最近の円高の動きとそれに対する中小企業の対応策についてを少し調べて見た。
まず、円高の動きだが、対ドル相場の動きを見ると、2010年1月4日 1ドル=92円が、2011年12月19日時点では、1ドル=77円に、また対ユーロ相場では、2010年1月4日 1ユーロ=132円が、2011年12月19日時点では、1ユーロ=101円になった。
この2年間で円はドルに対し約15円、ユーロに対し、約31円も高くなっている。
(出所:リサーチTODAY 2011/12/16 みずほ総合研究所)
これに対し、中小企業はどういう対応をしてきたか?
そこで、全国商工会連合会がまとめた、“円高の影響に関する緊急調査報告書”を参照し、中小企業の対応方法について、グラフにまとめて見た。
円高基調の中、どのような対応をとろうと考えているか?(複数回答)
(出所:“円高の影響に関する緊急調査報告書” 全国商工会連合会のデータを加工(22年9月版、23年9月版)
去年も今年もやはりコスト削減が一番多い。これまでもギリギリまでコストを詰めながらやってきたのを、急激な円高により、親会社からの要求等、より一層コスト削減せざるを得ない切実な姿がうかぶ。
また、2010年はパート削減というのも20数件見られたが、今年は社員削減の増加も増えている。元々、少ない人数でやっている中小企業にとって社員削減までしなければいけない状況が増えているということだろう。
一方、昨年より、増加傾向がみられるのが、新規顧客開拓。現状の顧客だけでは売り上げ、あるいは利益確保ができず、新たな顧客開拓に力を注ぐ中小企業も増えている。この中には海外進出を目指さざるを得ない企業も増加しつつある。
しかし、
ヒト、モノ、カネといった様々な制約の中でも、自らの生存領域をしっかり見極め、着実に成果をあげている中小企業も多い。・・・というか、こういう状況だからこそ、バイタリティあふれる中小企業が新たな活躍の場を見つけ出すことができるのかもしれない。
間違いなく、来年はもっと厳しい経済状況になると思われるが、こういう時代に浮かび上がってくる真の強さを持った中小企業、あるいは、こういった時代の変わり目に活躍する中小企業をどんどん見つけ出し、サバイバル時代を生き残る知恵をいっしょに学んで行きたい。
データだけではわからない真実の強さ、柔軟さ、抜け目なさを・・・。