エデュパな日々

受験指導20年のカリスマ講師が
理数系受験個別教室を開設
新たな挑戦が始まる!

天地

2007-09-16 23:51:29 | 趣味
映画監督の著作権が認められ,何作かの廉価DVD販売が差し止められた(かなり大雑把な要約)。

そんな中,クロサワ作品のリメイク2本が連日TV放映された。

***ここからネタバレあり(敬称略)***
「天国と地獄」は子供の頃,映画がTVで放映されたのを見た。

オリジナルはモノクロの実に重厚な作品だった。

権藤役の佐藤浩市は,オリ版の三船敏郎に対して,さすがに人生の重みからして不利だった。彼にとって会社を巡る天国と地獄のコントラストが設定上インパクトに欠けていたこともある。だいたい鈴木京香が奥さんという地獄がありうるか?

それはよしとして・・・

犯人役の妻夫木聡はオリ版鬼気迫る山崎努と比べること自体が酷だった。役者云々というよりもこちらも設定の問題が大きかったと思う。現代的アンニュイな犯人像かと思ったら,ラストの独白では丘の上での生活と海辺の貧しい集落の暮らしには天地の差があると咆えていた。しかし,設定によれば彼は総合病院に勤める若手研修医であり,地獄とまでは言えない暮らしぶり。舞台も横浜のスラムではなく涼しいはずの小樽とあっては「下界の(冬の寒さ),夏の暑さがあんたには解らないだろう(趣旨のみ)」のようなセリフの説得力は皆無。逮捕に至る冗長な追走劇と薬の売人である女子高生との半端なラブシーンは焦点をボケさせるだけではなかったか。

と,素人なりにエラそうに珍しくかなりの酷評をさせていただきましたが,結果として,オリジナルのDVD(超廉価版ではない)を購入する引き金という役に立ちました

早く来ないかな~

モノクロであるからこそ際だつあの煙のシーンがもう一度見たい!