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【遺跡・史跡】《北海道調査旅行報告 その7》日本海をはさんだ北東アジアの人々と交流をしていたことを示す貴重な遺跡~小樽市手宮洞窟保存館@ 北海道小樽市手宮

2023-06-05 10:00:00 | 遺跡・遺構
続いて前回のフゴッペ遺跡と同じく不思議な壁画が描かれた「小樽市手宮洞窟保存館」の紹介です。
小樽市手宮洞窟保存館へは、小樽の有名な中心街から海沿いに車で10分ほどの場所にあるのですが、やはりレアなスポットなのでしょう。
受付の親父さん(トップ写真に写っている人、帰り際わざわざ見送って頂いた)が、暇そうにしていたので、いろいろ質問してみたところ「待ってました」と、ばかりに詳しく展示物の紹介をして下さいました。
館内入口 角の生えた人などを描いたなかなか気合の入ったエントランスのドアです。(写真には入館料無料とありますが現在は¥100かかります。)
保存館の案内(クリックして拡大)
※コロナで休館中だったそうですが今年3年振りに開館するそうです。
1866年(慶応2年)建築用材の小樽軟石を探していた石工の長兵衛が発見
1878年(明治11年)に榎本武揚が学会に紹介して大々的な調査が行われるました。  
発見当初は文字として報告されていたそうです。(写真クリックで拡大)
フラッシュを焚いた撮影はNGです。(当時のデジカメは手振れがひどい)
フゴッペ洞窟と同様に、時の流れを感じさせないくらいにリアルな線刻画です。
唯一手振れが少ない一枚 線刻状態が良くわかります。
彫られた全体の構成 頭部のみ彫られているものや、杖らしきものを握っているもの。結構バリエーションがあります。しかし人として考えると不思議な構図です。
類似の洞窟壁画がロシア極東部や中国、朝鮮半島でも発見されていることからかつて大陸より人の移動があったとする創造には難くないでしょう。
館内には、併せてここから出土した遺物も展示されています。
本土で良く見る縄文土器よりは大分質素です。実用的と言った方がいいかも知れません。
刻みのついて岩片 続縄文時代後期の土器の出土層で発見

土器片では無さそうです。壁画の一部が剥がれ落ちたものでしょうか?

小樽市内から直ぐですので、小樽観光のついでに足を延ばし、壁画を眺めながら当時の人たちの暮らしぶりなどに思いを馳せ、たまには歴史ロマンにドップリ浸るのもいいと思います。フゴッペ洞窟とセットでお勧めです。
(撮影:2004年8月)
《☞北海道調査旅行報告 その8》へ続きます。
お断り:2004年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので、訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。

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2 コメント

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Unknown (umaonaosora3104)
2023-06-05 20:43:22
人のようにも見えますが、何を見て描いたのでしょうか。
また、大陸にも類似している壁画があるようですが、一体どうやって海を渡ってきたのでしょうか。
古代は記録が少なくわからない事だらけですが、それをイメージしるロマンがありますね。
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Unknown (ruribo)
2023-06-06 06:06:25
いつもコメントありがとうございます。

縄文期、大陸との交易があったと事はいろいろな痕跡から証明されているようです。
http://www.nihonkaigaku.org/kids/relation/marukibune.html
渡航手段は丸木舟だったようですが、樺太経由で北海道に移民されてきた人たちが描いたのでしょう。
それでも丸木舟で海峡を渡ってくる彼らの航海術は、我々の想像をはるかに超えるものだったのでしょう。
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