訓練は終了、出国待つのみ-。南スーダン国連平和維持活動(PKO)で新任務「駆け付け警護」の付与が閣議決定した15日、派遣部隊の中心となる陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊が所属する青森市の青森駐屯地では、各隊員が普段通りの業務をこなした。隊員は「士気はいつもと同じ」「駐屯地内の雰囲気は変わらない」などと淡々と語り、派遣準備がほぼ整った様子をうかがわせた。
15日午後、駐屯地から帰宅する第5普通科連隊の40代男性は「部隊の士気は普段と変わらない。詳しくは広報に聞いて」と言葉を選んだ。第9師団司令部の50代男性は「訓練も終わり、家族への説明もした。隊員は今、家族との時間を大切に心身の英気を養っている。あとは出国を待つのみ」と穏やかに語った。
以前から政府の新任務付与方針は固まっており、第5普通科連隊以外に所属する隊員は「これといって駐屯地に変化はみられない」と述べた。ただ「答える立場にない」などと足早に立ち去る隊員がほとんど。第9師団司令部広報室は同日、取材に「周辺が思うような動揺はない。粛々と準備を進めている」と答えた。
海外派遣経験を持つ陸自OBは「任務を粛々とこなし、無事帰国することを祈る」と後輩を気遣った。このOBによると、出発を待つ隊員らの士気は高く、必要な訓練を終えて準備万端の様子という。駆け付け警護では、部隊の行動範囲が限定されるほか、情報収集した上で危険を回避する-ことなどから「不安はないと考える」とした。
一方、別のOBは、稲田朋美防衛相が国会答弁で南スーダンを「比較的安定した場所」と言った点に不満を覚えたという。「『比較的』というのは安全が『完全』ではなく、何か不安要素が残っている」と受け止めた。
戦闘経験のない部隊が不安材料のある場所で、駆け付け警護をしなければならないと想定すると「命は大丈夫かと考えてしまう。訓練通りにはいかないのが現場だ」と続けた。
青森市で、隊員や家族らに特典など多様なサービスを提供するなどして支援する青森自衛隊指定店会の成家竹美会長(74)は「新任務が第5普通科連隊中心の部隊に付与されたことは名誉なこと」としながらも「現地で誰も傷つけることなく、部隊側も誰も傷つくことなく、何事もなく帰国すること。これに尽きる」と切望した。(東奥日報社抜粋)
関連訓練写真(WEV)
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いよいよ「駆けつけ警護」が法制化された。
訓練の成果と対処要領が決定し、命をかけたPKOの任務になったが、参加者の覚悟は出来たというが、果たして現実が発生した場合、経験の無い自衛隊は本当にスムースに体は動ける態勢をとり任務を遂行出来るか心配だ。もちろん訓練は十分と思うが・・
「駆けつけ警護」が無い事に越した事は無いが、もしもの事を常に忘れず行動し、無駄な命を落とす事なく無事日本に帰り、家族と笑いあえる日々を望むもので有る・・