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脳の成長

2017-09-19 13:24:35 | お話
🍀脳🌀の成長🍀


ヒトの脳の「前頭葉」は、私たちが持っている非常に重要な機能の1つです。

物事を推論したりイメージしたりする、高度な情報処理をつかさどっています。

大脳の奥の方には「大脳辺縁系」と呼ばれる場所があります。

ここは、怒る・泣く・喜ぶという人間の喜怒哀楽の感情、

考えて湧く感情ではなく、思わず感じてしまう感情を司る部分です。

この脳の発達には性ホルモンが非常に深く関わっていて、

第二次性徴期になると、この部分の発達が急激に進みます。

今の子供たちは体の成長が早いですから、女の子では10歳くらいから、男の子では12歳くらいからこの第二次性徴期が始まります。


前頭葉は、こうした大脳辺縁系で沸き立つ感情を抑制していく働きを持っています。

イライラしたりカーッとした時、

前頭葉は

「こんな表情や姿を他人に見せちゃダメだ」

と大人の振る舞いができるようにコントロールしていくのです。

ただ、この前頭葉の成長が

「大人」と同じレベルにまで達するには

「25歳から30歳くらい」の年齢であることが、最近の研究から分かってきました。

つまりその年齢までは、大脳辺縁系の活動に対する抑制は、十分にできないということなのです。

ですから思春期真っただ中の子供は、

よく分からないまま無性にイライラしたり、

摩訶不思議な思春期特有の問題行動を起こしたりすることがあるんですね。

それも、この「脳の発達に時間がかかる」ということが原因の1つだと考えられているわけです。


昨年、選挙権が「20歳」から「18歳」へと引き下げられました。

さらにアルコールも

「飲んでもいい年齢を、現行の20歳よりさらに引き下げていいのではないか」

という議論があります。

少年法についても

「処罰できる年齢をさらに引き下げてはどうか」

という論調が高まっています。

確かに最近の子供は成長が早く、体も大きくなりました。

しかし、この前頭葉の成長の例からも分かるように、

心はまだ発展途上であり、完成までには見た目以上に時間がかかるのです。

社会的な「大人」の定義と、生物としての「大人」の定義は違います。

ですから法制度についても、

このような科学的なエビデンス(証拠)を踏まえながら、考えていく必要があると思います。

科学的な証拠を突き合わせた上で、

子供たちをどう育んでいけばいいのか、

健全に育っていく環境どう提供してばいいのかについて考え、

議論していくべきだと思います。

そうでなければ、本当に妥当な発達支援と言うのは、

行えないのではないか、と私は思っているんですね。


(「みやざき中央新聞」H29.9.11 京大大学院教育学教授 明和政子さんより)