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赤身肉摂取増やすと、糖尿病発症率が上昇―15万人データ分析

2013-06-19 11:26:54 | 糖尿病



ウォール・ストリート・ジャーナル 6月19日(水)10時51分配信
 約15万人のデータを分析した結果、過去4年間で赤身肉(牛肉や豚肉など)の消費を増やした人は、その後の4年間に2型糖尿病(生活習慣に起因するとみられる糖尿病)を発症する確率が、赤身肉の消費を増やさなかった人より高いことが分かった。

 この分析はシンガポール国立大学の研究者たちが中心になって行ったもので、米ハーバード大学が主に看護師や医師を対象に実施した3つの長期調査からデータを収集した。分析結果は米医師会が刊行する「JAMAインターナル・メディシン」電子版に17日、掲載された。この研究は米国立衛生研究所(NIH)から助成金を受けた。

 赤身肉の消費と2型糖尿病の発症との関連を指摘する研究はこれまでにもあったが、赤身肉の消費量の変化と2型糖尿病の発症リスクとの関係を長期追跡したのは、今回が初めてとみられている。被験者は研究開始時以降、4年ごとに消費した飲食物の種類に関する詳細な質問に回答した。分析は約20年分のデータを対象に行った。

 この研究では、概略して以下のことが分かった。赤身肉の消費量を過去4年間で1日当たり半サービング(1サービングは1食分の分量)以上増やした集団と、消費量を変えなかった集団とを比較すると、その後の4年間に2型糖尿病を発症するリスクは、消費量を増やした集団の方が48%高かった。

 しかし、同じく4年間で赤身肉の消費量を同じだけ減らしても、その後の4年間に糖尿病を発症するリスクは低減しなかった。ただし、もっと長い期間で見ると、リスクが14%減った。

 この結果は、その他の要素(体重や全体的な食事の質など)とは独立していて、両者の関連は見られなかった。

 論文の執筆者らは「この結果は赤身肉(と2型糖尿病の予防)との関連の強さを確認するもので、長期間にわたる赤身肉の消費抑制が予防上良い効果をもたらすことを示す証拠がさらに増えたことになる」と述べた。この論文の主執筆者はシンガポール国立大学公衆衛生大学院のアン・パン助教。

 しかし他の医師たちは、必ずしも赤身肉自体が問題ではないと指摘している。

 デューク大学や製薬大手の英グラクソスミスクラインと関係があり、この研究に対する解説(同じくJAMAインターナル・メディシンに掲載)を執筆したウィリアム・J・エバンス博士は、「問題なのはタンパク質(ないし肉)の種類ではない。脂肪の種類が問題なのだ」と述べた。同博士はインタビューで、「赤身肉は脂肪含有量が多いとする間違った描写がされている」と付け加えた。

 同博士は、赤身肉であってもリブ・アイ(リブロース=最も厚みのあるロース部分で、霜降りになりやすい部位)といった高脂肪の部位ではなく、サーロイン・ティップあるいはラウンド・ステーキなどといった低脂肪の部位を消費者は選択できるはずだと指摘した。

 パン博士にコメントを求めたが、17日時点で回答は得られていない。

 米政府が出している一般的な食事の指針と同様に、米糖尿病学会(ADA)は糖尿病の患者に対し、野菜や果物を多く摂取し、乾燥豆を含む全粒食品を選ぶよう推奨している。また1週間に2、3回魚を食べることも推奨している。脂肪分の少ない肉とは、牛肉や豚肉のうち、名前の最後に「ロイン」がつくもので、ポークロインやサーロインなどを指す。

 糖尿病は約2600万人の米国人を悩ませている病で、体がインスリンを作れない、ないし適切に使えないことによる血糖値の高さを特徴とする。2型糖尿病は糖尿病で最も多く見受けられるタイプで、体重増や加齢と関連づけられることが多い。糖尿病は心臓発作、脳卒中、腎臓病、失明、手足などの切断、それに神経損傷のリスクを高める。糖尿病のもう1つのタイプである1型糖尿病は自己免疫疾患で、幼少期に診断される場合が多い。

 疾病管理予防センター(CDC)は2050年までに、米国の成人のうち、最大で3人に1人が糖尿病になる可能性があると予測している。糖尿病は現在、米国人の死亡原因で7番目に多い。



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