The Society of Helical Carbon ヘリカル炭素学会

Helical C (CMC), PAT PCT/FDA JP & TH (Food), SM TH FDA (Med)

Cancer risk due to diabetes Elucidation of mechanism through flies/糖尿病によるがん発症リスク

2020-05-08 11:34:13 | 糖尿病

An experiment using flies revealed part of the mechanism by which diabetes increases the risk of developing cancer. A research group led by Professor Tatsuro Igaki (genetics) at Kyoto University announced on August 8 in the US scientific journal "Developmental. Cell "published in electronic version. The development of new cancer prevention methods is expected.

Diabetes patients are almost twice as likely to have cancer as healthy people, but no clear reason is known. On the other hand, in the early stage of carcinogenesis, it is considered that a phenomenon called "cell competition" occurs in which abnormal cells that cause cancer are eliminated by surrounding normal cells.

The research group used Drosophila to discover that when a gene called "chico" was destroyed, cell competition did not occur and abnormal cells turned into tumors.

Chico-destroying flies have "hyperinsulinemia," which is an abnormal increase in the amount of insulin in the body found in diabetic patients. When the antidiabetic drug "Metformin" is administered, cell competition is restored and tumors develop. I also confirmed that it would disappear.

In cell competition, it is known that abnormal cells with low ability to synthesize proteins are eliminated by surrounding cells. The study found that, in hyperinsulinemia, abnormal cells seemed to have increased ability to synthesize proteins, and cell competition stopped working.

”Professor Igaki said,“ It is thought that humans have a similar mechanism, which will lead to the development of new preventive and therapeutic methods for cancer. ”


การทดลองใช้แมลงวันเผยให้เห็นส่วนหนึ่งของกลไกที่เบาหวานเพิ่มความเสี่ยงต่อการเกิดโรคมะเร็งกลุ่มวิจัยนำโดยศาสตราจารย์ Tatsuro Igaki (พันธุศาสตร์) ที่มหาวิทยาลัยเกียวโตประกาศเมื่อวันที่ 8 สิงหาคมในวารสารวิทยาศาสตร์ของสหรัฐอเมริกา เซลล์ "เผยแพร่ในเวอร์ชันอิเล็กทรอนิกส์ คาดว่าจะมีการพัฒนาวิธีการป้องกันมะเร็งแบบใหม่

ผู้ป่วยโรคเบาหวานมีแนวโน้มที่จะเป็นมะเร็งเกือบสองเท่าในคนที่มีสุขภาพ แต่ไม่ทราบสาเหตุที่ชัดเจน ในระยะแรกของการเกิดมะเร็งก็ถือว่าเป็นปรากฏการณ์ที่เรียกว่า "การแข่งขันของเซลล์" เกิดขึ้นในเซลล์ผิดปกติที่ทำให้เกิดมะเร็งจะถูกกำจัดโดยเซลล์ปกติรอบ

กลุ่มวิจัยใช้ดรอสโซฟิล่าเพื่อค้นพบว่าเมื่อยีนที่เรียกว่า "ชิโก" ถูกทำลายการแข่งขันของเซลล์จะไม่เกิดขึ้นและเซลล์ผิดปกติจะกลายเป็นเนื้องอก

แมลงทำลายชิโกมี "hyperinsulinemia" ซึ่งพบได้ในผู้ป่วยเบาหวานที่มีปริมาณอินซูลินในร่างกายเพิ่มขึ้นอย่างผิดปกติเมื่อยาเมตฟอร์มินเป็นยาต้านเบาหวานการแข่งขันของเซลล์จะฟื้นฟูและเนื้องอก ฉันยังยืนยันว่ามันจะหายไป

ในการแข่งขันของเซลล์เป็นที่รู้กันว่าเซลล์ผิดปกติที่มีความสามารถต่ำในการสังเคราะห์โปรตีนจะถูกกำจัดโดยเซลล์รอบ ๆ การศึกษาพบว่าใน hyperinsulinemia เซลล์ผิดปกติดูเหมือนจะมีความสามารถเพิ่มขึ้นในการสังเคราะห์โปรตีนและการแข่งขันของเซลล์หยุดทำงาน

ศาสตราจารย์อิกากิกล่าวว่า“ เป็นที่เชื่อกันว่ามนุษย์มีกลไกคล้ายกันซึ่งจะนำไปสู่การพัฒนาวิธีการป้องกันและรักษาโรคมะเร็งแบบใหม่”

糖尿病
                   Diabetes
 糖尿病によってがんの発症リスクが高まる仕組みの一端をハエを使った実験で明らかにしたと、京都大の井垣達吏教授(遺伝学)らの研究グループが8日、米科学誌「ディベロップメンタル・セル」電子版に発表した。新たながんの予防法の開発が期待されるという。

 糖尿病の患者は健康な人と比べてがんになるリスクが2倍近く高いとされるが、明確な理由は明らかになっていない。一方、がん化の初期段階では、がんのもとになる異常な細胞が周りの正常な細胞によって排除される「細胞競合」と呼ばれる現象が起きていると考えられている。




 研究グループはショウジョウバエを使い、「chico(チコ)」と呼ばれる遺伝子を破壊すると細胞競合が起きず、異常な細胞が腫瘍化することを発見した。
Drosophilaの成長
   Growth of Drosophila

 chicoを破壊したハエは、糖尿病患者にみられる、体内のインスリン量が異常に増える「高インスリン血症」になっており、糖尿病治療薬「メトホルミン」を投与すると、細胞競合が復活して腫瘍化しなくなることも確認した。
metformin
                        Metformin
 細胞競合では、タンパク質を合成する能力が低い異常な細胞が周囲の細胞によって排除されることが分かっている。今回の研究で、高インスリン血症の状態では異常な細胞はタンパク質を合成する能力が高まり、細胞競合が働かなくなったとみられることが分かった。

 井垣教授は「ヒトにも同様の仕組みが備わっていると考えられ、新たながんの予防・治療法の開発につながるのでは」としている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200508-00000502-san-hlth

がん(国立国際医療研究センター糖尿病情報センター)
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/020/04.html

 

表1:「市町村による科学的根拠に基づくがん検診」厚生労働省
検査項目 対象者 受診間隔
胃がん検診 問診及び胃部エックス線検査 40歳
以上
年1回
子宮頸がん
検診
問診、視診、子宮頚部の細胞診及び内診 20歳
以上
2年に
1回
肺がん検診 質問(問診)胸部エックス線検査及び喀痰細胞診 40歳
以上
年1回
乳がん検診 問診、視診、触診及び乳房エックス線検査
(マンモグラフィー)
40歳
以上
2年に
1回
腸がん検診 問診及び便潜血検査 40歳
以上
年1回

出典:厚生労働省:市町村のがん検診の項目について

 

糖尿病とがん(糖尿病サイト)
https://www.club-dm.jp/novocare_circle/academy/academy9.html

革新的先端研究開発支援事業
https://www.amed.go.jp/content/000024906.pdf

糖尿病(Medical note)
https://medicalnote.jp/diseases/糖尿病?utm_campaign=%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

がん:細胞競合は腫瘍発生を促進する(Nature Highlight)
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/99897

細胞競合の分子機構とその生理的な意義(谷口喜一郎・井垣達吏)
http://leading.lifesciencedb.jp/6-e008

  Prof Tatsushi IGAKI     Dr. Kiichiro TANIGUCHI


ショウジョウバエ(猩猩蠅/Drosophilidae)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ショウジョウバエ
Drosophila
                  Drosophila

ショウジョウバエ実験の便利帳-花井@産総研(AIST)
https://staff.aist.go.jp/s-hanai/tips.html


メトホルミン(Metformin)
https://ja.wikipedia.org/wiki/メトホルミン
漢方がん治療におけるメトホルミンと2-DGの併用
漢方がん治療におけるメトホルミンと2-DGの併用


白米は体に悪い

2018-04-13 12:20:19 | 糖尿病

「白いごはんが好き」と言う日本人は多い。厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」でも、ごはんをお茶碗で1日3~5杯食べることが推奨されている。

ところが、膨大な研究論文から科学的根拠に基づいて分析してみると、白米は1日2~3杯でもすでに糖尿病のリスクが上がり始める可能性があるという。

白米のみならず、さまざまな食材をエビデンスベースで5グループに分類し、「体に良い食品」と「体に悪い食品」を明らかにしたUCLA助教授の津川友介氏に、白米を食べる量を減らしたほうがいい理由を解説してもらう。

健康に良い炭水化物・悪い炭水化物

巷では「糖質制限ダイエット」や「低炭水化物ダイエット」が流行っている。エネルギーとなる成分は大きく分けて、たんぱく質、脂質、炭水化物の3つに分けられるのだが、これらのダイエット法に共通しているのは、「炭水化物」の摂取量を減らして、代わりにたんぱく質や脂質の摂取量をやや多めにするということである。

 

しかし、この炭水化物なら十把一からげに減らすべきという考えは、実はミスリーディングである。炭水化物には、「健康に良い炭水化物」と「健康に悪い炭水化物」があるからである。

私たちにとって最も身近な炭水化物は、白米や小麦粉であり、これらは精製された炭水化物である。このように精製して柔らかくて食べやすい形にすることを(白っぽくなるため)「精白」すると表現し、米であれば「精米」すると呼ぶ。

そして、この精白されている「白い炭水化物」は、血糖値を上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気が起こるリスクを高める可能性があることが、数多くの研究から報告されている。

その一方で、玄米のように、精製されていない「茶色い炭水化物」の多くは食物繊維や栄養成分を豊富に含み、複数の研究で肥満や動脈硬化のリスクをむしろ下げると報告されている。つまり、すべての炭水化物が悪者なのではなく、どんな炭水化物を食べるかで健康に関しては逆の効果があるのだ。

 

 

なお、ここでは精製された炭水化物のことを「白い炭水化物」、精製されてない炭水化物のことを「茶色い炭水化物」と呼ぶ。そのほうがイメージしやすいと思われるからである。精製されているかどうかが重要なのであって、必ずしも色が重要なのではないことに注意してほしい。

数々の研究において、精製されていない「茶色い炭水化物」は健康に良い影響を与えると報告されている。アメリカ、英国、北欧の国々で行われた研究を統合した78万6000人のデータを用いて、炭水化物の摂取量と死亡率の関係を評価したメタアナリシス(複数の研究結果をとりまとめることで一つひとつの研究では認められない関係性を明らかにする研究手法)によると、1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、茶色い炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低かった。

炭水化物と心筋梗塞や脳梗塞の関係を見た(7つの研究を統合した)別のメタアナリシスによると、茶色い炭水化物の摂取量が多いグループ(1日2.5単位以上摂取)は、摂取量が少ないグループ(週に2単位未満)と比べて心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。

茶色い炭水化物の摂取により糖尿病のリスクが下がることも明らかとなっている。玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。この研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。

全粒粉や蕎麦粉の含有量も重要

茶色い炭水化物の摂取はダイエットにも有効であると考えられている。アメリカで行われた研究によると、茶色い炭水化物の摂取量が1日あたり40g増えるごとに、8年間での体重増加が1.1㎏減ることが明らかになった。複数の研究において、茶色い炭水化物の摂取量が多い人ほどBMIが小さく、腹囲が細いことも示されている。

その他にも、茶色い炭水化物には、便秘を予防する働きや、憩室炎という大腸に炎症を起こす病気を予防する効果があるとも言われている。

ここで1つ注意事項がある。スーパーやコンビニで手にする商品の中には、「全粒粉」と書いてあっても実は全粒粉が少ししか含まれておらず、ほとんどが精製された小麦粉という商品がある。食品のラベルに関して、原材料は、使用した重量の割合の高い順に表示されている。健康のことを考えたらできるだけ全粒粉の割合の高いものを選ぶべきだろう。

蕎麦を食べるにしても、巷には小麦粉の含有量が多くて蕎麦粉が少しだけしか含まれないものもあるので、注意が必要である。少ししか蕎麦粉が含まれておらず大部分は小麦粉でできている、いわば「蕎麦粉入りのうどん」を食べて健康になった気になってしまうのは危険である。十割蕎麦や二八蕎麦のように、できるだけ蕎麦粉の割合の高い蕎麦を選んで食べるのが好ましい。

 

 

私が食事と健康の話をすると、最もよく質問されることの1つが「白米は食べすぎなければ大丈夫ですよね?」といったものである。日本人は何事も「食べすぎなければ大丈夫」というあいまいな落としどころを好む傾向があるが、残念ながら、日本人が大好きな白米は「少量でも体に悪い」と言ってもいいだろう。エビデンスによると白米の摂取量が少なければ少ないほど糖尿病のリスクが低いことが報告されているからだ。

白米は「食べすぎなければ大丈夫」という問題ではない

2012年に世界的にも権威のある英国の医学雑誌に、白米と糖尿病の関係に関する4つのコホート研究(白米の摂取量を調査し、その人たちを何年間も追跡し、その後病気になるかを解析する研究方法のこと)の結果をまとめたメタアナリシスの結果が発表された。その結果、白米の摂取量が1杯(158g)増えるごとに糖尿病になるリスクが11%増えるとされた。

こういう話をするとしばしば「日本人では違うはずだ」という話になる。それでは、日本人のエビデンスも見てみよう。上記の論文でもデータの中の1つとして用いられているが、2010年に、権威あるアメリカ栄養学会の学会誌に、国立国際医療研究センターの南里明子氏(現在の所属は福岡女子大学)らが行った日本人のデータを用いた研究掲載された。

この研究によると、日本人においても白米の摂取量が多ければ多いほど糖尿病になる可能性が高くなることが明らかになった。

論文では、男性では、白米を食べる量が(ごはん1杯160g換算で)1日2杯以下のグループと比べて、1日2〜3杯食べるグループでは5年以内に糖尿病になるリスクが24%高いことが明らかになった。

その一方で、ごはんを1日2〜3杯食べる人と、3杯以上食べる人たちで糖尿病のリスクは変わらなかった。1日2杯(315g)くらいが糖尿病のリスクが上がりはじめる境界だと考えてもいいかもしれない。

女性ではもっとシンプルな関係、つまり白米を食べる量が多ければ多いほど糖尿病のリスクが高くなるという関係が認められた。白米を1日1杯しか食べないグループに比べて(最も少ないグループの白米摂取量が男女で違うので注意が必要)、1日2杯食べるグループでは15%、3杯食べるグループでは48%、4杯食べるグループでは65%も糖尿病になるリスクが高くなることがわかった。

 

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ただ、白米の摂取量は食事調査を行って追跡したものであり、記憶違いや過少申告、食生活の変化なども考えられる。したがって、「1日2杯の白米」とは、きっちりと1日2杯分の量を食べていたのか、ということは実は正確にはわからない。

さらには、1日1時間以上の筋肉労働や激しいスポーツをする人に関しては、統計的に有意な関係が見られなかった。これらのことを踏まえると、白米を食べる量が多い人ほど、糖尿病になってしまう確率が高くなっている傾向が確認できた、というくらいのざっくりとした理解にとどめるのが無難だろう。

個人的には白米の摂取量と糖尿病のリスクとの間には正の相関があるので、減らせるのだったらできるだけ少ない摂取量のほうがいいと考える。さらには糖尿病の家族歴があると糖尿病になる確率はさらに高くなるので、少しでもリスクを下げるためにもできるだけ白米を含む白い炭水化物は減らしたほうがいいだろう。どうしても白米を食べたい人は、毎日1時間以上の激しい運動をすることで、糖尿病のリスクを上昇させずに済むかもしれない。

 

米の摂取量を減らしたらお腹が空いてしまう?

炭水化物の摂取を減らすために、ただ単に食事の量を減らすことはおすすめできない。多くのダイエットが成功しないのと同様に、お腹が空いていてもがまんしているのは拷問に近く、理性によってコントロールすることが難しいからだ。そのため、食事の種類を「置き換える」ことを推奨する。

そこで筆者がおすすめしたいのは、白米が「主食」であるというマインドセットを変えるという方法だ。主食は白米であると思うからどうしても量を食べてしまうが、必ずしも白米が主食でなければいけないというルールはない。

白米の代わりに、玄米にするというのは最もシンプルな置き換え術だろう。前述のように、白米を玄米に置き換えることで、糖尿病のリスクが下がる可能性も示唆されている。アメリカでは、多くのレストランで白米と玄米を選ぶことができ、健康意識の高い人は玄米を選ぶようになってきている。

その他の方法として、お米の代わりに、大皿一杯のサラダが主食だとイメージしたらどうだろうか。魚や肉(たんぱく質)がおかず、サラダを主食にしてみる。この食事スタイルだと白米の摂取量をコントロールすることがだいぶ楽になると思われる。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/215982

 

津川友介の記事一覧

http://blogos.com/blogger/yusuke_tsugawa/article/

 

津川友介:世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事(2018) ISBN-13: 978-4492046241

 

玄米

https://ja.wikipedia.org/wiki/玄米

 

白米

https://ja.wikipedia.org/wiki/白米

 

白米を多く食べるアジア人、糖尿病リスク55%増 米ハーバード大

https://2ch.live/cache/view/newsplus/1332035827

 

【糖質制限の新常識】日本人は「パン」と「バナナ」を食べてはダメ!(週刊現代 2016.12.17.)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50460

 

グリセミック指数 (glycemic index)

https://ja.wikipedia.org/wiki/グリセミック指数

 

GI値一覧表

http://blog.s-re.jp/2860/files/gi.pdf


ジャポニカ米の脱穀白米のGI値が76なのに比べ、パスタのGI値は58でパスタのほうが白米より血糖値が上がりにくい

2018-04-12 00:00:11 | 糖尿病

「パスタ」の画像検索結果

イタリア料理のパスタは「ダイエットの大敵」などといわれてきたが、パスタを食べても太らない、という論文(※1)が話題になっている(※2)。小麦粉で作られるパスタも炭水化物で、糖質を目の敵にするダイエット派によって攻撃されてきた。パスタを食べても太らないというのは本当なのだろうか。

そもそもパスタは太りにくい炭水化物

「パスタは太らない」の画像検索結果

 結論から先に述べれば、デュラムコムギ(durum wheat)によって作られる乾燥パスタは意外にGI値(※3)の低い食べ物だ(※4)。GI値が低いと血糖値が上がりにくく、インスリンによる血糖値の調整と糖の吸収のバランスが取れるようになる。逆にGI値が高いと食事中に急に血糖値が上がるため、インスリンも過剰に分泌され、糖を溜め込んで太りやすくなる。

 つまり、パスタを食べても太らない、というのはそもそも間違ってはいないといえる。ちなみに、ジャポニカ米の脱穀白米のGI値が76なのに比べ、パスタのGI値は58でパスタのほうが白米より血糖値が上がりにくいことがわかる。小麦粉で作られた白パン(食パン)のGI値は70前後だ。

「gi値 一覧表」の画像検索結果

 冒頭の論文は、カナダのトロント大学やセント・マイケルズ病院などの研究グループによるものだ。食事によってパスタを含む低GI値グループ(オートミール、豆類など)と高GI値グループ(白パン、ベイクドポテト)に分けて比較した過去の32研究論文(総参加者2448人)をシステマティックレビューとメタアナリシスで検証した。

 これらの研究論文で得られた結果をもとに分析してみると、低GI値の食事を摂ったグループのほうが高GI値の食事を摂ったグループよりも体重が減り(-0.63kg)BMI値も減少した(-0.26、研究論文18)ことがわかったという。

 32論文の中でパスタを含む低GI値の食事グループで体重が増加した研究論文は9つあり、体重とBMI値、体脂肪率以外のウエスト周りと腹囲と尻回りの比率、内臓脂肪を評価するSAD(sagittal abdominal diameter)での評価では、低GI値グループのほうが良好ということはいえなかった。

 パスタを含む低GI値の食事を摂ったグループと高GI値の食事を摂ったグループとを比べれば、当然ながら前者のほうが太りにくいという結果が出ると考えられる。低GI値グループがパスタばかり食べていたわけではなく、いくつかの低GI値の食物を選択して食べてもらったという研究論文を比較したことになる。

パスタ食だけで比較できていない

「gi値 一覧表」の画像検索結果

 この論文の研究者は、パスタのみで比較した論文を抽出することはできていない。一定期間、炭水化物はパスタしか食べないという研究は非現実的だろう。

 いずれにせよ、パスタが白米や白パンに比べて血糖値を上げにくい低GI値の炭水化物ということは間違いなく、適量のパスタを食べたからといって必ずしも体重が増えるわけではない。糖質制限ダイエットの弊害も取りざたされているが、炭水化物を含む必須栄養素をバランス良く摂ることこそが重要だ。

 パスタのような低GI値の炭水化物を食べることで糖質を摂るようにする食事法がある。この論文の研究者は、パスタを含む地中海食を使って児童で行われたスペインの研究(※5)を紹介しているが、肥満気味の児童の11.3%がこうした食事によって減量に成功したという(平均体重児童では2.6%)。

「gi値 一覧表」の画像検索結果

 パスタはスパゲティ、マカロニ、リングイネなどに形状を変え、小麦の種類や卵の混ぜ具合など成分も多様で、乾燥パスタや生パスタなどの加工法にもいろいろあるが、総じてGI値が低いことは共通している。食物繊維が豊富なので満腹感を得やすく、消化吸収が緩やかで腹持ちもいいパスタを食べることで、エネルギーの総摂取量を減らすことができるだろうと研究者はいう。

 だが、オイルを大量に使うなど、パスタと一緒に脂質の多い食べ物を食べるとインスリンの抵抗性が上がり、炭水化物の代謝に悪い影響を及ぼすようだ(※6)。特にパスタはオイルやバター、クリームなどと相性がいいのでカロリーや脂質の摂取過多にも要注意だし、なんでもそうだがドカ食いなどの量の加減も大事だろう。

 炊飯後の米1合は約300グラム強になるが、その点でも一般的なパスタ1食100グラムは食べ過ぎかもしれない。もちろん、パスタも茹でると量が増える(約2~3倍)。よくいわれるように、食べ合わせや食べる順番(セカンドミール効果、※7)に気をつけ、美味しくパスタを食べたいものだ。

※1:Laura Chiavaroli, et al., "Effect of pasta in the context of low- glycaemic index dietary patterns on body weight and markers of adiposity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials in adults." BMJ Open, doi:10.1136/bmjopen-2017-019438, 2018

※2:Yahoo!ニュース:2018/04/07

※3:GI値:Glycemic index、グリセミック・インデックスのことで、ブドウ糖を100の規準にしたときの食事後の血糖値の上がりやすさを示す指標。シドニー大学のGIサイトによればデュラムコムギの全粒粉パスタを塩を入れた湯で10分ボイルした後のGI値は58。米の長粒米はGI値76、中粒米はGI値89、ジャポニカの短粒米は玄米でGI値62、白米でGI値76となっている。

※4:Wallace H. Yokoyama, et al., "Effect of Barley β‐Glucan in Durum Wheat Pasta on Human Glycemic Response." Cereal Chemistry, Vol.74, Issue3, 293-296, 1997

※5:Bibiloni MDM, et al., "Improving diet quality in children through a new nutritional education programme: INFADIMED." Gaceta Cantitaria, Vol.31(6), 472-477, 2017

※6:Sylvie Normand, et al., "Influence of dietary fat on postprandial glucose metabolism (exogenous and endogenous) using intrinsically 13C-enriched durum wheat." British Journal of Nutrition, Vol.86, Issue1, 3-11, 2001

※7:D J. Jenkins, et al., "Slow release dietary carbohydrate improves second meal tolerance." The American Journal of Clinical Nutrition, Vol.35, Issue6, 1339-1346, 1982

 

スパゲッティスパゲティー、スパゲッティー、スパゲティなどとも:spaghetti)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3

ttps://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/04/post-9882.php

 

【糖質制限の新常識】日本人は「パン」と「バナナ」を食べてはダメ!

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50460


パスタダイエットの効果と太らない食べ方とレシピ!

https://dietbi.com/pasta-4112.html


グリセミック指数 (glycemic index) 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E6%8C%87%E6%95%B0


GI値一覧表

http://blog.s-re.jp/2860/files/gi.pdf

 

糖尿病の食(国立循環器病研究センター)

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/obesity/pamph74.html

 

GIについて学ぼう(大塚製薬)

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/

 

最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ

UCLA医学部助教授が教える「不都合な真実」

https://toyokeizai.net/articles/-/215982?utm_source%3Drss%26utm_medium%3Dhttp%26utm_campaign%3Dlink_back

 

 



ココア

2015-07-07 06:51:49 | 糖尿病

体内でアルコールを分解する場所と言えば、肝臓です。解毒の他には、タンパク質、糖、脂肪をエネルギーに変える代謝機能や、胆汁の生成、分泌を行う臓器でもあります。たくさんの血管や胆管があり、心臓、小腸、十二指腸につながっています。「肝臓が痛む」といった症状はめったに聞きませんよね。肝臓は一部の機能に異常があっても症状が現れにくく、自覚症状が出たときには遅かったりするゆえに、「沈黙の臓器」を呼ばれています。そして糖尿病患者の死亡原因は、肝疾患が17.5%です(日本糖尿用学会の調査結果より)。肝機能の低下を防ぎ、糖尿病に効果がある食材が、スイーツに使われるまさかの食材から発見されたのです。


◆糖尿病のメカニズム
糖尿病は高血糖が続いた状態を言います。血液中にエネルギーとして活用されないブドウ糖が溜まると血糖値が上昇。糖尿病には1型と2型があり、生活習慣病など不摂生な生活による糖尿病は主に2型で、糖尿病患者の95%を占めると言われています。ブドウ糖をエネルギーに変える橋渡し役であるインスリンの作用不足によるものです。

インスリン作用不足には、インスリンの分泌量低下とインスリン抵抗性の2つが考えられます。
血液中のブドウ糖はインスリンによって肝臓を経由し、筋肉、脂肪など、インスリン受容体のある細胞に結合し、エネルギーとして取り込みます。この受容体がインスリンに鈍くなっている状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。


◆肝機能低下と糖尿病を予防するスイーツって?
スペイン高等科学研究員の研究グループによると、「ココア」に糖尿病を防ぐ効果があるというのです(栄養分子生物学専門誌2015年7月号)。まだマウスによる実験段階ですが、ココア10%を含むエサと普通のエサを与えて比較したところ、ココアを含むエサを与えたマウスは、体重、血糖値、インスリン抵抗性レベルが下がったと報告しています。名付けてココアリッチダイエット。

ココアが血糖値を抑制すると考えられるのは、糖の合成、糖の活用促進、糖をエネルギーに変えるタンパク質の働きなど、肝臓で糖をコントロールする働きを見せたからだと発表されています。


◆ココアって糖じゃないの?
ココアとチョコレートは、同じカカオ豆が主原料です。カカオは、片手で持てるくらいの大きさで黄色っぽい果実です。その中の種が、カカオ豆です。カカオ豆を焙煎、摩砕したものをカカオマスと言い、チョコレートの原料になります。カカオマスから脂肪分を除き粉砕したものを「ココアパウダー」と呼びます。

市販されているココアはピュアココアに砂糖やミルクを入れて甘くしています。健康のためにココアを取るなら、なるべくピュアココアがオススメ。
冬のイメージが強いココアですが、夏にもアイスココアとして冷たいまま取り入れると良いかもしれませんね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00010006-mocosuku-hlth


食事制限・運動なしでメタボ治療…マウスで効果

2013-10-31 21:18:42 | 糖尿病

 肥満が原因で発症する糖尿病やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を治療する薬の候補物質を見つけたと、東京大の門脇孝教授(糖尿病・代謝内科学)らの研究チームが発表した。


 心臓病の合併など様々な事情で運動や食事制限ができない人に朗報で、飲み薬を目指して5年以内に臨床試験を始める。研究成果は31日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。

 肥満の人では、アディポネクチンという「善玉ホルモン」の分泌が減り、糖尿病やメタボにつながることが知られている。アディポネクチンを薬にできれば糖尿病などを改善できると期待されるが、構造が複雑なため、飲み薬としての量産は難しかった。

 研究チームは、飲み薬として使えそうな数百の化学物質を試し、アディポネクチンと似た働きをする物質を発見。脂肪の多い食事で太って糖尿病になったマウスに物質を飲ませて、効果を検証した。その結果、マウスの食べる量や体重に変化はなかったものの、血糖値や中性脂肪の濃度が下がった。肥満による筋力低下を抑える効果もみられた。

2.アディポネクチンと糖尿病・心血管病の 分子メカニズム - 日本医学会

jams.med.or.jp/symposium/full/128034.pdf

アディポネクチン - Wikipedia


糖尿病:「肉食男性」発症の危険性、4割高く

2013-08-28 08:49:58 | 糖尿病
 肉類を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べて糖尿病を発症する危険性が約4割高いとの大規模調査の分析結果を、国立がん研究センターなどの研究チームが21日発表した。女性の場合は関連はみられなかった。英栄養学専門誌に掲載された。

 1995年と98年に10都府県に住んでいた45~75歳の男女6万3849人を対象に調査。開始時は全員、糖尿病やがん、循環器の病気はなかったが、5年後に1178人が糖尿病を発症していた。

 肉類の摂取量別に4グループに分けて発症の危険性を比べたところ、男性は摂取量が多いほど危険性が高まり、最も多いグループ(1日あたりの中央値108グラム)は最も少ないグループ(同23グラム)の1・36倍だった。肉の種類別では、牛・豚は摂取量が多いほど危険性が高くなったが、鶏肉、加工肉(ハム、ソーセージなど)は関連がなかった。女性は肉類全体、種類別のいずれも発症との関係がみられなかった。

 研究チームの黒谷佳代・国立国際医療研究センター臨床研究センター上級研究員によると、肉に多く含まれる鉄分などが、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしている可能性があるという。女性は体内の鉄の蓄積量が少なく、肉類摂取の影響を受けにくいと考えられる。黒谷さんは「男性は魚や鶏肉も積極的に選ぶなど、バランスの良い食生活を心がけてほしい」と話す。

富士通、低カリウム野菜を栽培する国内最大規模の植物工場を運用開始……クリーンルームを転用

2013-07-06 09:53:52 | 糖尿病

RBB TODAY 7月6日(土)9時0分配信

低カリウム植物工場の様子

 富士通グループは5日、福島県会津若松市において、「食・農クラウドAkisai(アキサイ)」を活用した大規模植物工場の実証事業を行うことを発表した。

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 この植物工場は、半導体工場のクリーンルームを転用したもので、2,000平方メートルの実装面積を持ち、低カリウム野菜を栽培する植物工場としては国内最大級のものとなる(生産規模3,500株/日)。生産物は、人工透析患者、慢性腎臓病患者など、医師からカリウムの摂取制限を受けている人々に、野菜を提供できる手段として期待される。

 本実証事業は、富士通ホーム&オフィスサービスの提案が、復興庁・経済産業省「2013年度 先端農業産業化システム実証事業」として採択されたことを受け、富士通グループ、会津富士加工、福島県立医科大学などで構成するコンソーシアムが、協調・連携して実施する。カリウム含有率の低いリーフレタスを2013年10月から試作し、2014年1月から量産出荷する。

 富士通セミコンダクターが半導体製造工場のクリーンルームで培った、最適製造条件の割り出しや雑菌管理のノウハウ、富士通ファシリティーズ・エンジニアリングが持つ、半導体製造工場へのインフラ供給や省エネルギー管理のノウハウを活かし、最適な育成環境を実現する。また「Akisai」を活用し、栽培データを継続的に解析し、生産性の高い栽培、効率的な植物工場経営を行うとのこと。期間は2014年3月末まで。

慢性腎臓病の原因細胞を特定…東北大グループ

2013-07-06 07:42:04 | 糖尿病

毎日新聞 7月6日(土)6時0分配信
 東北大の研究グループは5日、慢性腎臓病の原因細胞を特定したと発表した。日本で1300万人以上の患者がいるとされる慢性腎臓病の治療方法開発につながる可能性がある、としている。米腎臓病学会誌(電子版)に掲載される。

 相馬友和研究員と山本雅之教授らのグループによると、高血圧や糖尿病で腎臓の機能が落ちると、腎臓内にコラーゲンを作る細胞が出現する。この細胞は腎臓を硬くして、赤血球を生み出すホルモン「エリスロポエチン」を作る機能を低下させる。赤血球が減って腎性貧血を起こし、さらに機能が低下するという悪循環に陥る。

 研究グループは今回、腎臓内にコラーゲンを作り腎臓を硬くする細胞について、エリスロポエチンを作る細胞が炎症により変化したものであることを突き止めた。炎症を抑えると、再び同ホルモンを作る正常な細胞に戻ることも確認した。相馬研究員は「細胞の炎症を制御できれば、腎臓病の予防や治療に応用できる」と話している。



腎臓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%8E%E8%87%93
www.kidneydirections.ne.jp/‎

膵臓神経から脳へ=インスリン感知に新ルート―増強剤で肥満治療も・自治医大

2013-06-27 10:09:41 | 糖尿病
時事通信 6月27日(木)6時13分配信
 食事を取ると膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンは血液に運ばれて脳に届くほか、膵臓の神経でも分泌が感知され、脳に情報が伝わることが分かった。自治医科大(栃木県下野市)の岩崎有作助教や矢田俊彦教授らがマウスの実験で発見し、米科学誌プロスワンに27日発表した。
 インスリンの分泌が脳に伝わると、満腹感が生じる。新たに見つかった神経経由の情報の方が脳に早く伝わる可能性がある。矢田教授は「過食や異常な肥満の患者向けに、膵臓の神経がインスリンを感知する作用を増強する薬を開発できれば、食欲にブレーキをかけることができるだろう」と話している。 
 肥満から糖尿病を発症する患者も多いが、糖尿病で血糖値が高い状態が続くと神経に障害が起きることが多い。膵臓に分布する神経の機能が障害で低下した場合、食欲が止まらず、悪循環に陥っているケースも考えられるという。
 神経には脳から全身に指令を伝える「下り」と、全身の情報を脳に伝える「上り」がある。上りの神経細胞にはインスリンを捕まえる受容体たんぱく質があり、情報伝達物質を通じて脳にインスリン分泌が伝えられる。
 岩崎助教らがこの情報伝達物質「IRS2」を作れないマウスを遺伝子操作で生み出したところ、膵臓のインスリン分泌が脳に伝わりにくくなり、過食から肥満になった。このマウスはインスリンが血液で脳に運ばれる機能は正常だった。


肥満で肝がん発症か=腸内細菌が変化、マウス実験-がん研
 肥満によって腸内の細菌が変化し、肝臓がんを引き起こすことがマウスの実験で分かったと、原英二がん研究所部長らが26日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。原部長は「人間でも同様の仕組みが働いている可能性がある。細菌を抑えるなどの発症予防策につながると期待される」と話している。
 研究チームは発がん性のある化学物質を低濃度でマウスに塗り、高脂肪食を与えて肥満させたところ、肝臓がんを発症した。肥満させなかったマウスは発症しなかった。
 詳しく調べたところ、肥満マウスの腸では、通常のマウスに見られない細菌が増えていた。この菌が作り出した特殊な酸が、門脈を通じて肝臓に移行。一部の細胞に損傷を与えて肝細胞の異常増殖を起こす物質を分泌させ、がんを引き起こしているとみられる。
 人間も肥満すると腸内細菌が変化することが報告されている。研究チームは肥満の肝がん患者から採ったがん組織を分析。一部で同様に細胞の損傷が起きていることも確かめた。

腎臓がんの全体像解明=新治療法開発に期待-京大
 腎臓がんの遺伝子異常の全体像を、全遺伝情報(ゲノム)解析により解明したと、京都大大学院医学研究科の真田昌助教らの研究グループが24日、米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版で発表した。腎臓がんの新たな治療法の開発が期待できるという。
 腎臓がんのゲノム解析例はこれまでもあったが、サンプル数が少ないなど限定的だった。研究グループは大型コンピューターを使い、腎臓がん患者106人のがん細胞について、ゲノムや遺伝子変異、染色体異常などを網羅的に解析した。
 腎臓がんではVHLと呼ばれる遺伝子に異常が起きることが知られているが、研究グループの解析でも92%の患者のVHL異常が確認された。残り8%ではVHLに異常は見られなかったが、うち半数近くで特定の2カ所のアミノ酸に変異が起き、VHL異常が生じているのと同様の状態になっていることが分かったという。
 真田助教は「どの遺伝子に異常が起きているかを究明することで、個々の症例に応じた治療につなげられる」としている。

赤身肉摂取増やすと、糖尿病発症率が上昇―15万人データ分析

2013-06-19 11:26:54 | 糖尿病



ウォール・ストリート・ジャーナル 6月19日(水)10時51分配信
 約15万人のデータを分析した結果、過去4年間で赤身肉(牛肉や豚肉など)の消費を増やした人は、その後の4年間に2型糖尿病(生活習慣に起因するとみられる糖尿病)を発症する確率が、赤身肉の消費を増やさなかった人より高いことが分かった。

 この分析はシンガポール国立大学の研究者たちが中心になって行ったもので、米ハーバード大学が主に看護師や医師を対象に実施した3つの長期調査からデータを収集した。分析結果は米医師会が刊行する「JAMAインターナル・メディシン」電子版に17日、掲載された。この研究は米国立衛生研究所(NIH)から助成金を受けた。

 赤身肉の消費と2型糖尿病の発症との関連を指摘する研究はこれまでにもあったが、赤身肉の消費量の変化と2型糖尿病の発症リスクとの関係を長期追跡したのは、今回が初めてとみられている。被験者は研究開始時以降、4年ごとに消費した飲食物の種類に関する詳細な質問に回答した。分析は約20年分のデータを対象に行った。

 この研究では、概略して以下のことが分かった。赤身肉の消費量を過去4年間で1日当たり半サービング(1サービングは1食分の分量)以上増やした集団と、消費量を変えなかった集団とを比較すると、その後の4年間に2型糖尿病を発症するリスクは、消費量を増やした集団の方が48%高かった。

 しかし、同じく4年間で赤身肉の消費量を同じだけ減らしても、その後の4年間に糖尿病を発症するリスクは低減しなかった。ただし、もっと長い期間で見ると、リスクが14%減った。

 この結果は、その他の要素(体重や全体的な食事の質など)とは独立していて、両者の関連は見られなかった。

 論文の執筆者らは「この結果は赤身肉(と2型糖尿病の予防)との関連の強さを確認するもので、長期間にわたる赤身肉の消費抑制が予防上良い効果をもたらすことを示す証拠がさらに増えたことになる」と述べた。この論文の主執筆者はシンガポール国立大学公衆衛生大学院のアン・パン助教。

 しかし他の医師たちは、必ずしも赤身肉自体が問題ではないと指摘している。

 デューク大学や製薬大手の英グラクソスミスクラインと関係があり、この研究に対する解説(同じくJAMAインターナル・メディシンに掲載)を執筆したウィリアム・J・エバンス博士は、「問題なのはタンパク質(ないし肉)の種類ではない。脂肪の種類が問題なのだ」と述べた。同博士はインタビューで、「赤身肉は脂肪含有量が多いとする間違った描写がされている」と付け加えた。

 同博士は、赤身肉であってもリブ・アイ(リブロース=最も厚みのあるロース部分で、霜降りになりやすい部位)といった高脂肪の部位ではなく、サーロイン・ティップあるいはラウンド・ステーキなどといった低脂肪の部位を消費者は選択できるはずだと指摘した。

 パン博士にコメントを求めたが、17日時点で回答は得られていない。

 米政府が出している一般的な食事の指針と同様に、米糖尿病学会(ADA)は糖尿病の患者に対し、野菜や果物を多く摂取し、乾燥豆を含む全粒食品を選ぶよう推奨している。また1週間に2、3回魚を食べることも推奨している。脂肪分の少ない肉とは、牛肉や豚肉のうち、名前の最後に「ロイン」がつくもので、ポークロインやサーロインなどを指す。

 糖尿病は約2600万人の米国人を悩ませている病で、体がインスリンを作れない、ないし適切に使えないことによる血糖値の高さを特徴とする。2型糖尿病は糖尿病で最も多く見受けられるタイプで、体重増や加齢と関連づけられることが多い。糖尿病は心臓発作、脳卒中、腎臓病、失明、手足などの切断、それに神経損傷のリスクを高める。糖尿病のもう1つのタイプである1型糖尿病は自己免疫疾患で、幼少期に診断される場合が多い。

 疾病管理予防センター(CDC)は2050年までに、米国の成人のうち、最大で3人に1人が糖尿病になる可能性があると予測している。糖尿病は現在、米国人の死亡原因で7番目に多い。