 高校は秋までクローズ、高額払って入学したばかりの大学も秋までクローズ(涙)、夫は万が一感染した場合ハイリスクであるということで12週間外出禁止。
 そんな中私だけ出勤しています。医療関係者を含む少数のキーワーカーというカテゴリーの中にある業界に勤めているからです。
 万が一私が感染してきたら大黒柱を失うという緊張感を毎日味わっています。 

 買い物は私しか行けないですが、ご飯支度を全員で分担できるという利点はあります。 
 仕事は時短でなるべく人との接触時間が制限されるようになっていますし、子供の習い事もないし社交も全くしてはいけないので、時間が余っています。
 私の周りの人たちはほぼ全員この機会に家の掃除を徹底しているとのこと。あとは意味もなく冷蔵庫を開けている(笑)と言っています。
 Stay at Home, Stay safe and Stay away from fridge! なんてジョークもあります。
 それで前置きが長くなったのですが、断捨離をし始めた友人から日本語の本が回ってきました。家に届けてくれましたが、上がってもらうわけにもいかず、玄関先でマスクをして2メートル離れた状態で少し会話をして別れるという感じです。
 
 「火花」、思っていたより面白かったです。
 私はドラマを先に観ていて、内容もセリフも良いと思ったし、役者さんたちの演技が素晴らしいと思っていましたが、原作にはあまり興味がなかったのです。
 多分相当気取った文章で、わかる人にはわかる、を前面に出した感じなんだろうなーと敬遠していました。 
 読み始めた瞬間、やっぱりな、ですよ。カッコつけた言い回しが多い。装飾が多い。
 ところがそれがどんどん減っていって、分かりやすくなる。面倒くさくなったのかな?正直文体に一貫性がないなーとは思ったけれど、後半の方が登場人物の気持ちも言いたいこともストレートに伝わってくる。
 前半も後半も言い回しは違えど、言っていることは一貫しているし伝えたいことにも共感もできる。なので、文体は好きではないけれど内容は好きという結論です。でもドラマの方が好きかなー

 
 
 
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チャンネルはそのまま

2016年04月04日 | 和書
「動物のお医者さん」や「おたんこナース」で人気の佐々木倫子のコミックです。
「おバカ枠」で北海道のテレビ局に入った新人記者の奮闘物語。
なんだかよくある話ですがすっごく面白かったです。
真面目な堅物だけれど無意識に「出来ない人」の面倒をみてしまう同期の子は会社の人に「プチプチ」というあだ名をつけられているのですが、その由来はなんとこれ。

しかもこれ通称かと思ってたら本当の名前らしいですね。
でもそのネーミングがなんだか味があっていいんですよ、彼のキャラに合っているというか。
で、周りの人々の支えと持ち前の運の強さで主人公が大活躍する話です。
テレビ局は大泉洋が出演していた「水曜どうでしょう?」などで有名なHTBというローカル局が元の舞台となっている感じです。昔はヤスケン(今や立派な俳優におなりになって、、、な安田顕)がonちゃんという着ぐるみに入って活動していたのですが、コミックにもそれっぽい着ぐるみが登場します。
それにどっしりした存在で登場はするけれど、その昔「おバカ枠」で入ったのでは?と疑われているディレクター小倉さんは明らかに「どうでしょう?」の藤村君!
道産子ならではの楽しみ方をしましたが、それを抜きにしても面白いと思いますよ。


今日の日記:

え?それって一般的な呼び名?と思った言葉といえば、会社で「hinajiroさん、これパウチして」と印刷物を渡されました。
パウチって何?
ラミネートして、って事だったんですけど、日本ではパウチするって言う方が多いんでしょうかね?
その他にも知らない日本語イッパイデース
中でも若者用語なのか業界用語なのかなんだか聞けないものがイッパイデース(笑)
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お迎えです。

2016年04月03日 | 和書
今度ドラマ化されるという宣伝を目にしました。
ghost whisperer など、幽霊に手を貸す話(雑なカテゴライズ?)が結構好きなので、原作コミックを読みました。
感想は、正直絵が雑だし、コマの進み方も雑な感じで、あんまり良い作品だとは思えないかな。
1巻読んだだけでどっと疲れました。
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30年以上遅れて今わかった!

2015年11月28日 | 和書
真壁くん、カッコいい!

「ときめきトュナイト」が無料だったので久しぶりに読みました。
連載開始時ちょうど読んでいたんですよね。
私は特に好きな作品でもなかったのですが、瞬く間に人気ナンバーワン作品になっていきました。
そして今ほど二次元に恋する読者は多くなかったと思うのですが、真壁くんはこれまた人気ナンバーワンの男の子キャラでした。私はあんまり好みじゃなかったんですけどね。
やっぱりツンデレ系男子キャラって昔から人気あるもんだったんですねぇ。
で、まぁ今回改めて読むと彼の魅力がようやくわかっちゃった、ってそれだけの話です。


そうそう、この間職場でつい無駄話がヒートアップしちゃって、「キャンディキャンディ」では誰派だった?ってところに至った時は、社員さんに「暇な時にこれやってください」と仕事渡されました。やばいやばい。
それで、私の周りはほぼ全員がテリーだったのですが、みなさんはどうですか?
私はキャンディはオンタイムで読んでいなくてアニメの記憶も曖昧だったのですが、学生時代におくらばせながら読んだ時はやっぱりテリーでした。
でも45歳の今は「安定のアンソニー」笑
財力もあり、子供の割にしっかりしていたもんね。
メンタルの弱い舞台俳優を支える気力も能力も私には備わっていないもので。

どっちにしろしょうもない話です。おそまつ。
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僕等がいた

2015年09月13日 | 和書
少女マンガブーム、まだ続いていたりします。
映画化になって聞いたことのあるタイトルだったので読みました。無料になっていた一巻だけです。
主人公の女の子が(さっき読んだばかりなのに名前忘れちゃった)が高校に入って好きになった男の子は学年一のモテ男。かっこいいというより可愛い系、というところが最近読んでいた一連のものとちょっと違ったかな。
で、その男の子、あれ名前は、、、、とにかくその子は中学ん時に付き合っていた彼女を事故で亡くした過去をもっていて、それでも明るく前向きになる努力をしている。そのうち主人公の高橋さん(出てきた!)と仲良くなって付き合うことに。

ま、こんなところでした。
普通に面白かったです。残り数巻はオンラインの「立ち読み」で数ページずつ読みました。
なんか色々と不幸な出来事なのか複雑なことがあったっぽいのですが、気になったのは後半でこの男の子が元カノの妹と同棲していたこと。理由を知っている方がいたら教えてくださーい。それだけ知りたい、、、、
映画の方は興味ないかなー、なんかイメージが違う気がする、特に思い入れもないですが。

それで、元カノの死を引きずり、、、、で「私が高校生の時もあったよ、そういうの」ということで、流れからコレ読みました。
「彼女の彼」。大好きでした~

主人公の芹香、芹香が好きになる小川君、小川君の彼女の春美、春美と繋がっている井東先輩。みんなそれぞれ魅力のあるキャラクターでねー、、、、しみじみ、、、、先輩が主人公のスピンオフコミックはオンラインじゃ見つかりませんでした。残念。

でも改めて読んでみると、最近のものに比べて絵が下手というか雑でした。

それにしても、よく考えてみると最近人気のマンガは登場人物みんなが爽やかで溌剌とした感じが多いですね。
ヤンキーものって流行らないのかしらん?
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アオハライド&ストロボエッジ

2015年08月04日 | 和書
私は小学生の時の「なかよし」から始まって「りぼん」、別マ、別フレ、と毎月何らかの漫画雑誌を買っていたし、弟の週刊ジャンプもガッチリ読んでいるくらい漫画が大好きでした。
うちの母も一緒に全部読んでいました。母とは特に感想を言い合った記憶はありませんが、なんとなく私もうちの娘といずれ母娘で漫画雑誌を読む日が来ると待ち望んでいたのですが、なにぶんこちら漫画を読む習慣がありません。がっかりです、、、
それで昔あれだけ読んでいたわりには、大人になっての漫画を読む率は非常に少ないと思うのですが、一度読み始めちゃうとダメです、、、


ヒロイン失格で女子高生マンガを久しぶりに楽しんだ後は、同様に人気作品で映画化もされた「アオハライド」を読みました。
出だしはいい感じでしたが、すぐになんの目新しいこともないありきたりのストーリーになっちゃってあまり楽しめませんでした。
発見は、この作品の主人公が恋するツンデレ系の男の子こそ山崎賢人にそっくりじゃないの!ということ。
多分、ツンケンしているのは過去のトラウマを抱えてるからだもん、そんな彼を理解して支えたいの!的なノリなわりには浅い感じがいやなのかも。


でももうエンジンがかかってしまったので止められません。
そのまま同じ作家の「ストロボエッジ」に手を出しました。

映画のトレイラーがお気に入り。告白している有村架純も可愛いし、最後の福士蒼汰の壁ドンがドキッとする!
話題になってたとき、壁ドンの何がいいわけ?あんな急にカッとなって乱暴なことする人イヤじゃん⁈ と思っていたのですが、この映画のこのシーンありです!(漫画の読みすぎで乙女モード全開)
で、漫画ですが、こっちは好きです。なんででしょうね?これも同じなんですよ、彼女のいる人を好きになっちゃった、想っているだけでいいの、グループで仲良くしているうちに相手の男の子も主人公が好きになって、他にも主人公を好きな男の子がいて、揺れる主人公!みたいな。
それにしても主役のお二人、原作から飛び出してきたみたいにそっくりでピッタリです!
おばちゃん、映画観たいなぁ~、原作で好きだった携帯のストラップのくだり、楽しみだなぁ。

ちょっと前に書いた「エレノア&パーク」もこんな感じで音楽を一緒に聴いてたんだよねー

少女漫画についてのぐだぐだまだまだ続きます。

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ヒロイン失格 原作

2015年08月03日 | 和書
あたし、hinajiro 44歳は、今、

少女漫画にハマってます

映画「ヒロイン失格」のトレイラー風 (私、かなりアホ)

きっかけはパート先の若い女の子二人が漫画のような顔をしているせい。
一人は男の好きそうなロリコン系漫画に出てきそうな感じで、実際アニメ声で話す子。聞き取れない、、、、でも去年日本に帰ったら、サービス業界結構三十代っぽい人たちもそんな風に話していてびっくりしましたぞ。Why Japanese People, Why?
もう一人は昔懐かし惣領冬実の漫画の主人公のような顔。
顔を見る度、「しかし漫画のような顔だなぁと」思っていた矢先、テレビで山崎賢人という子が2.5次元キャラ?2.5次元アイドル?なんかそんな風に呼ばれているのを観て、漫画のヒーローを確認をしてしまったのが始まり。

主人公はとりは、幼馴染の利太が大好きなのですが、今はまだ友達関係壊したくないし、でも将来的には絶対自分が選ばれるに決まっている、と信じている女子高生。
だって少女漫画ってそうですもんね、たいてい。
なので余裕で構えているのですが、どうやら利太が今度はありえない地味女と付き合い始めて、しかも本気モードに入ってしまったことで焦り出します。
そしてバタバタしているところに、学年一の人気者で超絶イケメンのヒロミツくんというのに言い寄られます。
というお決まりのパターン。

でも面白かったです。
主人公の腹黒さが愉快。心の声が黒いけれどなんとも素直で可愛い子です。
映画のキャストは桐谷美玲が主人公はとりですが、イメージピッタリです。
超絶イケメンの実写版は、え?この子イケメン?と思ったのですが、原作の顔に似ていると思いました。で、この人気者のキャラも顔に似合わずゆるい感じでいいのよ。
で、最後に利太君ですが、なるほど、似ているといえば似ているよね、と思いました。
他の漫画もチェックしましたが、どの子もたしかに山崎賢人に似ている気がします。
漫画顏認定。



全巻読み込んだのじゃなく、ほぼパラ読みです。
きっと全巻じっくり読んだら途中で飽きちゃうのかも、とは思いました。
まだまだ別の漫画も読んだのでつづきます
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こういうの解りたい・・・・カフカ「変身」

2014年11月02日 | 和書
   

 おなじみの不条理文学の代表作。
 今回漫画で読んで、読み物として面白いと思ったが、そういうんじゃなくてもっとちゃんと読みたいと思った。
 なので本当の感想は原作を読んだ後にしたい。何か書けることはあるのだろうか・・・・
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わが闘争 ヒトラー

2014年10月28日 | 和書
 

 こちらの方は面白かったです。
 実際ヒトラーの書いた「わが闘争」を簡略したわけではないというレヴューをみましたので、本来の原作に沿ったものではないようですが、大体の第一次世界大戦から第二次世界大戦までの歴史的な流れを把握できたり、ヒトラーの人物像や思想が解りやすく伝わってきます。

 あの残忍なヒトラーになぜドイツ国民が従ったのか。
 この作品だとそこがとても解りやすく描かれています。
 コミック化なので彼の演説や一言一言が簡潔に書かれているわけですが、そのため返ってとても明瞭に響いてくるのです。
 
 3 out of 5  アマゾンのレビューもそれ自体がなかなか興味深かったので合わせて読むのもお薦めします。
 
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戦争と平和 トルストイ

2014年10月27日 | 和書
いきなりたいそうな本を読んだみたいなブログタイトルですが、マンガです、すみません。



原作はかなりの長編大作だと思うのですが、もんの凄く短くまとめてあります。
面白くないとは言いませんが、なんにも伝わってこなかったです。
一体何について書いてある作品なんでしょう、本来。

2 out of 5 オススメしません。よい子のみなさんは原作を読みましょう!
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失恋ショコラティエ 原作 #1~3

2014年09月16日 | 和書
  

 一応自分の中でルールがあって、本当にどうでもいいことなんですが、映画の感想記事が続くのはできれば避けたい・・・・ 
 というわけで、漫画読みました。
 少し前にドラマで観ていたこの作品がお試しで三冊無料で読めました。それにしてもiPadで漫画を読むなんて、時代が変わりましたのぉ。
 時代が変わったといえば、本題に入る前に話は脱線しますが、珍しく家族で食卓を囲んでいた時のこと、音楽を聴く媒体についての話になりました。
 そこで、お父さんはレコードの時代、私はカセットテープの時代。ベストテンなんか見ながらカセットの録音ボタンを押したりしていましたよ。そしてあとからヤンソン(明星の付録ですよ)見ながら、テープに合わせて歌いました。みなさんもしましたよね?
 娘が言うには、息子はMPplayer 世代で、娘はiPod世代なんだそうです。最近はめまぐるしいですね。
 
 漫画の話に戻りますが、すごく面白かったです。
 ドラマはほぼ原作に忠実でした。でもどこがどうとは言えないけれど、原作のほうがちょっとだけ面白いです。
 違うところは、オリヴィエがすっごいかっこいいということと、想像以上にサエコさんの見た目が颯太君以外の人には可愛くもなんともない普通の人の設定だということでした。

 今は8巻まで出ているのかな?
 続きはただになるってことはないんでしょうね。どの本も最初の方の巻だけですよね、きっと。
 私は Yahoo のオンラインで読みましたが、アマゾンkindleでも無料で読めるみたいですよ。ここに載せた写真をクリックするとアマゾンのページに行けますよ。

 
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結婚詐欺師 上下

2014年06月07日 | 和書


今週は2日も電車で出かけたので、車中読書が進みました。
乃南アサの作品。タイトルそのままの結婚詐欺師の男が何人もの女性を手玉に取りお金を引き出す話ですが、昔見ていた椎名桔平の「恋愛詐欺師」というドラマと被ってしまいましてね、この作品自体も加藤雅也詐欺師で映画化されていたみたいなんですけど、私の中ではどうしても桔平。だから実際 の描写より脳内ではカッコいいことになった状態で読みました。

男の甘い言葉にコロっといってしまう、とか、私だけは特別と思ってしまう、とか、きっと変わってくれるに違いないと信じてしまう女性心理はわかるのですが、結婚してからの極貧から身についたのか、堅実派の家庭で育ったせいか、はたまた働いた年数が少なく自由になる大金を握った事が無いせいか、お金を出す心理だけは本気で理解できない!(笑)
うちは息子にも貸したお金はきっちり次のお小遣いから天引きしていますよ。ただいまただですら少ないお小遣いから、先月前借りした映画代を回収中。その他あまりにも頻繁に失くし続けるので自腹で新しい定期代と体操着代払わせています。
あんまり締め付けると変になって、お金に執着するこの詐欺師のような男になっちゃったりして。

これといったツイストもない割には、上下巻と長いのは主人公が何人もの女性を同時進行で騙しているためと、警察の捜査から逮捕までに9ヶ月もかかったせい。
実際のこういった詐欺だと世間体や恥ずかしさ、プライドとそれ以上に騙されたとどうしても認められない、そこまでされてもまだ彼を信じている、といった具合で被害届を出す人が少なかったり、出すよう説得するのに時間がかかったりするらしい。

評価は3 out of 5




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人のセックスを笑うな

2014年05月26日 | 和書


 解説を書いた高橋源一郎と田中康夫は、文藝賞の選考の際に、これはいいね、抜群だよね、全部いいよね、何がいいって、要するにセンスだよね、と言い合ったそうだ。この小説のどの部分がどのように素晴らしいのか、は全く言及していなかったらしい。
 それでいて、ほかの人の感想を読むと、いや、違うんだよ、わかっていないなぁ、となるらしい。

 ま、そんな感じの作品なのである。だから、私もこれと言って書くことはなく、うん、いいんじゃないの?ってことなのだ。
 あえて言うなら、本編よりこの高橋源一郎の解説文が面白い。
 作者の山崎ナオコーラという名前に関して、堀辰夫の「菜緒子」や村上春樹のノルウェーの直子を引き合いに出して、こう書いている。

 ナオコという名前には、日本文学の深層意識の中に流れる、湿ったなにかが、死に近い何かが、存在しているのかもしれない。
 中略
 ナオコーラという名は、高度資本主義社会下で生きる女性の名前だ。あの不吉なナオコたちとは異なり、その世界で雄々しく生きていこうとする意志を示している。そのため、神聖な個人の名に、資本主義的な記号つけてもかまわない、と言っているのである。

 本当かどうか知らないけれど、全くもってユニークな解釈だと思う。

 
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